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清く 遊郭 美しく  作者: りあもんて
7/11

お雪ちゃんの失敗


宴席を終えて 初花は苦笑いしつつ 鰐真(ガクシン)に座礼する

「出すぎた真似を致しました 遊山さまの助けとなるかと思い 道を描いて見たのですが そうそう思うようにならぬものですね」とばつが悪そうだ


「いやいや、途中からようやく俺も絵は見えた 問題無いよ真剣勝負だったからね たしかにあのまま遊山さまに黒紅が回れば馴染みに代わりとして用意できたろう」

「お初も俺の許可の下で売り捌けるしな」っとニヤリと笑う

初花は惜しいことしましたとコロコロ笑う


雪花は隅で小さくなって座礼をやめない 顔を上げるように言ってもこのままだ

「申し訳ありません つい目の前の一局のみにしか目が行かなくなってしまいました 本当に未熟でございます 未熟でございます! 自分はもう何事も不足無くこなせると何処かに奢りを持っていた事に気付きました 申し開きようもございません」

やっぱり顔を上げてくれない雪花だった


「雪花これでいいんですよ あの時 真剣勝負と言ったではないですか どちらでも良かったんですよ とにかく顔を上げること」

そう言う鰐真の言葉にようやく顔を上げる雪花だが とても祇女の妹としては見せられない残念な顔だ 鰐真はその顔を見てついつい笑ってしまい また雪花は顔を伏せてしまった


「お雪 私は勝敗なぞどうでも良く お雪に年頃の合う開啼さまとの縁があれば良いなと思っただけなんですよ 真剣に一局打てば今後の親交に繋がるやもしれないでは無いですか

まあ、虐殺するというのは 予想外ではありましたが。。。」

そう言う初花は 困惑顔で 目が泳ぐ


トドメを受けた雪花は座礼に戻って震えてる 泣いちゃた


「雪花 また 真剣勝負の席を設けたらどうするかね?」

「鰐真さま 真剣勝負はダメです... 全霊を込めて打たねば碁に顔向け出来ません」

「此度で自分で融通が利かぬ事が分かりました どうか真剣などと言わないでください そうすれば 次はしっかりと努めをこなしてみせます!」

キリリと言葉を並べる雪花だが その顔はとても残念な顔だ 決して言わないでおこう





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