第2話 「サン」
レイルの弟、カイリは両親に甘やかされて育った。
カイリが生まれたのは9年前、レイルが7歳のころだ。
カイリが4歳になったころ、1つの違和感が浮かぶ
【お姉ちゃんがパパとママに無視されてる】
カイリは思い切って両親にきいてみた
カイリ[ねえ、なんでお姉ちゃんのこと無視してるの?]
両親[え?あー.....あの子はね、”うちの子じゃない”んだよ]
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PM3:02
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カイリは今、絶望している
なぜなら.....
カマキリ[グジャッグジャッ]
突然巨大化したカマキリに襲われ、目の前で両親を捕食されているからだ
カイリ[あ...あ...]
サン[シャー!!!!!]
カイリの前に立ち必死に守っている猫はサン
9歳のカイリより1歳年上の先住猫
カイリ[さ、サン!!逃げないと!!!]
カイリ....(お姉ちゃん...助けて)
両親こそレイルに見向きもしなかったが、カイリはレイルの事が大好きなのだ
カマキリ[グァア?]
カイリ[ひっ]
カマキリがカイリを見つめる、まるで今にも喰おうとしてる様だ
カマキリ[グアアアア!!!]
サン[シャー!!!!!!!]
レイル[斬撃]
ズバッ!!
レイルの放った斬撃により、カマキリの首がもげる
カイリ[お姉ちゃん!!!!]
レイル[お父さんお母さんは..........]
レイルが駆けつけた頃には既に....
レイル[とりあえず....どこか逃げるところは...]
ドッ!!!
レイル[ま、まじか...]
カイリ[ああ....]
やってきたのは...雌のカマキリ
カマキリは雄の方が遥かに大きい、交尾時に雄を捕食するなんてのはよくある事だ
レイル[もう1回...斬げ...うっ!]
カイリ[お姉ちゃん!?!]
レイルの脳内に声が響く
先代勇者[当たり前だ!!お前はまだ力を使い慣れてない!直ぐに魔力を消費尽くしてしまう!]
カイリ[お姉ちゃん!!ああ...]
そう言ってる間にも、カマキリが近づいてくる
その時
サン[ニャー!!!!!]
カイリ[サン!ダメだって!!!]
サンは2人を守ろうと、前に立つ
そのとき
サンの脳内に
声が響く
???[お前の根性には気に入ったにゃ、吾輩の力を継ぐといいにゃ!]
直後
ピカッ!!!
サンの体が神々しく光る
レイル[さ....サン...]
サン[ふーっ]
カイリ[え!?]
サン[何だか力が湧いてくるにゃ....って喋れてるにゃ!?!?]
レイル[ま、まさか....魂の力?]
先代勇者[あの雰囲気は....まさか!!!先代化猫か!?]
先代化猫[ほう、お前は先代勇者だにゃ?]
先代勇者[久しぶりだな!!元気してたか!!]
レイル[あ、あの...脳内会話で盛り上がらないで貰っていいですか?]
先代化猫[す、すまんにゃ...とりあえず!サン!]
サン[にゃ?]
先代化猫[吾輩の力を使ってみるにゃ!!カマキリは今にもカイリを食べそうだにゃん!!]
サン[力を使う...こうにゃ?]
【クロスブレイク】
ザ!!ザザ!!!
クロスした斬撃がカマキリを切り刻む
サン[んにゃ...]
カイリ[サン!?!]
レイル[お、おお]
先代勇者[あはは!!レイル!お前より凄いんじゃあないか!?]
レイル[た、確かに....]
先代化猫[当たり前にゃー!なんせ吾輩の力だからにゃ!]
先代勇者[ああ?こいつの力の使い方が悪いだけだ]
レイル[ストップ!ストップ!!脳内会話うるさいからやめて!!!]
カイリ[お姉ちゃん..さっきから誰と話してるの]
レイル[うっ...ふう]
サン[とりあえずどうするにゃ?ここに居ても危険だと思うにゃ]
先代勇者[俺達先代がお前らに能力を渡した理由、ちゃんとわかってるのか?]
レイル[え?]
先代勇者[お前らは世界を奪還するんだよ、あの魔の手からな]
先代化猫[そうにゃねぇ...そこだけは譲れないにゃんね]
レイル[世界を...奪還...わかった!!やってみる!どうせ希望のない人生だし!!]
サン[レイルがやるなら俺もやるにゃんよ]
カイリ[なんの事か分からないけど...とりあえずサンとお姉ちゃんに着いていく]
先代勇者[決まりだな!!!ん?近くの中学校から嫌な気配がするなぁ]
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ムシャッムシャムシャ
バキッ!
[2/8]