存在と時間(5)・第ニ十一話
ソード系魔法
・ライトニングソード(lightning sword)ー電気(雷)
「技」の電気(雷)属性の魔法で、電気を剣または刀に纏わせる。主に稲垣翔祐が得意としており、威力は高いが消費魔力が大きい。
・フレイミングソード(flaming sword)ー火(炎)
ライトニングソードの火(炎)属性版。修得が困難であるが、威力も高く、使い勝手が良いため重宝されている。
林佑聖は、人体の抵抗値を越えて襲いかかった五百ミリアンペアを超える電流を受け、結界の作用によって迷宮の入り口へと送還された。
『ああ、もう! どれも決定打にはならないな』
木村捷は、どの攻撃も最終的には避けられてしまうことに、若干の憤りを感じていた。
『大きな声を出さないでくれ。頭がガンガン鳴るから』
『ああ、ごめん』
『でも、ダメージは与えられてると思うから、引き続き攻撃してくれ。あれを使う』
『分かった!』
稲垣翔祐の指示によって他二人は正面から攻撃を仕掛ける。
残りの魔力にも余裕がなくなってきたために、捷と松尾冬輝は通常攻撃をする他なかった。しかし、それはASも同様。
捷が銃によってASを牽制し、冬輝が一気に六花を携えて距離を縮める。有効打にはならないものの、通常速度のASを抑えることには辛うじて成功していた。
そして、ようやく決着の時は来た。
『左右に跳べ!!』
翔祐の指示と同時に二人は両脇に避け、ASの開けた視野に加速をしている彼の姿が映った。
「《ライトニングソード》」
隕鉄刀に電気を纏わせ、青色の光を放出する彼がASの目と鼻の先にいたのだ。咄嗟に後ろへ飛び退けたASであったが、彼は右足を前へ出すのと同時に左足で飛んだ。
「《電滅》!」
ASの如何なる抵抗も一時的解放によって無に帰せられる。
(これは、・・・・・・もう終わりか。楽しかったな)
空間への放電により、誰の視界も一瞬奪われることとなった。
迷宮の奥に位置する部屋にその二人は居た。現代のリビングと同じ様な見た目の空間の中で、山滉穎と小栗臥龍はのんびりとしていた。そこに三人、いや四人のエレメンターが入っていく。
「約十六分二十五秒か。五人を敵に回した場合、俺が倒されるまでの時間は」
「山に小栗! ここにいたのか」
「いや、約、必要なくないか?」
「いや零コンマまで数えられなかったから。まあ、合格おめでとう」
「どうも」
「でも二人は入口に飛ばされちゃったな」
そう言うと、山滉穎は入口方面に顔を向け、次に土人形の方を向いた。
ASである。ASは、先の試合を死ぬ覚悟で挑んだものの、翔祐が寸止めしたため、死に損ねたのだ。
そして、滉穎はゆっくり立ち上がり、ASの前に立ち、頭を下げた。
「僕の英霊になっていただけませんか? お願い致します」
・クロノス暦
地球と魔境の暦は、当然惑星が異なるため違う。
一日が25時間であるが、地球と同じで七曜。また、一年は351日、10ヶ月。地球との時間の差は一年で約15時間生じる。
・時間感覚
エレメンターの時間感覚は、通常の人よりも早く、体力や身体の回復時間、睡眠時間も比較的短い。また、脳に魔力を使うのが得意、すなわち「オンライン型」はさらに速く、単位に秒ではなく刹那を使う。




