第三十七話「やぐらが完成!」
いわゆる『ディグコンおじたん』たちから送られた設計図をいくつか組み合わせ、美味しいとこ取りの設計図を完成させた。
さすが言うだけあって“おじたん”達の知識は半端じゃない。
実際に手を動かし、作ってみるとそれを痛感した。
【ちゃうちゃう、ひとマスずれてるぞ】
【もっと暗い色の木材のほうが雰囲気でるぞ。ダークオークとかどう?】
「おう、サンキュー! やってみる」
配信しながら作業していると、こういう風にアドバイスが飛んでくる。
まだまだ気づかないことも多いので助かっている。
ブロックは基本、ただの立方体だが、特殊な形のものもある。例えば柵がそうだ。
これは囲いを作り、中に動物を入れて飼育したりするときに使う。
動物は羊やら豚やら家畜にできるものがそこいらにいるので捕まえてくるのだ。
もちろん、害獣もいる。
狼やら熊やら、そういった肉食獣から守るためにも柵が必要なのだ。
そして、それを流用すれば、やぐらから落ちないための手すりのように使うこともできるってわけ。
本来の使い道とは違うが、あくまで見立てってやつだ。
こうやって想像力を働かせれば、色んな物を作ることができるんだ。
【まだ物足りないなぁ。紅白の飾りを付けたらどう?】
「わーってるわーってる。それも設計図にあるから心配しなさんな」
ここで使うのは旗だ。
これは2ブロック分の長さがある薄い板のような特殊ブロックである。
面白いのは、マークを組み合わせることで色んな模様を描けるところ。
今回はシンプルに、白と赤の二色を使い、縦に半分づつ塗りつぶした。
それをたくさん作り、やぐらの側面に貼り付けていく。これで紅白の縦じま模様が出来上がりだ。
「おー! がぜんやぐらっぽく見えてきたなぁ」
これだけの工夫で全然違って見える。思い返せば、最初に作ったのはただのデカい台だったな。
【太鼓はどうすんだ?】
「それよ。やっぱ、やぐらのてっぺんは太鼓だよなぁ」
当然、和太鼓のブロックなんてもんはない。仕方がないのでワインなどを貯蔵する樽を横置きにし、太鼓に見立てることにした。
樽と言ってもブロックはすべて立方体だが、まぁ、そこは勘弁して欲しい。
【提灯もいるよな?】
「それなぁ」
このゲーム、作っているのは海外の会社だ。
ライトのたぐいはいくつかあれど、ランプやらろうそく、松明といったもので提灯なんて和風のものは存在しない。
ということで、俺は一番それっぽく見える『かぼちゃ』を吊るすことにした。
そう、これも見立てってやつだ。
「うん。まぁいいんじゃねーの?」
俺は満足げにうなずいたが、コメント欄はそうでもなさそうだ。
【かぼちゃだなぁ】
【どう見てもかぼちゃだ】
「うるせー! 雰囲気だよ、雰囲気!」
遠くからならそれっぽく見えるだろ。
変なとこ細かいんだから、ったく。
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