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東方風神録 〜命蓮紀行〜 stage 3

風神録 stage 3になります。

日も真上に登った頃、山に入った命蓮は妖怪や妖精にも遭わずに渓流まで来ていた。

このまま一直線に神社まで行けるかと思ったが


「いけない…疲れてしまったな」


静葉に雛と連続して弾幕を全部避けたり、仏様の力を借りたりした疲労が出てくる。


「少し休もうか。丁度開けた場所に出たし…」


下に降りると川の近くに腰掛けれる岩を見つけた。


「丁度良いな。少し足を冷やそう」


足袋を脱いで両足を川に浸ける。

残暑が残る今の気温に丁度良い冷たさで、川の透き通った様がより冷たく感じさせる。


「それにしても綺麗な川だ。そうだ!今度釣りにでも来ようかな。何が釣れるかな〜」


つかの間の間に守矢神社の事を後回しにして予定を立てていく。

こういう風にくつろげる時間は殆ど無いから大切に使いたい。

そんな風にのんびりくつろいでいると


パキッ


と誰かが木の枝を踏んだ音が聞こえた。

しかも後ろから。

集中力を高めて少し身構える。

が、すぐに緊張を解いた。

雰囲気は人間では無いが、こちらに害を為すような気は感じられない。

どちらかというと、少し怯えているように感じられた。

こういった相手にはあえて話しかけずに無視するのが最上だ。こっちから怖がらせないようにと思って声をかけても、余計に怖がってしまう場合が多いからだ。

相手が妖怪とかなら尚更で、それが原因で暴れて怪我人を出したりすることもある。

なので相手が立ち去ってくれるまでか、自分から離れるのが一番良いのだ。


瞬間、一際強い風が吹いた。

舞い上がった髪を手で直していると肩に何かが飛んできた。


ん?と思って飛んできた何かを掴んで見ると、帽子だった。

緑色の大きい帽子だ。

だけど僕はまず帽子を持ってない。

知り合いのかと記憶を探るが誰もこんな帽子を被ってなかった。


「あっ!?」


後ろの木から驚いた様な声が上がった。

振り返るとそこには少女が一人木陰から飛び出してきている所だった。

だけど顔を見ると


「ひゅい!?」


変な声を上げてまた木陰に隠れてしまった。

でも顔を少し出しては僕が掴んでいる帽子を見ている。

この帽子の所有者は彼女らしい。

立ち上がって僕が座る所から離れた岩に帽子を乗せて戻る。

すると恐る恐る木陰から彼女が出てくると、僕の方を見ながら帽子を取りに行っていた。

まだ警戒されているらしいので僕からは目を合わせないようにする。

法力にも限度はあるからなるべく面倒は避けたい。僕が静かにしていたら彼女もこちらに害無しと見て去るだろう。


グゥ〜〜!


だけど僕のお腹はそれを待てないようだった。

今鳴らなくてもいいのに…!

だがしかし、空腹なのもまた事実だ。

なにせ妖怪の山にくる前に食べた物と言えば焼き芋一本だけだった。

当然と言えば当然だろう。


「あ、あの〜…」


ふいに彼女から声をかけられた。

意外だなと思いつつ彼女の方を向くと、彼女が差し出している手にはきゅうりが数本握られていた。


「お、お礼に、どうですか…」


さっきの帽子のお礼のようだ。

普段ならあまり受け取らない僕だけど、今回ばかりは空腹に負けてしまった。


「ありがとう!」


そう言ってきゅうりを5〜6本受け取るとそのままかじった。ポキッと小気味良い音が響き渡る。

歯ごたえもあり、とても新鮮なきゅうりだった。


「美味しいね!」


素直な感想がつい出てしまう。でも空腹の体にこのきゅうりは反則な程美味しく感じる。


「う、うん!やっぱりきゅうりは美味しいよね!!」


そう言って隣に座って来た。

さっきとはまるで別だなと思いながらも、こうして心を許してくれた事が嬉しいな、と感じる。


「でも、もう少し何か…そうだ、味噌とか」

「あるよ」


背負っていたカバンから味噌が入った壺を取り出してくれた。


「用意良いんだね」

「きゅうりに用意は欠かさないよ」


再びきゅうりを次々と口に運んでいった。


……………。


「ふう、美味しかった…」


最後に川の水を飲んで口の中をスッキリさせる。

帰ったらきゅうり料理でも食べようか、と考えていると、少女が何か思い出した様に立ち上がった。


「そういえばまだ名前言って無かったね。

私は河童の河城 にとり。アナタは?」

「僕は聖 命蓮。

人里にある、命蓮寺の住職をやってるんだ」


遅い自己紹介をお互い済ませる。


「さて、盟友!君も山を登るんだろ?」

「うん、そうだよ。あと盟友って?」


質問に答えつつ疑問を浮かべる。


「河童と人間は古くからの盟友だからね!もちろん命蓮も盟友さ!」


本当にさっきまで木陰から出なかったと思えないぐらいの変貌ぶりだ。


「命蓮はもう盟友で、私の友達だからね!この先は本当に危ないから私もついていってあげるよ!」


これは嬉しい申し出だ。

空を飛ぶと景色とかが良く見えるけど、まだ慣れない分法力を無駄に使ってしまうから、丁度歩いていこうと思っていた所だった。


「本当?助かるよ。ありがとう」

「良いって。そういえばどこ行くの?」


神社の方を指差す。


「あの守矢神社って所」


するとにとりは苦笑いしていた。


「あそこは今天狗達が沢山いるからね。こっちからの方が遠回りだけど、天狗達とは遭遇しにくいから早く着くよ」


やっぱり現地の人…じゃない、妖怪の案内は頼りになる。


「じゃあにとり。道案内を頼んだ!」

「うん!任せてよ!!」

今回はにとりが出てきました!

にとり可愛いですよね!!


今回は戦闘描写無しです。

これは(脳内で)揉めました、ハイ。

折角原作通りに行ってるのにボスと戦闘しないなど…!

との主張もありましたが、やはりほのぼのしたいので☆

けして戦闘描写が苦手だからでは無いですよ、絶対。


まぁこういう異変解決の進み方もアリでは無いか?というという所に収まりました。

それにこれからもにとりと絡ませたいので!



それでは次回予告です。

にとりを仲間にした命蓮達は、天狗達を避ける為にあえて遠回りな道を行く事に。

しかしそこで待っていたのは―――。


では次回をお楽しみに!

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