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紅い瞳の少女

お読みいただきありがとうございます!

今回は、蓮の運命を大きく変える「少女」との出会いです。

ここから物語の方向性が一気に広がります。ぜひ楽しんでください。

瓦礫に覆われた灰のアシハラ

月明かりの下、篠崎蓮は廃ビルの影を歩いていた。

腹を満たす食料を探し、あてもなく彷徨う毎日。

けれど、あの日――兵士の命を奪い、力を得てから、彼の歩みはわずかに変わっていた。

「……生き残るためなら、何だってやる」

自分の中に流れ込む記憶の残滓を押し殺し、蓮は拳を握る。

そのとき、不意に背後から鋭い声が飛んだ。

「動くな!」

反射的に銃を抜く。

月光に浮かび上がったのは、銃口をこちらに向ける少女だった。

年は蓮と同じくらい。

短く切り揃えた黒髪に、紅い瞳が闇を射抜いている。

軍服でもなく、ただの市民服でもない――

汚れた外套の下には、手作りの布鎧と弾薬袋。

「……レジスタンスか」

蓮が呟くと、少女の視線が鋭くなる。

「どうしてそれを知っている?」

兵士から奪った記憶が答えをくれた。

占領軍が最も恐れている地下組織――それが、レジスタンス。

「俺は敵じゃない」

「その銃を下ろしなさい」

「……先に下ろすのは、そっちだろ」

互いに銃を向け合ったまま、緊張が張り詰める。

だがそのとき、遠くで軍用車のライトが瓦礫を照らした。

「しまった……見つかった!」

少女は舌打ちし、咄嗟に蓮の腕を引いた。

「こっちよ!」

瓦礫の隙間をすり抜け、二人は闇の中を駆け抜ける。

背後で兵士たちの怒号と銃声が響き渡った。

どうにか逃げ切ったのは、地下へと続く壊れた下水道だった。

少女は壁に背を預け、息を切らしている。

「……助かった。お前がいなければ捕まってた」

蓮は銃を握ったまま、じっと彼女を見つめた。

紅い瞳は、暗闇の中で異様な輝きを放っていた。

「お前……何者だ?」

少女はわずかにためらったあと、答えた。

「――私は《神楽かぐら ゆき》。レジスタンスの一員よ」

その名を告げる声音には、震えも迷いもなかった。

まるで自分の生きる意味を、ただそこに刻みつけるように。

蓮は小さく息を吐き、銃を下ろす。

「……俺は篠崎蓮。生き残るためなら、何だってする」

雪はしばし彼を見つめ、やがてわずかに笑った。

その笑みは、戦火の中で見るにはあまりに儚く、

そして――危ういほどに美しかった。

「なら、私たちと来る? 生き残りたいなら、選択肢は一つよ」

その言葉が、蓮の運命を決定づける扉を開けていた。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第3話では、ヒロインとなる「神楽雪」が登場しました。

彼女は物語全体を通じて、蓮の象徴的な存在となっていきます。

次回は、レジスタンスの拠点での出会いと、彼らの真の目的が少しずつ明かされます。

よければ引き続きお付き合いください!

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