表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月影のエレメンター(なろう版)  作者: ハイエナ=エレメント
五神祭編第一章・迷宮
34/109

過去の亡霊(3)・三十ニ話

・魔境における名前

 魔境では、言霊ことだまの力が信じられているので、名前の決定において、細心の注意が払われている。

 特に、人の名前、名字に至っても必ず意味があり、実際に名前に即した力が顕著に出ている。中には、気まぐれで付けられることもあるが、それには非覚醒者の影響がある。

 ここは、・・・・・・どこだ? 俺はさっきまで迷宮を攻略して・・・・・・。

 そうだ! あの男、水明すいめいは何処に行った? 早く見つけなければ。

 ん? そもそも俺は山の中、それも木がしげった場所にいたはずだ。こんな研究所みたいな、いやここはもはや魔境ですらない。地球だ!


 あの男の忌々(いまいま)しい象徴に気付いて、それを俺は確信した。しかし、何故自分がここにいるかは理解できない。もう既に破壊された象徴の中に。

 もしかしたら・・・・・・あの魔境での出来事が夢だったのか? 夢?

 なるほど、ここは俺の夢の中か、ということはここから先は明晰夢めいせきむになる訳か。どうしたものかな。


 思案していると、夢に動きがあった。二人の人物が突如浮かび上がり、さらに彼等の周りが炎に包まれていたのだ。

 これは、・・・・・・あの時の!

滉穎こうえい君。ついに君はそのを守り切れなかった様だね。生き返らせたいだろ? 私に()を引き渡したまえ」

 夢の中のもう一人の俺は迷っていたが、俺は

「断る!!!」

 と、今までにない程強く言い切った。




 その時、視界が変わり、俺は真っ白いベッドの中にいた。まだ視界は少しぼやけていたが、少しずつピントが合い、左の窓からは山脈が見える。

「で、何を断ったんだ?」

 声に反応して、右側に目を向けるとそこには小栗臥龍おぐりがりょうがいた。


「俺はどれくらい眠っていた?」

 小栗おぐりの質問には答えず、自分の置かれている状況を理解しようと問い掛ける。小栗おぐりは俺が質問に答えなかったのを不快に思った様子もなく、

「ニ日間だ。魔力欠乏、肋骨とかも折れてたみたいだぜ」

「そうか、我ながらよく死ななかったものだ」

 そう言って起き上がろうとすると、胸に痛みが走る。と言っても戦いの時に比べれば、かなり痛みは引いているが。

「ああ、駄目駄目ダメダメ、ダメだよ、滉穎こうえい。君はまだ完治していないんだから」

 そう言いながら横に開けるドアをゆっくりとスライドさせて病室? に入って来たのは僕達の監督を務めており、兄弟子でもあるルクス=カンデラだった。ルクス先輩は名前の通り光属性の使い手で陽気な性格をしており、僕を何かと気にかけてくれる人だ。




「君は普通ならまだ眠っているところなんだよ。普通なら一ヶ月は眠っているはず、と医師も言っていたのに。素晴らしい回復力としか言わざるを得ないね。これが二ヶ月でアルティメットに認められた我がおとうと弟子でしの力か」

 と先輩は言っているが、これはアクションタイプ、特に肉体の扱いを得意とするエレメンターに見られる特徴だ。元々僕の回復力は高い方だが、魔境に来てからさらに上昇した気がする。しかし、常時身体の修復に魔力が使われているために怪我を少しでもしていれば、魔力が平常時と比べて少なくなる。まあ、それでも得をしている事には変わりはないだろう。


 とちょっとした考えが脳裏をよぎったが、それについては言及せずに先輩に

「来て頂いてありがとうございます先輩。 その、・・・・・・あの後どうなりましたか?」

 先輩が口を開こうとした時、閉まろうとしていたドアは力強く開かれ、()()()の次に苦手、というか少し嫌いな人物が中に入って来た。

波俊水明はじゅんすいめいの意味

 彼が連れているエレメンターが天魔、という名前であることから魔王や悪魔を意味する天魔波旬てんまはじゅんから取ったと考えられる。

 水明というのが、川の流れが綺麗という意味であるから、山滉穎やまこうえいの山と対比して付けたと考えられる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ