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東方風神録 〜命蓮紀行〜 stage 0

ここから風神録スタートになります。

寺の建立から二週間ほど経った早朝。


日がやっと顔を見せ始めた時間に一人、命蓮が境内を掃除していた。


「おや、もうこんな時間ですか」


箒等の掃除道具を片付けると、中にある本尊に向かって半刻ほど読経する。


読経が終わるとすぐさま荷物を纏めて


「それでは行きますので、留守をお願いします」

「うむ。気をつけてな」


明王様に挨拶をしてから寺子屋に向かう。


「慧音さん。おはようございます」

「おはよう。いつも早いな」


慧音さんと軽く挨拶を交わして子供達に教鞭を取る。


これが最近の僕の行動だ。

寺を建立させてすぐは射命丸 文という烏天狗が取材とかいう名目で質問責めにあったりしたけど、それ以外は妖怪の山に神社が丸々引っ越してきたという事以外何も無い。


良いことと言えば、妹紅と大ちゃんがほぼ毎日寺の手伝いに来てくれる事だろうか。

何でも、見ていて大変そうだから、という理由らしい。

理由を聞いた時の明王様が妙に笑いを堪えていたように見えたけど……ま、いっか!


さて、昼食昼食……と思って外へ行こうとすると


「命蓮。今日はウチで食べないか?」


そう言って籠一杯のサツマイモを見る。


「親御さんからいただいたんだ。ただ…美味しいんだが、一人では食べきれなくてな」


生のサツマイモの良い匂いが鼻を刺激する。確かに美味しそうだ。


「では遠慮無くいただきます」


中庭に集められた落ち葉の中にサツマイモを入れて火を点ける。焼き芋が出来上がるまでの間に最近の出来事を話し合った。


「そういえば命蓮、お前の能力は分かったのか?」

「はい。明王様のおかげで何とか。僕の能力は『神仏の加護を受ける程度の能力』らしいです」

「?つまり…どういったものなんだ?」

「えーと、つまり、仏教で信奉されている仏様や神様の加護を一身に受けれる、という物です。

ほら、前に大きな怪我をしてもすぐに治りましたよね。あれもこの能力のおかげらしいです。

あと僕の法力も強化されたり、仏様の能力も元の三割程度ですが行使できますね」


慧音さんは顎に手を当て


「あえて大ざっぱに言えば、身体能力が強化される、と」


正解です、と頷く。


その時、空から何やら紙の束が落ちてきた。

拾い上げて見てみると、大きな文字で


『文々。新聞 号外』


と書かれていた。

一面には『妖怪の山に突如現れた守矢神社!明日にも人里侵攻か!?』


充分興味をそそられる内容だ。

慧音さんにも読みやすい様に大きく広げて読み始める。



『突然妖怪の山に現れた守矢神社の実態を探るべく、本記者が前日、潜入取材を敢行した。

本記者は神社の神二柱と巫女が話し合う内容を盗み聞きした結果、衝撃的な内容に事細かく書くのは控えるが、簡単に言うと『信仰心が薄れた幻想郷の住人達を守矢神社に信仰させる』という恐ろしいものだった。

他にも『邪魔者には攻撃も辞さない』など物騒な会話もしていた。

これに対し博麗の巫女や命蓮寺の僧がどういった行動を見せるのか楽しみである』



うん、何というか……物騒だ。


「本当ですかね、コレ?」


思わず新聞を指差して慧音さんに聞いていた。


「うーん、普段がアレだからな………ただこういう記事は信憑性が高いだろうな」

「何でです?」

「自身も興味があるだろうし、妖怪の山全体の問題だからな。天魔あたりが命令して調べさせたりしているだろう」


なるほど、と納得する。

前に読んだ『幻想郷縁起』には、天狗という種族はかなり排他的な性格らしい。

そんな性格なら、急に来た神社を警戒するのは当たり前か。


「………ハァ」


書いてある記事の幾つかを見てため息を吐く。


『信仰させる』や『攻撃も辞さない』という事が本当なら、同じ宗教家としてとても残念だ。

僕達教えを説く側としては信仰を集めたいと思うのは一緒だ。

だからといって皆が何を信仰するのかは自由だ。教えを説いて聴かせたからと信仰を強要する事は出来ないのだ。

もし説いても信仰が増えないのであれば、それは自身が未熟さゆえだ。


だが、この文章を読む限り守矢神社の方々は自身の未熟も無視して力で信仰を強要しようとしている。

―――もしくは、その未熟さすら分かっていないのか。


とにかく、そんな事をさせてはいけない。

まだ間に合うはず…。


「今から守矢神社に行ってきます」


この言葉に当然慧音さんは驚いていた。


「大丈夫なのか?この前の山とは訳が違うぞ」


確かに、明王様以上の実力者は居ないにしても、人間より遥かに強い天狗や神、妖怪が大勢住んでいる場所だ。

当然危険度は増すが、人に教えを説く側として、守矢神社がやろうとしている事は許せない。

まだ間に合うなら、己の未熟さに気付かせてあげたい。


「大丈夫ですよ。最近は明王様に鍛えてもらって空も飛べるようになりましたし」


そう言って懐から数珠を取り出して右手に巻くと


「では行ってきます!」


妖怪の山に向かって飛んでいった。

遂に風神録がスタートしました!

これから風神録組とどう絡めるか……妄s、想像が膨らみますね!!


やっと命蓮の能力が出て来ました!

『神仏の加護を受ける程度の能力』

簡単に説明しますと、神様や仏様の加護を普通の人より多く受ける事が出来るという凄いあやふやな能力です。

傷の治りが早かったり、法力を誰よりも多く持っているのもこの能力のおかげです。

更に明王様との修業で神仏の能力や技も使えるようになりました!

ただし、技に必要な物が無かったり、人の身で使えない能力等は当然使えません。

より詳しい説明はまた今度……。


さて、次回予告です!

新聞を見て守矢神社の面々を諭すために妖怪の山へ向かった命蓮。

しかし山に入る前にボロボロになった神様に会い…?


では次回をお楽しみに!

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