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月影のエレメンター(なろう版)  作者: ハイエナ=エレメント
等活編
6/109

戦闘・第六話

・技タイプ 

 魔力(情報)を武器や人、物体に伝導させたり、魔力を付与したりして戦う。つまり、間接的な魔力使用を主とするタイプ。

 マナと異なり、裏属性が五気と独立して分類される。当初は、マナタイプが武器を使っているだけだったが、独自に進化し、物理系の電気、光、重力、風、音属性、特殊系の木、火、土、金、水属性とに分離した。

「ちょっと失礼」

「お前は、っ・・・・・・」

「誰だ? 止まれ」

「撃てば良かったのに」

 相手の一人を盾にしながら、残りの五人に近づく。トリガーに指をかけたところを狙って奪った銃で乱射する。反動と共に硝煙の臭いを感じるが、あまり好みではなかった。


 やはり、銃より弓の方がしっくりくる。弾を使い切った時には、テロリストは地に肩を付け、流れ出る血が他者の血と混ざり合い、誰のものかは分からなくなっていた。


 肘で人盾の背中を打ちつけ、残り一人も頭を地に伏せさせる。




 銃を投げ捨てた時、中央から一人、拍手しながら近づく一人の気配を感じた。

 そして、淡々とした口調で

流石さすがはエレメンター。非覚醒者など足元にも及ばないな」

「貴様がガイン=エルグか。大人しく投降しろ。命だけは助かるかもしれないぞ」


 ダメもとで降参を促す。その答えも淡々とした口調で、

「だが断る。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、というものだ。何より、坊主では俺の相手にならない。平和ボケした人種なのだろう? たかがニヶ月でこの俺に匹敵できる訳がない」


 予想していたよりも一言二言多かったが、何も感じなかった。戦場において冷静さを欠くのは自殺行為。罵倒などまともに聞いてはいけない。しかし、売り言葉には買い言葉、

「それはどうかな? 貴様らが僕等の奇襲に気付けず、思うようにやられた時点でもう負けてるんだよ」

「だが、この俺が出たら戦況が一変するから足止めに来たのだろう? お前の師匠、玄羽くろう=ヴァトリーが来るのを待っているのだろう」

「よく分かったな。僕の師匠が」


 相手の思わぬ発言に、緊張が高まる。相手にそれを悟られまいと強気の姿勢を声の強さで示す。しかし、それでも心臓の鼓動は強くはっきりと感じられる。手汗が滲み、棒を握り直す。


「目が奴と同じ。大抵の人間は、恐怖と軽蔑が混じった視線を送ってくる。だが、お前ら師弟の目は、哀れみがある。

それが俺の人生を否定しているようでムカつくんだよ」

 と言いながら、苛立ちを表すように頭を掻きむしる。

 まあ、実際に否定しているからな。


「そして、その目をしたエレメンターの二度も捕まる訳か」

「いや、次はお前らが地獄行きだ」

 そう言いながら、右手の親指を地面に向け、ゆっくりと落とす。


 その瞬間、地に横たわる自動小銃が一斉に火を吹く。咄嗟に《石化》で大事を避けるが、

「くっ・・・・・・」

 銃弾を跳ね返す反動が徐々にダメージを蓄積させる。硝煙弾雨が止んだと思えば、

「《斬鉄化》」

 完全に死角からの攻撃。《石化》でさえも一刀両断できる《斬鉄化》では確実に死ぬ。




 しかし、六尺棒による木村の援護。回転を加えた横からの一撃を、ガインは回避するも姿勢を崩す。その隙に《石化》を解除し、距離をすかさず取る。

 命の危険と引き換えに緊張が解ける。

 そしてガインは、悔しそうな表情と伴にさっきとは対照的な声で、

「何が捕らえるだ? 今の坊主には俺を殺すことすらできない。戦闘における駆け引きも、視界の広さもまだまだ子供だな」

「ご指摘どう、もっ。《Speed up》」

 取った距離を縮めていく。

「はっ、素手とその木で俺に対抗するつもりか? 笑わせてくれる」


 ガインの剣の軌道を読み取り、すれすれでかわし、すかさず攻撃に転じる。距離を活用した突きで隙を与えない。

 しかし、腐っても鯛、と言うべきであろう。剣の腕が一流である事に変わりはなく、当然の様にさばいていく。


 どれくらい続いただろうか。どうやら、この戦いの間に狂戦士と稲垣の戦闘は終了したようだった。




 稲垣は、狂戦士バーサーカーのパワーとスピードに圧倒され、防戦一方であった。しかし、大ぶりな動きで攻め続けるバーサーカーに対し、最低限の回避で対応する稲垣。体力、魔力の消費は歴然としていた。数倍ある体格差も、上回る剣術でカバーしていく。


 しかし、狂戦士優位に変わりはない。そして、狂戦士の横振りに対し、らすことで避けた稲垣いながきに隙が生じる。顔を蹴ろうとしたところを、左手で間一髪防御に成功する。


「ぐっ、まずい」

「終わりだ。イカヅチ使い。《フレイミングソード》」

 存在だけで威圧感を放つ大剣が、炎によってさらに巨大化する。

 すぐに体勢を整えるも、稲垣いながきは勝てないと悟る。




「《水刃》」

翔祐しょうすけ、大丈夫か?」

 しかし、ヴァルハラに行くにはまだ早いと、松尾と池上により、思い直すことになる。

 燃え上がった闘志も高圧圧縮された水によって消されていく。




 続く攻撃を、狂戦士バーサーカーはその巨漢からは想像できない軽快な動きで、回避していき、

「邪魔っ、するなぁああああああ」

 怒りと伴に熱波が屋根に送られる。水刃全てを蒸発させ、二人を吹き飛ばす。

 それを見て、狂戦士は大剣を投げつける。それは、周囲の空気を膨張させながら池上へと迫り、

「うっ・・・・・・」


 悲痛な声が血と伴に出る。大剣は、池上の腹部へと刺さり、その熱はじわじわと地獄へ誘っているかの様だ。池上も範囲魔法で防御を図ったが、レベル差が有り過ぎた。水蒸気とは逆方向に空間を進み、そして落ちた時には、誰もが「死」を感じた。


 血管が切れているはずなのに、熱によって止血され、その痛みと熱さに苦しんでいる。

 その様子はまさに、等活地獄。


逸樹いっき。しっかりしろ。熱っ」

 仲間が駆けつける頃には、時既に遅し。その光景を終始見ていた稲垣いながきは、隕鉄刀を持つ手を震わせ、ゆっくりとバーサーカーに目を向けた。

 狂戦士の目に罪悪感の念は無く、有るのは狂気と闘志のみ。




 しかし、それは稲垣いながきの決意を固めるには十分だった。

「《ライトニングソード》。《Charge》」

 狂戦士はその殺意に気付き、くれないの炎をまとう。火を発しながら加速するバーサーカーに、青色の光を放ちながら剣先を殺人者に向ける稲垣いながき




 二つの色が衝突する時、周囲に強力な光が放出され、遅れて熱膨張の音が聞こえる。


 その場の全員が視覚を回復させた後に見たのは、黒い友、ではなく一筋の青い光。

 稲垣いながきは、体勢を崩しながらも注意を散漫させないよう意識を持続させている。

 巨漢は、まとう火を徐々(じょじょ)に弱らせ、右手で左胸部を抑える。背中には真新しい刀傷と、二人の間には筋肉の塊とも思える左手が転がる。




 そして、膝を付けた狂戦士バーサーカーは、弱弱しくなりながらも、覇気は保ったまま、静かに倒れた。心臓は、鼓動を停止させて。

1.物理系属性型

 裏属性を五神の許可なく使えるが、代わりに特殊系を最初から使える訳ではない。物理系五属性を全て扱える者を「物理マスター」と呼ぶ。


2.特殊系属性型

 木、火、土、金、水の五属性が扱える。全て扱える者を「特殊マスター」と呼ぶ。


3.技マスター

 物理、特殊系全てを使用でき、武器全般を扱える者であり、「勇者」という称号が与えられることがある。技マスターは素質と努力によって、「アルティメット」、「コンプリート」さえも超えられる。

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