2話
俺は、このクラスで一番と言っていいほど影が薄い。
自慢ではない。本当に。決して。
闇魔法の《人影》を使って俺を作る。
そして、俺自身は存在がバレない様に透明になる。
「..............《とべ》」
瞬きをすると目の前には見ただけでわかるほどの実力者がいた。
「おかえりなさいませ、ギラ様。」
静かな空間に声が響き渡る。
「あ....ああ..、ごほん。それでは本日の会議を始める。」
そう言って俺は一番豪華な椅子に座った。俺が座ると周りのもの達も座り始める。
「本日の議題は『竜の鉤爪』についてだ。」
「我ら『正義の亡霊』も、舐められたものだ。」
「今すぐぶっ潰せ。」
「五体満足で帰れると思うな!」
さまざまな声が聞こえてくる。
血気盛んな奴らだ。
次に喋る言葉を考えていると、
「ギラ様。意見が一致しました。」
俺の仲間である、ルシャールが言った。
「今すぐにくそ以下の組織を消しましょう!」
「「「「「うおおおぉぉおーーーーー!!!」」」」」
こうなったら手に負えない。
「決行日時は明日の昼で。メンバーは全員だ。集合場所はここだ。では失礼する。」
俺は椅子から立ち上がった。
こいつらは会議と言う言葉を知っているのだろうか?
放置しとけばなんとかなると思う。
「んんん....《とべ》」
俺は教室に戻ってきた。
タイミングよく、先生も戻ってきて、また授業が再開された。