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戦場のメリークルシミマス

作者: koyak

 坂本龍一のあの曲が、大好きです。


 新着作品にクリスマス系のタイトルが並んでいるのを見て、ふと思いついた話。


 クリスマスとかそんなの関係なく、機械は律義に異常をお知らせしてきやがります。

 いや、知らせてくれなきゃそれはそれで困るんですけど。

「よ、よし。とりあえずpingは通った……」

 データベースから顧客の購買情報を取得・集計して処理する夜間バッチ処理が通信エラーでダウンしている、という電話で叩き起こされたのが深夜の惨事、いや、三時。

 何があろうとも休日中、バッチの再実行も考えると今日中には原因究明と復旧を行う必要があったのだが、何とかサーバーとの接続復活を(最低限のレベルでだけど)確認するところまで辿り着くことができた。

 後は他にエラーはないか、バッチを実行し直しても問題ないか、何か破損している情報はないかなどを確認し、上司や顧客への報告書をまとめれば作業は終わる。はず。


「もう夕方か~。ちょっと甘いものが欲しいな。チョコでも買いに行くか」


 休憩がてら、外に出て最寄りのコンビニへと向かう。

 街はどこもかしこも赤と白の華やかな飾り付けで彩られていた。

 そういえば今日はクリスマスイブだったっけ、と他人事のように呟く。

 実際、他人事だ。


 コンビニの中に入ると、こちらもやはり街中と同様、クリスマス色に染まっていた。

 商品の配置はいつもと少し違う、クリスマス仕様になっており、浮き立った様子の客で賑わっている。


「あ~……饅頭でいいや。饅頭饅頭……ない。もう煎餅でいいや。甘くねーけど」


 買い物を済ませ、セキュリティのカードを通してサーバールームへ戻ってきた瞬間、嫌な予感が走った。恐る恐るモニタを確認すると、エラーチェックのために動かしていたスクリプトが異常検知のメッセージを吐き出していることに気づく。


「おいおい、まだ何かあるってのかよ」


 戦いは、もう少し続くようだ。

ご覧いただき、ありがとうございます。


よいクリスマスをお過ごし下さい。

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