火の洗礼
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今回は、レジスタンスが仕掛ける大規模作戦の始まりです。
蓮の力が、戦場で否応なく表に出てしまう場面を描きます。
アシハラ南部、鉄道の要衝。
そこには占領軍の補給拠点が築かれていた。
燃料、弾薬、食糧――いずれも長期支配を支える要。
鷹宮迅は地図を広げ、仲間たちに告げた。
「今度の作戦は、奴らの補給線を焼き尽くす。線路を爆破し、倉庫を炎で覆う」
ざわめきが起こる。
「線路爆破……兵士が山ほど来るぞ」
「だが、ここを潰せば戦況は大きく変わる」
迅の視線が蓮に向いた。
「お前の“度胸”に期待してる。今回も前線に出てもらうぞ」
蓮は無言で頷いた。
仲間の目には期待と、不安が入り混じっている。
――昨日の疑念が、まだ尾を引いている。
◇
夜。
闇に紛れて一行は線路沿いに潜入した。
雪が火薬を仕掛け、迅が兵士の配置を確認する。
だが、その瞬間――蓮の頭を激しい映像が襲った。
爆炎に包まれる倉庫。
兵士たちが逃げ惑い、子供の泣き声が響く。
……これは、未来の記憶?
「……っ!」
膝が折れそうになる。だが声は出せない。
迅が手を上げた。
「仕掛けろ!」
雪が導火線に火をつける。
次の瞬間、大地が揺れた。
轟音と共に線路が弾け飛び、炎が補給拠点を飲み込む。
「やった――!」
仲間の声が上がるが、蓮は燃え盛る光景を凝視していた。
――自分が見た“未来”が、そのまま現実になった。
倒れる兵士。
泣き叫ぶ子供を抱えた女の影。
その断片が、炎の中で重なっていく。
「おい、蓮!」
雪が腕を掴んだ。
「どうしたの、顔が真っ青よ!」
蓮は答えられなかった。
胸の奥に冷たい確信が芽生えていた。
――俺の力は、過去だけじゃない。
――未来さえも覗き込むのか。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
第8話では、大規模作戦の成功と同時に、蓮の「未来を視る」力が明確になりました。
次回は、この力に仲間たちがどう反応するのか、そして蓮自身がどう受け止めるのかを描いていきます。
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