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揺れる心

お読みいただきありがとうございます!

今回は、仲間を失った直後のレジスタンスの空気と、蓮に向けられる新たな視線を描きます。

少しずつ、彼の立場が変わり始めます。

翌朝。隠れ家に重苦しい空気が満ちていた。

 仲間のユウジは、夜明けとともに土へと還された。

 小さな木の十字架が立てられ、雪が黙って祈りを捧げる。

 「……俺たち、本当に勝ったんだよな」

 誰かが呟いた。

 「食糧も武器も手に入った。けど、ユウジはいねえ」

 沈黙が返る。

 篠崎蓮は墓標の前に立ち尽くしていた。

 脳裏にはまだ、ユウジの記憶が焼き付いている。

 笑い声、妹を背負う姿、崩れ落ちた街――。

 「……っ」

 思わずこみ上げてくる吐き気を抑え、蓮は歯を食いしばった。

 その背後から声がかかる。

 「お前、昨日……何か変じゃなかったか?」

 振り返ると、仲間の一人が蓮をじっと見ていた。

 「兵士を撃ったあと、頭を押さえてたろ。まるで……そいつの死に様を見てるみたいに」

 言葉に、数人の視線が集まる。疑念と、不安。

 だが雪が一歩前に出て、きっぱりと言った。

 「蓮は、私たちを守った。疑う理由なんてない」

 その声は強く、しかし震えていた。

 蓮は彼女を横目で見やり、胸の奥に妙なざわめきを覚えた。

 鷹宮迅が皆を見渡し、低く言い放つ。

 「新入りにばかり目を向けるな。ユウジの死を無駄にしたくなければ、次の戦いに備えろ」

 その言葉に場の空気は収束した。

 だが蓮は、仲間の視線が完全に消えていないことを感じていた。

 ――俺は、何者なんだ。

 仲間を救うはずの力が、同時に異物として自分を浮かび上がらせている。

 揺れる心を抱えたまま、蓮は墓標に背を向けた。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

第7話では、仲間の死をきっかけに「蓮=異質な存在」という疑念が生まれ始めました。

次回は、レジスタンス内部の緊張と、新たな作戦に向けた動きが描かれていきます。

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