藍の間
一日中軋みながら
手の関節を摩った
外では雪が降っていた
今は梅雨なのに
梅雨だと思っているのはわたしだけかもしれない
曇天が嗤った
青色矮星が光る部屋の片隅に
一つ雪だるまをつくった
オラフみたいに動いて欲しかった
そこにあるのはただの雪だるま
痺れた指先を温めながら
白湯を飲んだコーンポタージュじゃないことに小さく絶望した
いつからこんな贅沢ものになってしまったんだろう
外ではまだ雪が降っていた
軋む毎日からほんの少しだけ
歓喜が零れるときがある
掌で受け取って飲み干す
どんなに耐えても無理なこと
顔の半分が引き攣ったり瞼が痙攣したり
手の関節が痛んだり腰が痛んだり
それでも休めやしない
働くということを
学ぶということを
生きるということを
手がかりは梅雨のあの瞬間だけ
いつ咲くのか分からない
蕾を待っている
いつ死ぬのか分からない
私たちを待っている




