表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/45

第三十三話「ラリアからの新星」

 放課後、俺は(ヴィ)活動をすべく準備を始めようとした。

 すると、教室のドアを開け、近寄ってくる影があることに気がついた。


「ハロー、イブ」


 それはキムだった。


「おう、キム。どうした?」

「今日はイブに紹介したい人を連れてきたヨ」


 と言いつつ隣に立つ女の子の肩に手を置いた。

 初めて見る子だ。

 こんな、やたら目立つ真っ赤なショートヘアの子を見逃すとは思えないんだが。

 しかも後ろの真ん中の毛が尾っぽみたいに跳ね上がっている。


「カノジョは今日からここに通うことになったエイプリルだヨ」

「ハロー! ミーは四月一日(わたぬき)エイプリルだよ! よろしくね!」

「お、新しい海外組か」


 言葉にちょっと訛りがあるけれど、かなり日本語は上手いな。


「そうだよ。ミーはラリアから来たよ」

「ラリア?」

「オーストラリアだよー!」

「妙な略し方すんな!」

「こうしないとオーストリアと間違えられるからさー」

「そんなに間違えるかぁ?」

「コアラがいる方って覚えてね」

「それくらい知っとるわ!」


 またなんだかとぼけた奴が入ってきたなぁ。

 するとなにやらキムが、真剣な顔で口を開いた。


「ところでイブ。この間はひな団に名前を付けてやったらしいネ?」

「ん? ああ。そうそう。よく知ってるな」

「ズルいヨ! アタシたち海外組にも名前付けてよ! 海外組はワタシたちには言いにくいんだヨ!」

「え? 俺が? 自分らで考えりゃいいじゃん」

「イブに考えてもらいたいんだヨ!」


 なんで俺が……。

 けど“頼られる”、なんてことは今までなかったから、悪い気はしないんだよな。


「そこまで言うなら、アイデアを出さないでもないけど……」

「アリガトサンクス!」


 とは言え、どうしたもんか。

 海外っていう以外、メンバーに共通点はなさそうだしなぁ。


「海外勢は英語で言うとオーバーシーズ、だっけか……」

「おお! オーバーシーズ!? いいじゃないカ!

「え?」

「今日からアタシたちはオーバーシーズだ! エイプリルもOK?」

「ミーはそれでいいよー」

「お、おう。気に入ったならよかった」


 なんのひねりも無い案だけど、彼女たちがいいなら……ま、いいか。


「それとイブ。ミーたちとコラボしない?」

「おお、エイプリル。それはいいアイデアだナ。アタシらも四人になったことだし、なんかやりたいネ」

「俺はいいぞ~。なにする?」

「そうだなー。それじゃ『お菓子の“たぬきの街”と“狐の川”どっちが美味しいか討論会』はどう?」

「バカいえ。そんなことやったら戦争が始まるぞ!?」

「えー? 大げさだよ」

「何も分かってねぇな……」


 またしてもとんでもねー奴が入ってきたな。

 オーバーシーズ、恐ろしいグループになりそうだ。


 この作品は有名VTuber事務所が好きすぎて書かれたものですが、フィクションです。実在する団体、個人、VTuberとは一切関係ありません。

 誤字脱字があればお気軽にお知らせください。

 感想、評価もお待ちしております。たくさんの反応が励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ