第三十二話「連想ゲーム 全員揃うまでガチ耐久! 後半」
ゲームが始まり、早くも一時間が経とうとしていた。
こりゃいったい、終わるのはいつになるのか!?
「第十二問! 赤い野菜と言えば? ……オープン! イブ、トマト。べこら、イチゴ。ことね、赤パプリカ。びくに、赤ピーマン。ネル、ビーツ。ということで不正解!」
「おいべこら! イチゴは果物だろ!」
「それは違うべこ! イチゴは野菜の仲間べこ!」
「拙僧とことねは近いのな?」
「そだねー。ここは合ってたでいいぴゃね?」
「そこが合ってたとしてもあとは全然違うから! ネルちゃんなんかビーツだぞ。普通、出て来ないだろビーツ」
「イブちゃん、ごめーん」
はっ! 思わずネルちゃんにもツッコんでしまった!
「いや! そこがまたネルちゃんらしいよね!」
「さぁ、相変わらずネルには甘いイブですが、こんなんでいつ揃うんでしょうか! どんどん行きましょう。第十三問! 白くて甘いものと言えば?」
そんなこんなで、そろそろ二時間経過。
ここまでやってようやく少しは合うようになってきていた。
「第二十三問! おにぎりの具と言えば? ……オープン! イブ、鮭。べこら、シャケ。ことね、ウメ。びくに、梅。ネル、ツナマヨ。ということでまたまた不正解!」
「いいぞ! 良くなってきた! 次合わせよう!」
俺の声掛けに、皆もうなずく。なんか謎の結束が生まれつつあるぞ。
「第二十四問! 働く車と言えば? ……オープン! イブ、救急車。べこら、消防車。ことね、救急車。びくに、救急車。ネル、パトカー。不正解ですが惜しい!」
「っかー!」
「ごめん、救急車だったね」
「いいんだよネルちゃん。パトカーも全然おかしくないから!」
ネルちゃんは意外にぶっ飛んだ答えが多くて、実は変わった子なんだという一面が分かったりした。
しかしここにきて、ネルちゃんなりに合わせようと頑張ってくれてるんだろう。
そろそろ終わりにしようぜ!
「第三十二問! 四年に一回あるものと言えば? ……オープン! イブ、ワールドカップ。べこら、オリンピック。ことね、オリンピック。びくに、オリンピック。ネル、オリンピック。不正解!!!」
「ええええ! すまねぇ!」
これはサービス問題だったに違いない。俺がやらかしちまったぁ!
「大丈夫。イブちゃん、ここまで頑張ってたじゃない」
「ネルの言う通りっぴゃ」
「拙僧もそう思うのな」
「次で終わらすべこ」
皆、なんて優しいんだ……ひょっとして、これが友情?
「コラァ! お前らいつまでやってんだ! もうサーバー落とすぞ!」
という怒声とともに飛び込んできたのは、栄子先生!?
そう。ここは学校ということもあり、夜十時で強制的にサーバーを落とすことになっているのだ。
「というわけでさようならー!」
チベの一言を最後にログオフさせられてしまった。
くっそ! これはいつかリベンジしなけりゃならねぇな!
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