懺悔
私が殺した貴方は、今どこで何をしているのでしょうか?
かつての神、今は害鳥として疎んじられている貴方達の中の一羽。
その羽を、さらに汚濁にまみれさせたこの私は、今ものうのうと生きています。
…あの時、やはりあの人に解放されずに殺されてしまったのでしょうか?
それとも解放されたにも関わらず、人の手に落ちた貴方を
同胞達は暖かく迎え入れてくれたのでしょうか?
…そうでないならば、私を殺しに来て下さい。私も、いえ私だけが生き残っている咎人です。
…生きて居て欲しいと思う反面、貴方には死んで居て欲しいとも思います。
私の罪の証拠、私の過去、一緒に持っているのですから。
自分本位な感情ですが、同時にこれ程まで正直な本音も無いでしょう。
…貴方の同胞を見かける度に思います、貴方ではないかと。
これは蛇の生殺し、復讐の一つの手段ではないかと。
そんな事が、有る訳、無いのに。
ごめんなさい。
ここに懺悔します。
次に貴方に会えたならば、ちゃんとこの手で殺します。
もう決して、人任せにしたりはしません。
貴方の頭を優しく撫でて、貴方の羽を綺麗に梳いて、
例え聞くに堪えない断末魔を上げたとしても、その首を絞めます。
…それを望まないなら、私を殺して下さい。貴方になら私は…。