揺らぐ眼差し
ここまでお読みいただきありがとうございます!
今回は、蓮の「未来視」が仲間に知られてしまう回です。
その力を巡って、迅・仲間・雪、それぞれの反応が描かれます。
少しずつ、レジスタンス内の人間関係に不穏な影が忍び寄ります……。
◇
夜のアジト。
灯油ランプの淡い光が揺れ、粗末な机の上には奪った酒瓶と食糧が散らばっていた。
戦いを終えた仲間たちの間に、奇妙な沈黙が流れる。
蓮が口を開いた。
「……見えたんだ」
「見えた? なにを?」
雪が不安そうに尋ねる。
「敵の動き……これからどうするかっていう映像が、頭に流れ込んできたんだ。
その通りに動いたら……勝手に身体が動いて……」
仲間たちが一斉にざわめく。
「未来が見える……? 冗談だろ」
「気味悪ぃ……」
「あり得ねえよ、そんなの」
疑念と恐怖の混じった視線が、蓮を突き刺す。
◇
「静かにしろ」
低く響く声が場を鎮めた。
鷹宮迅が立ち上がり、ゆっくりと蓮へ歩み寄る。
「……未来が見える、ね。馬鹿げた話だ」
口では吐き捨てながら、その目は笑っていなかった。
「だがな――お前の動きは確かに異常だった。敵が引き金を引く前に回避し、こちらの攻撃を先読みしたように動いた。
あれが偶然で片づけられるか?」
ざわつく仲間たちに、迅は言い放つ。
「信じる信じねえはどうでもいい。だが、事実としてこいつは結果を出した。
なら――利用する。それだけだ」
蓮の肩をがしりと掴み、声を低める。
「安心しろ。俺が必ず、お前を最大限に使ってやる」
その言葉に、仲間の間でまたざわめきが起きた。
「使う……って、道具かよ」
「でも、勝てるなら……」
「やっぱり怖いぜ、こんなの……」
◇
「もうやめて」
雪が立ち上がり、強く言い切った。
「蓮は仲間だよ。人を道具みたいに言わないで」
蓮は驚き、彼女を見つめる。
その瞳には恐怖も嫌悪もなく、ただ純粋な心配が宿っていた。
胸の奥で何かが小さく震える。
だが同時に、蓮は理解する。
――この力がある限り、自分はもう「普通の仲間」には戻れない。
◇
ここまでお読みいただきありがとうございます!
第9話では、蓮の未来視が仲間に知られ、組織内での立場が揺らぎ始めました。
迅の「利用」、仲間の「疑念」、そして雪の「信頼」。
三者三様の反応が、この先の展開にどう影響するのか……ご期待ください!




