第三十一話「連想ゲーム 全員揃うまでガチ耐久! 前半」
そこには、前にやったクイズ番組のセットを拡張したものがすでに用意されていた。
回答席が人数分、つまり俺、べこら、ことね、びくに、そしてネルちゃんの計五人分あり、MCとしてチベがその横に立つ。
「さぁ、始まりましたー! スペシャル企画、題して『連想ゲーム 全員揃うまでガチ耐久!』。なんと今回は特別ゲストも来てくれました。星空ネルちゃんです! では自己紹介をどうぞ!」
「は、はい。ただいまご紹介にあずかりました、星空ネルです。いっしょうけんめいがんばります!」
ネルちゃん、普段の音楽系の企画と違うので、ガチガチに緊張している様子だ。
手が小刻みに震えているじゃないか。握りしめてぇ!
バーチャルだから当たり判定ないけどな。
「では第一問! 黄色い食べ物といえば?」
回答はバーチャルな入力パネルに指で書くっていうシステムだ。
んー、黄色い食べ物といったらアレ? いや、みんなと合わせるならあっちか?
「はい。全員書けましたね。オープン! じゃじゃん!」
チベの合図で、俺たちの頭上にあるディスプレイに回答が表示された。
「イブ、レモン。べこら、バナナ。ことね、グレープフルーツ。びくに、たくあん。ネル、タンポポ。ということで不正解!」
見事にバラバラだな……てか、タンポポって食べ物か? ま、まぁ一発目で当たったらつまんないもんな!
次、次!
「続いて第二問! 寿司ネタといえば? ……オープン! イブ、まぐろ。べこら、サーモン。ことね、かっぱ巻き。びくに、イカ。ネル、アボカド。ということで不正解!」
「おいおい! さっきから全員バラバラじゃねーか! みんなに合わせろよ! 寿司っていったら普通まぐろだろ!?」
これはさすがに言っとかないと日が暮れるぞ。
ガチ耐久ってタイトルを舐めるなよ?
「サーモンだって美味しいべこ!」
「美味しいさ関係ねーから!」
「拙僧はイカが好きなのな」
「いや、それってあなたの感想ですよね!?」
「いちばんヤバいのはネルっぴゃね? なによアボカドって」
「え? アボカド美味しいよ?」
「うん、アボカドは美味しいよね。わかるー」俺は大きくうなずいた。
「おいイブ! ネルに甘いぞ! ま、気を取り直していきましょー。第三問! ウインタースポーツと言えば? ……オープン! イブ、スノボ。べこら、スキー。ことね、スケート。びくに、雪合戦。ネル、スケルトン。ということで不正解!」
「おいおいおい! 一人も合わないってヤバいぞ!」
みんな個性が強すぎる! これ、今日中に終わんのかぁ!?
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