第九章 欠陥姫だった少女は皇帝陛下の愛で満たされる(2)
それから一週間後のことだ。
ミリアリアは、泣きながらジークフリートに言ったのだ。
「リートさまが好きなのは本当に本当です。でも、もう恥ずかしくてここから出られません。ああああ…あんなことを、一週間も……。きゃうぅ。王宮のみんなが、わたしたちがあんなことを一週間もしていたって知っていると思うと、恥ずかしくて、みんなの顔を見られないです……」
そう言って、涙目になっているミリアリアを抱きしめたジークフリートは、甘やかすように言ったのだ。
「なら、ずっと俺の腕の中にいればいい。ここから出ないで―――」
「そ、そんなことしたら、王宮のみんなに、ははは…は、破廉恥なこといっぱいしてるって思われちゃいます!!」
「大丈夫だよ。思っても誰も口に出さないから安心しなさい」
「思われていること自体がダメですーー!!」
そう言って小さな拳でジークフリートの胸をポカポカ叩くミリアリアを可愛いと思いながら、優しく抱きしめたジークフリートは、揶揄うように言ったのだ。
「くすくす。こうしている間に、まだ行為の最中だと思われるんじゃないか?」
「やぁぁん。それはだめぇーー。ジークフリートさま、早く身支度をして、ここを出ましょう! 一刻も早く!!」
「分かった分かった」
ジークフリートを急かして、先にベッドを出たミリアリアは、その場によろよろと座り込んでしまっていた。
「あれ? 立てない……」
そんなミリアリアをベッドから出たジークフリートが抱き上げて、申し訳なさそうに言ったのだ。
「ああ、その。すまない。ミリアリアが可愛くて……。さぁ、湯あみをしよう。ミリアリアが立てないのは、俺の所為だから、責任持って、俺がミリアリアの身支度をするよ」
そう言ったジークフリートは、ミリアリアの全身をくまなく丁寧に洗った後に、出来るだけ露出の少ないドレスを選んで着せたのだった。
ミリアリアは、丁寧すぎるジークフリートに翻弄されてしまい、湯あみの途中で気を失ってしまっていたのだった。
ミリアリアが意識を取り戻したのは、昼を過ぎたころだった。
恥ずかしくはあったが、これ以上ここに籠ってはいられないとミリアリアは、部屋を出ようとしたがまともに歩くこともできなかったのだ。
結局、ジークフリートに横抱きにされて部屋から出たのだが、初夜を迎える前にはなかった、気だるげな表情を見た王宮中の者が瞬時に色々と悟ったが、誰もそのことを口にすることはなかったのだった。




