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世界奪還物語  作者:
2/6

第2話 「サン」

レイルの弟、カイリは両親に甘やかされて育った。

カイリが生まれたのは9年前、レイルが7歳のころだ。

カイリが4歳になったころ、1つの違和感が浮かぶ

【お姉ちゃんがパパとママに無視されてる】

カイリは思い切って両親にきいてみた

カイリ[ねえ、なんでお姉ちゃんのこと無視してるの?]

両親[え?あー.....あの子はね、”うちの子じゃない”んだよ]


-----------------------------

PM3:02

-----------------------------


カイリは今、絶望している

なぜなら.....

カマキリ[グジャッグジャッ]

突然巨大化したカマキリに襲われ、目の前で両親を捕食されているからだ

カイリ[あ...あ...]

サン[シャー!!!!!]

カイリの前に立ち必死に守っている猫はサン

9歳のカイリより1歳年上の先住猫

カイリ[さ、サン!!逃げないと!!!]

カイリ....(お姉ちゃん...助けて)

両親こそレイルに見向きもしなかったが、カイリはレイルの事が大好きなのだ

カマキリ[グァア?]

カイリ[ひっ]

カマキリがカイリを見つめる、まるで今にも喰おうとしてる様だ

カマキリ[グアアアア!!!]

サン[シャー!!!!!!!]

レイル[斬撃(スラッシュ)]

ズバッ!!

レイルの放った斬撃により、カマキリの首がもげる

カイリ[お姉ちゃん!!!!]

レイル[お父さんお母さんは..........]

レイルが駆けつけた頃には既に....

レイル[とりあえず....どこか逃げるところは...]

ドッ!!!

レイル[ま、まじか...]

カイリ[ああ....]

やってきたのは...雌のカマキリ

カマキリは雄の方が遥かに大きい、交尾時に雄を捕食するなんてのはよくある事だ

レイル[もう1回...斬げ...うっ!]

カイリ[お姉ちゃん!?!]

レイルの脳内に声が響く

先代勇者[当たり前だ!!お前はまだ力を使い慣れてない!直ぐに魔力を消費尽くしてしまう!]

カイリ[お姉ちゃん!!ああ...]

そう言ってる間にも、カマキリが近づいてくる

その時

サン[ニャー!!!!!]

カイリ[サン!ダメだって!!!]

サンは2人を守ろうと、前に立つ

そのとき

サンの脳内に

声が響く

???[お前の根性には気に入ったにゃ、吾輩の力を継ぐといいにゃ!]

直後

ピカッ!!!

サンの体が神々しく光る

レイル[さ....サン...]

サン[ふーっ]

カイリ[え!?]

サン[何だか力が湧いてくるにゃ....って喋れてるにゃ!?!?]

レイル[ま、まさか....魂の力?]

先代勇者[あの雰囲気は....まさか!!!先代化猫か!?]

先代化猫[ほう、お前は先代勇者だにゃ?]

先代勇者[久しぶりだな!!元気してたか!!]

レイル[あ、あの...脳内会話で盛り上がらないで貰っていいですか?]

先代化猫[す、すまんにゃ...とりあえず!サン!]

サン[にゃ?]

先代化猫[吾輩の力を使ってみるにゃ!!カマキリは今にもカイリを食べそうだにゃん!!]

サン[力を使う...こうにゃ?]


【クロスブレイク】


ザ!!ザザ!!!

クロスした斬撃がカマキリを切り刻む

サン[んにゃ...]

カイリ[サン!?!]

レイル[お、おお]

先代勇者[あはは!!レイル!お前より凄いんじゃあないか!?]

レイル[た、確かに....]

先代化猫[当たり前にゃー!なんせ吾輩の力だからにゃ!]

先代勇者[ああ?こいつの力の使い方が悪いだけだ]

レイル[ストップ!ストップ!!脳内会話うるさいからやめて!!!]

カイリ[お姉ちゃん..さっきから誰と話してるの]

レイル[うっ...ふう]

サン[とりあえずどうするにゃ?ここに居ても危険だと思うにゃ]

先代勇者[俺達先代がお前らに能力を渡した理由、ちゃんとわかってるのか?]

レイル[え?]

先代勇者[お前らは世界を奪還するんだよ、あの魔の手からな]

先代化猫[そうにゃねぇ...そこだけは譲れないにゃんね]

レイル[世界を...奪還...わかった!!やってみる!どうせ希望のない人生だし!!]

サン[レイルがやるなら俺もやるにゃんよ]

カイリ[なんの事か分からないけど...とりあえずサンとお姉ちゃんに着いていく]

先代勇者[決まりだな!!!ん?近くの中学校から嫌な気配がするなぁ]


-----------------------------


ムシャッムシャムシャ

バキッ!


[2/8]

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