1話
「それでは、授業を始める。」
静かな教室に声が響く。
「今日の授業は、今噂になっている『竜の鉤爪』と言う組織についてだ。」
“竜の鉤爪”世界各国共通の敵だ。情報はプライベートから国家や国の財政まで知り尽くされ、暗殺や誘拐、何でもこなすすごい組織だ。
「今現在この国、神聖ルシャールでは、犯罪が増加している。そこで、当学園の生徒達に犯罪取り締まりの協力、つまりお手伝いをして欲しい。」
「先生ー。それって全クラスですかー?」
質問をしたのは、ルークンヌ。彼はこの近くの街の領主の息子だ。まだ若いが、今の領主より頭が働き、そこら辺の人よりもはるかに魔力が多い。
「ああ。その通りだ。この国は他の国と比べて大きい。だから人手も多いい方が迅速に取り締まれると思ってな。」
この神聖ルシャールはこの世界でもトップに入るぐらいの巨大な国だ。
「無論、先生達も協力する予定だ。そして、その組織のトップ10が現在指名手配されている。これだ。」
そう言って黒板に張り出される。
10-緑風のソック
9-組織の執事
8-太陽の棺桶
7-獄風竜王
6-変装上手
5-組織の料理
4-トカゲのしっぽ
3-千金狙いのジョン
2-命令の冥土
1-リュウ
「このように、この組織にはナンバーという者達がいる。こいつらは10〜5までが見た目で名付けられ、4〜1までは自分らで名乗ったそうだ。」
なんとも恥ずかしい組織なんだ。ああ、本当に恥ずかしい。
「もし、ナンバーに遭遇してしまった時は今から配る学園特別の命飛ばしの石を使うといい。一回しか使えないからな。
本当に危険な時に使え。それでは、少し休憩時間を取る。」
そう言って石を配って先生は教室から出て行ってしまった。
ここからは俺の仕事だ。