表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/29

東方風神録 〜命蓮紀行〜 stage 5

東方風神録 〜命蓮紀行〜 stage 5になります。

「其処に居るのは何処の人ぞ」


命蓮が湖を越えようとすると遥か上から声をかけられた。

声がした方を見上げると一際高い柱の上に人影が見えた。

胸には鏡、背に注連縄を背負った女性。

だが命蓮はすぐにその女性が人間でない事を悟る。


「ふむ、博麗の巫女かと思ったが……存外鈍いものだ」


言葉に乗った霊力が肌を撫でる。妖怪すら超えた圧倒的な存在感と力。

間違いなくあの女性こそがそこの守矢神社の神だろう。


「私の名前は八坂 神奈子。守矢神社の一柱だ。

さて人間。お前は入信に来たのか」


冗談じゃないとばかりに否定する。


「違います。僕は聖 命蓮。人里で寺を開いている僧です。

今日は真実を見極めに来ました」


一つ呼吸を置いてから、命蓮が守矢神社に向かう理由になった新聞の真偽を問う。


「幻想郷で配られている新聞の書き込みに、あなた方が無理やり信仰を広めようとしている、とありました。これは本当ですか?」


ん?と神奈子が疑問の顔を浮かべていたが、思い出したように手をポンと叩く。


「ああ。あの吹っ飛ばした天狗の嬢ちゃんかな?」


するとニヤニヤと笑い始めて、言い放った。


「ホントだよ。まぁ正確に言うと違うけどね」

「正確に?」


まだ僕達が聞いてない情報かもしれないと耳を澄ませる。


「私達の目的は“博麗神社の乗っ取り”さ」


博麗神社の乗っ取り?


「一体何でそんな事を?そんな事をしなくても地道に布教すれば…」

「確かにそうだ。だけどね、布教ってのは人間が私達を畏れ敬わなければならないんだよ。

だけどこの幻想郷はどうだ?妖怪や神が身近に居すぎて、私達を畏れなくなっているじゃないか。

このままだと幻想郷の信仰は無くなり、私達みたいなのは消えてしまうだろう?

だから幻想郷で唯一にしてあらゆる妖怪達から恐れられている博麗の巫女を倒して乗っ取れば、少しは畏れを取り戻せるはずだ。

そのために私達は幻想郷の未来の為に働いているってわけだ。

お前も僧侶なら分かるだろ」


そう言われた命蓮は憤慨して、つい言い返していた。


「あなたに…何が分かるんですか?」

「ん?」

「あなたに、何が、分かるっていうんですか」


神奈子のあまりの身勝手な解釈で、幻想郷に住む人間の信仰云々を説かれるのが命蓮は我慢出来なかった。


「信仰が無い?そんな訳無いでしょう。あなたが分かってないだけで、皆色々な神仏に祈ってます。

農家の方は豊穣の神々に。

厄疫なら厄神様に。

それ以外でも皆何かに祈って、信仰して恩恵を預かってます。

ハッキリ言います。あなた達がしようとしているのは子供が駄々をこねるのと一緒ですよ」


静寂―――。

数秒間無言が続く。

わかってくれたかとも思ったが


「……言いたいことはそれだけか?」


神奈子が柱から降りてくる。


「諏訪子!居るんだろ?」


どこかに向かって名前を呼ぶとまた一人現れた。

見た目は少女だが、雰囲気が目の前にいる神奈子とほぼ同じだ。

つまり、この少女も神様という事になる。


「神奈子、どしたの?」


神奈子は冷徹な目で命蓮を見据える。


「残念だがこの人間、私達に従う気は無いらしい」

「ありゃ。何で?」


首を傾げる。どうやら本当に分からないらしい。


「私達の計画が気に入らない、だとさ」

「ふーん。じゃあ力尽くで従わせるしかないね♪」


そう言うと神奈子と諏訪子と呼ばれた少女はお互い札を出す。


「痛いけど死にはしないからさ!!祟符『ミジャクジさま』」

「神符『神が歩かれた御神渡り』」


二柱の神による同時宣言。

当然避ける隙間も無い。


「くっ!仕方ないか…!!」


そう言って懐から『三千大千世界の数珠』を取りだそうとした瞬間―――。


「命蓮〜、なぁに道草食ってんだ?」


一陣の突風が吹き荒れて目の前にあった弾幕が総て吹き飛ばされていった。


「この声は…明王様?!」


命蓮の声が聞こえたのか、陽気な声で返事をされた。


「まったく、びっくりしたぜ…勝手に山に向かってるとはな。俺も混ぜろよ!」


刀を抜いて命蓮の前に立つと、神奈子達を睨む。


「おい。ウチの僧侶が邪魔したな。今度は俺も邪魔するぜ」

「誰だ貴様?」


突然の闖入者に疑問を浮かべている神奈子だったが、諏訪子はすぐに感づいたようだった。


「神奈子、コイツ仏だよ。多分あの人間の守護者ってヤツかも」


一方明王は欠伸をしながらただ佇んでいる。

まるで、神であるあの二人すら眼中に無いといった風に。


「命蓮、お前は先に神社に行ってな。こいつらは俺が相手しといてやるからよ」


少し躊躇う申し出だったが、今の自分では明王の邪魔になるだろう。

すぐにその申し出を受けて神社へと向かった。


「ありがとうございます、明王様!」


それを見た神奈子は舌打ちすると手に柱を乗せて、命蓮に向かって投げる。

だが―――。


「やらせるかよ!」


命蓮に届く前に柱が真っ二つに斬られた。


「チッ。面倒くさい……まぁいい。お前を倒してさっさと行こうか」


は?と明王が一瞬ポカンとした顔を浮かべ、次の瞬間爆笑し始めた。


「な、何だ?」

「ハハハハハハ!こいつは笑える!!お前ら何言ってんだ?」


剣を、ただまともに構える。

それだけの動作で周りの雰囲気が明王の殺気で埋め尽くされる。


その周囲は音すら明王を畏れたかのように静まり返った。

神奈子達の生唾を飲む音がもしかしたら山に響くのでは……そう思う位の静寂。


その静寂が明王によって破られる。


「…………お前達の全ての罪が今、刃と成って我が敵を討つ……恨むなら、自らが犯してきた罪を恨むがいい」


数多の仏敵を滅ぼした西方の守護者『大威徳夜叉明王』が遂に幻想郷でその剣を振るった瞬間だった―――。

明王様がログインしました!

困った時の明王様!!いやあ、便利なキャラです♪おや、誰か来たようだ……(ピチューン)


出て来たのは神奈子に諏訪子でした。

諏訪子の出番少ない……もっと出したいのだが………。



やっと最近小説を読み始めました!

プロの方々の言い回し?の上手さに一人感心するばかり……あんな風に文章書けるようになりたいです!!

そのために嫌いな勉強も進んでするように…。文学ってスゴいwww


さて次回予告です。

明王に助けられて神社へと向かった命蓮。

だがそこには二人の巫女が熾烈な争いを繰り広げていた……。


では次回をお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ