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初陣

お読みいただきありがとうございます!

今回は、蓮がレジスタンスの仲間と共に初めて敵へ挑みます。

彼の「力」が少しずつ表に現れ始める回です。

夜のアシハラ。

占領軍の補給車両が街道を進んでいた。

兵士たちは油断なく周囲を警戒している――だが、暗闇には潜む影があった。

「合図をしたら、一気に仕掛ける」

低く囁いたのは鷹宮迅だ。

手を上げると、雪をはじめ十数名の仲間が息を潜める。

蓮もまた、胸の鼓動を押し殺すように構えていた。

迅が手を振り下ろす。

次の瞬間、火炎瓶が宙を舞い、爆ぜた炎が闇を照らす。

「今だ――!」

銃声が一斉に響き渡る。

閃光の中で、蓮も引き金を引いた。

弾丸が兵士の胸を撃ち抜き、血が飛び散る。

だがその瞬間――頭の奥に再び、他人の記憶が流れ込んできた。

「……っ!」

撃たれた兵士が最期に見た、母親の笑顔。

子に残した小さな木彫りの護符。

その断片的な映像が、蓮の視界をかき乱す。

だが躊躇は許されない。

蓮は唇を噛み、さらに引き金を引いた。

戦闘は熾烈を極めた。

敵は数に勝り、火力も強い。

だが、迅の采配と仲間の連携がそれを覆していく。

「蓮、右だ!」

雪の声に振り向いた瞬間、銃口が迫る。

咄嗟に蓮は前へ飛び出し、兵士の喉をナイフで裂いた。

温かい血が頬を濡らす。

「……大丈夫?」

雪の問いに、蓮は短く頷いた。

「問題ない」

その瞳には、恐怖ではなく奇妙な静けさがあった。

まるで戦場そのものが、自分の居場所であるかのように。

やがて補給車は奪われ、敵兵は退散した。

仲間たちが歓声を上げる中、迅が蓮の肩を叩く。

「やるじゃねえか、新入り。お前の度胸、気に入った」

笑う迅の目には、評価と……どこか探るような光があった。

蓮はその視線を受け止め、無言で視線を逸らす。

その胸の奥では、別の感情が渦を巻いていた。

――この力は、仲間を救うために使うものなのか。

――それとも、自分が生き残るためだけに使うものなのか。

答えはまだ出ない。

だが、確かなのはひとつ。

篠崎蓮という存在が、レジスタンスにとって無視できない力となりつつある、という事実だった。

第5話をお読みいただきありがとうございます!

蓮が初めて仲間と共に戦う姿を描きました。

彼の力が「戦場向き」であることが、徐々に周囲にも知られ始めています。

次回は、勝利の余韻と裏腹に生まれる「疑念」。

仲間の間に小さな不協和音が響き始めます。

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