第九章 欠陥姫だった少女は皇帝陛下の愛で満たされる(3)
それから数日後、ミリアリアが一人で歩けるようになって数日が経った頃、シューニャがいつものメイド服とは違う格好で現れたのだ。
それを見たミリアリアは、シューニャの手を取ってそれを褒めたのだ。
「うん。シューニャ、素敵よ。今までの格好も可愛かったけど、騎士の格好も似あってるわ。まるで、男装の麗人のようだわ」
「お姫様……。男装の麗人って、褒め言葉のようでいて違うような? まぁ、お姫様だしなぁ……」
「くすくす。褒めてます。すごく、褒めてます。シューニャは、世界で三番目に大好きな人だから」
「三番かぁ。そのうちその番付からどんどん下がっていくんだよなぁ……。まっ、いいけどさ。家族以外の番付じゃ、俺は、永遠の二番でいられるしな」
そんなことを言う、シューニャにミリアリアは、不思議そうに言ったのだ。
「えっ? シューニャは、わたしの家族でしょ? セイラもね。一番は、ジークフリートさまで、二番がセイラ、三番目がシューニャだよ。これが変わることなんてないよ?」
何気ないミリアリアの言葉にシューニャは、視界が潤んできたがそれを誤魔化すように笑って言ったのだ。
「うんにゃ。そのうち、二番目からどんどん順番が変化するよ」
「二番目?」
「そ。だって、お姫様は、いつか生まれてくる皇帝さんとの赤ちゃんを大切に思うだろ? だから、二番目は、いつか生まれるお姫様と皇帝さんの子供って訳ね」
それを聞いたミリアリアは、頬を染めた後にイタズラっぽい表情で言ったのだ。
「それじゃ、シューニャは、わたしの中の大好きなお姉さまランキングの唯一無二にして不動の一番だよ。セイラは、お母さまランキングの唯一無二にして不動の一番!」
それを聞いたシューニャは、噴き出していた。
「俺は、お姉さまじゃねーよ!! くすくす。でも、お姫様がそれでいいなら、俺はお姉さまにでもなんにでもなってやるよ」
「ありがとう。シューニャ、大好きだよ」
「はいよ。俺も、お姫様が大好きだぜ」
そんな微笑ましい二人を見ていたジークフリートは、ため息交じりにシューニャに言ったのだ。
「お前は……。まぁ、この世界でミリアリアを任せられる数少ない存在だから、お前のその態度を許してるんだ。勘違いするなよ。お姉さま?」
ジークフリートの上から目線で、尚且つ揶揄うような物言いにシューニャは、ニヤリと表情を歪めて言ったのだ。
「ふん。そんじゃ、お姉さまからの忠告だ。俺の大切なお姫様を悲しませるようなことがあれば、俺は、いつだってお姫様を連れて逃げてやるからな」
シューニャのそんな言葉を聞いたジークフリートもニヤリと表情を歪めて笑って見せたのだ。
「ふん。ミリアリアを悲しませることなどない。それに、お前はミリアリアが望まなければ、そんなことは絶対にしないし、ミリアリアも俺から離れることなど絶対にあり得ない」
二人はそう言って顔を見合わせた後に、いつもの表情に戻っていた。
そして、ジークフリートは、宣言したのだ。




