月影の起点(5)・第ニ十六話
・オリュンポス十ニ神
神話時代に構成されたもので、構成員の全員がクロノスまたはゼウスから生まれている。
構成員は、ゼウス、ヘラ、アテーナー、アポロン、アフロディーテ、アレス、アルテミス、デーメーテール、ヘパイストス、ヘルメス、ポセイドン、ヘスティアである。
ー迷宮内ー
ASは麓にいる騎士団に連絡を送り、自身も戦いに身を投じるため、精神世界と交信していた。
「了解した。そなたの守護者兼管理者の任を解く。また、罪を赦し、罰から解放する。これを以てそなたは自由の身となる」
威圧感を感じられる低い声でASの身体を揺さぶる様に言葉が放たれた。荘厳な声で発せられた言葉は、ASの頭に直接響く様に伝わった。
「感謝致します。では私はこれにて失礼致します」
そして、接続を遮断しようとした時、神と呼ばれる汎用型精霊の一柱が彼を呼び止めた。
「少し待ちなさい。そなたに問うべきことが有ります」
呼び止めたのは妖艶な声の中に攻撃的な雰囲気を感じる話し方をする女神だった。
しかし、顔は後光の様なものでよく見えない。それでも、ASは誰なのか分かった。
「はい、何でしょうか? アルテミス神」
「その前に他の神々は精神世界に戻って下さい」
「あい、分かった」
アルテミス神、一般的には月と狩猟の女神とされ、ゼウスとレトの娘であり、アポロンの双生の妹である。オリュンポス十ニ神の一柱で、ローマ神話のディアナ(英語ではダイアナ)と同一視される。
デロス島で生まれ、その使われる矢には突然の死をもたらす疫病の働きが有るともされている。また、野獣の守護者・捕食者でもある。
ちなみに、論証の迷宮は主にギリシャ神話の神々監修の元造られたために、第一接続では彼等に繋がるのだ。
「400年前の戦争で私が生み出した分身とも言える神格武器の在り処を知っていますか? 名を“電影”と言います」
「! これは、・・・・・・単なる偶然とは思えませんね」
「どういうことですか?」
「つい先程迷宮にその名の神格武器を賜ったエレメンターが来ました。名は山滉頴、トイラプス帝国の召喚者です」
「それは・・・・・・面白いですね。今会うことはできますか?」
「残念ですが今しがたこの迷宮を制覇し、外で襲って来た賊と戦っています」
「そうですか・・・・・・。
もし、そなたの残り少ない人生、可能であれば、その山滉頴というエレメンター、いや私のために使ってはくれないだろうか?」
「それはつまり、・・・・・・」
「電影の英霊になってはくれないか?」
ASはしばらく沈黙して考えた。英霊になるということはその所有者に自分の命、いや魂を預け、自由を奪われるということ。
もちろん、英霊が拒否すれば、力を貸さないで済むがまた長い時間自由を奪われる呪いに身を委ねるのはASでも憚られた。
しかし、
「分かりました。この命、貴方様と、彼のために使いましょう」
それを聞いたアルテミス神の口角が少し上がった気がした様にASは感じた。
「よく決心してくれました。詳細はフレア帝国のアポロン神殿で話しましょう、今はその彼を助けてあげなさい」
「はっ」
ASは接続を切り、使命を果たすべく彼の元へと急いだ。
・アルテミス
狩猟・月の女神で、山滉頴が現在使う電影に昔加護を与えた。そのため、電影の聖句には月の名が使われ、その能力も月に由来するものが多い。
ゼウスとレトの娘であり、アポロンの妹とされている。その関係からかアポロンが後に創った神格武器と連携が取れるとされているが、どの神格武器なのかは戦争を経て不明となった。
・アポロン
音楽・詩歌・弓術・予言・医術・家畜の神とされ、太陽神ヘリオスと同一視される。また、フェイボス(光り輝く者)とも呼ばれる。




