表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月影のエレメンター(なろう版)  作者: ハイエナ=エレメント
五神祭編第ニ章・五神祭
37/109

日光と月光(2)・第三十四話

・アカデメイア

 地球では、紀元前387年頃、プラトンがアテネの郊外に建てた学園のこと。プラトンの死後も後継者を輩出したが、529年東ローマ帝国ユスティニアヌスにより異教思想の温床として閉鎖された。アカデミア。

 魔境では、聖教会が創った知性の枠を集めた指導的団体及び学園の総称となっている。非覚醒者の学校は別に存在するので、エレメンター専用の団体・機関と言える(しかし、非覚醒者が通えない訳ではない)。

 アスタグレンス=リヴァイン第三皇女が通っているのは、魔境でも指折りのフレア帝国のティマイオス学園。彼女は飛び級でそこに入り、既に卒業資格まで取得可能な状態である。

「おいおい無様だな、滉穎こうえい。それで俺達との試合に出れんのか?」

 横開きのドアが中々大きな音を立てて開き、あの男の次に嫌いなイヴァン=J=グランドウォーカーが挑発する様な口で入って来た。

「久しぶりだな、イヴァン。しかし、病室に入って来る時は静かにしたらどうだ。そんなに俺に会いたかったのか?」

「ふん、巫山戯ふざけた事を。お前の情けない姿を拝みに来ただけだ。山賊ごときに遅れを取るとはな」

「ほお〜。随分と暇な様だな。それともあれか、俺達との試合に負けた時の言い訳でも作りに来たのか?」

「二人共?」

 イヴァンとの言い争いがヒートアップしそうになった時、ルクス先輩の呼び掛けによって我を取り戻した。


 周りを見ると、俺達βチームとイヴァン達フレア帝国のβチーム、加えてアスタグレンス第三皇女がいた。木村きむら達はこの光景を見慣れているから特に狼狽えず、呆れるばかりだったが、初めて見た皇女様は一驚していた。


 皇女様は前回もそうだったが護衛が一人も付いてないな。一国の姫なのだから、前回は仕方無いにせよ、付くものだと思っていたが。それとも、護衛が要らない程強いのか? アカデメイアでも成績一位だと聞くし。まあ、後で聞くこともできるし、今はいいか。


「全くねぇ、いつも冷静な滉穎こうえいが。二人は所謂いわゆる犬猿の仲か?」

 その疑問に稲垣いながきが答える。

「はい。会う度に互いにけなし合うんですよ」

「そうそう。一周回って仲が良いぐらい」

「「良くない!!」」

「ほら」

 木村きむらの応答に、若干苛立ってしまったが、話を元に戻すためにルクス先輩の方を向く。その時、一番後ろで立っている皇女様は肩が少し震えるぐらいで笑い、何故かその目には憧憬どうけい? いや羨望せんぼう? があった。


「申し訳ありません、ルクス先輩。話の続きを伺っても?」

 ルクス先輩はイヴァンや皇女様の方を向きながら、

「そうだな、まあ彼等やアスタグレンス殿下にも聞いてもらった方が良いかな。それと、僕が話したら滉穎こうえいもあの時の状況を話してもらうよ」

「分かりました」

 そして、皇女様も、

「我々は元々彼のお見舞いに来ただけでしたし、急ぎの用事もありませんので、その話お聴かせ下さい」

 「お見舞い」という単語が聞こえた瞬間、イヴァンがしかめた面になったが、ここでそれに言及すると、またヒートアップしそうなので、ぐっとこらえた。


「まず、君等を襲った山賊達だけど、論証の迷宮の管理者兼守護者であるAS様が一人残さず捕らえて下さったのでそこは問題ない。七十三人いた山賊の内、死亡したのが三十九人、重傷者が三十一人だね。山賊のリーダーはASによって両腕を切られ、今は意識を失っているが、取り戻し次第()()をして問い詰める予定だよ」

 拷問、ね。まあ、それはいいか。

 意外と死亡者数が多いな。まあ、殺してしまったからと言って、悪事を働く人間を殺すことに罪悪感は無いし、どこかの主人公の様にそれほど優しい心は持ち合わせてはいないが。


「しかし、ここで問題があるんだ。

滉穎こうえいさとしが倒れていた場所では戦闘の痕跡、滉穎こうえいと敵のだろうけど、それが有ったんだ。加えて、そこには魔法、いや魔術だったかな? その痕跡も同時に有ってね。山賊の中にエレメンターが居たとしても魔術ができる程の頭は持っていないはずなんだ。

とするとだ。山賊が持てるはずがない反魔の短剣を持っていたことと合わせて、裏に援助していた者がいると考えられる訳だ。そこで」

 ルクス先輩は俺の方を向き、説明を求める。

「・・・・・・分かりました。

あの時、確かに僕はその援助しているだろう人物に接触しました。

その人物の名前は虎武龍司こぶりゅうじ、僕の()です」


 その瞬間、木村きむら小栗おぐりをはじめとした地球、日本出身者に緊張が走った。

・武の花鳥風月

 トイラプス帝国の名門一族を称した言葉。戦闘力における名門一族を示し、

花はもとは望月もちづき家の分家である江月こうげつ家、

鳥はおおとり家、

風はおおとり家の分家であった青嵐せいらん

月はトイラプスにおいて、最も影響力を持つとされる望月もちづき家である。


・知の雪月花

 権力、財力、知力において優れた一族を指し、月と花が示す一族は武の花鳥風月かちょうふうげつと同じ。

雪は玄羽くろうの一族であるヴァトリー家を指し示す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ