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清く 遊郭 美しく  作者: りあもんて
11/11

ご機嫌

「かりる。。。? かりる? カリル。。。?」


契約書を見ながら首を傾げる火林

「宗延 俺は船を扱う事なら何でもわかる それ以外はわからん お前の考えてる事はいつもわからん だがお前の最良がこれなんだろうとは分かる」

眉を下げた火林に宗延はめんどくさそうに説明を始めた

「キニスンナと言いたいんだが説明せねばならんのだろうな

新造すればどれほどの時間がかかる? 下手すると1年かかりかねん それとともに船員を選別せねばならんだろう? 他社から引き抜きとなれば 勧誘交渉説得金額提示 いちいちせねばならんだろう 素人の小僧も入れるか?育てるのに何年かかるかお前の方がよく分かるだろ それをいったい何人にやるつもりだ? だいたい海の男が簡単にほいほい他所に移るわけがないだろうが 今回はあくまでも3代目の船に3代目の船員が乗るんだそれも乗せたい奴を選び放題でだ 選んだ奴が全員この船に乗る事になる それが全員教官クラスだろうが 気合の入った若造だろうが選び放題だ 欲しい奴を全て書き出してしまえ あくまでこれは3代目の指示で人選される 船員どもに拒否権すらねえ」


火林は頭を抱えて黙り込んでしまった





「あと俺とお前の退社手続きは済ませた 明日から俺らは残念ながら無職だ 私物は今日中に取りに行って挨拶まわりも済ませとけよ 俺はもう全部片付け終えてる さっさとしろよ」

ニヤつきながらわけのわからない事を こいつは言いやがる


「俺が自ら辞表出さずに退社できるのか? いや宗延なら出来るのか!? てめえ順序ってもんがあるだろうが! 一日でそんな片付けなぞできるわけがない 引き継ぎどうしてくれるんだぁぁ!」


「叫びまくってる所すまんが嘘だ そんな事出来るわけないだろうが 馬鹿なのか?

俺の退社手続き済ましてるのは本当だ お前もさっさと済ましてこい」

宗延は今まで見た事無いほど大笑いしてやがる このやろう




「あと残った金がこれだ 船の積荷はどうなってる? ああ、やめた会社に発注行ってんのか てめえ明日その発注書かっぱらってこいよ ぇ?随分と仕入れ額の抑えた発注だっただと? やっぱギリギリじゃねえかクソガキ かっぱらったあとは げんさんの厳選品って奴を仕入れて積み込んじまえ 資金はどっさり残っただろ? あとはお前の仕事だ 金は半分お前が持て半分は俺が預かる こっから俺の給料と活動資金にする まだ雑用が残ってる 俺は今回は船に乗らねえ 航海士もしっかり採用しとけそれと あの船の船長もだ 火林は借主の代理人および積荷の選定、仕入れ、商人として乗り込む 船内では火林の好きなようにすればいい 船員達と酒でも飲んでろ 酒も好きなだけ仕入れればいい それが仕事だ 鼠国につけば鰐真代表への説明 そして今後の指示を受ければいい 」



宗延のまくしたてに唖然とする火炎 おそらく今まで見た事が無いほど宗延は機嫌がいいのだろう こいつがやる事はまるでわからんが 俺は船に乗るだけだ 金は半分だろうが大金すぎる 仕入れで減るとかどうとかの額じゃ無い 鰐真に持ち帰ればいいだけだ



船は厳選した人員が揃うのを待って出航した


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