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幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜  作者: 霊鬼
第三章〜剣士は遥かなる頂の前に〜

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6.開幕

 国立第二グレぜリオン学園。通称アルカッセル学園では年に一度学内大会が催される。

 一年生と最高学年の五年生が魔導、武術共に覇を競い合う場だ。

 王都にある世界最大の国立闘技場を用いてこの大会は大きく行われる。

 一年生にとっては自分の実力を知る良い機会であるし、五年生にとっては目をつけてもらうチャンスだ。


 そして王国民にとっても、それは良い娯楽である。

 普段やっている派手な剣闘士の戦いも良いが、学生同士が互いの全力をぶつけ合うのはあついものがあるのだ。

 学内、学外問わずこのイベントは非常に重要なのだ。騎士も来るし、貴族も来る。国王が来ることだってある。


 まず、国立闘技場内の小闘技場でリーグ戦を行い、数を絞る。

 それからトーナメントを組み、最大の大きさの地下闘技場と地上闘技場で魔導、武術の部門ごとに分かれて同時に行う。

 これこそが、国立第二グレゼリオン学園の学内大会である。

 紛れもなく、未来ある少年少女の最強を決める舞台なのだ。






 七月。

 座学のテストが終わり、学生たちが解放感に酔いしれる中、大会は始まる。

 その期間のみ魔導の最高位、賢神の序列二位である学園長が転移門の魔法を発動する。

 王都の闘技場と学園が繋げる転移門であり、この二日間のみ学生は転移門を通じて自由に出入りすることができるのだ。


「し、死ぬかと思ったあ。」


 闘技場で俺は崩れ落ちた。

 マジで座学がきつかった。赤点ギリギリだよ本当に。

 まさか常識がないだけでこんなに他の人と差が出るとは思わなかった。


「ほら、シャキッとしなさい。みっともないわよ。」

「勘弁してくださいよ、お嬢様。本当に疲れたんですから。」

「そんな調子で大会に負けたらどうするの。」


 いや、まあ授業内の感じからしてもどうやっても大体俺が勝つけどね。

 まあ、油断こそが俺の一番の敵だからな。


「まあ、手を抜くつもりはないんで。ベストは尽くしますよ。」

「……そう。やる気があるならいいわ。」

「……?」


 今日はやけに何も言ってこないな。大体俺が減らず口をきくと小言を言ってくるんだが。

 まあ流石に試験終わりの俺に言ってもしょうがないと思ったのかな?


「優勝目指して頑張りなさい。」

「そんな優勝とか興味ないんですけどね。」

「別に優勝する必要があるわけじゃないわ。ただ、勝ったら気持ちがいいじゃない?」

「まあ、そうですが。」


 確かに負けるより勝ったほうがいいのだが、たかだか大会のためにそこまで頑張るのもなあ。

 そりゃ魔法には自信があるけども、一番じゃなければ死ぬってわけでもない。

 今までの戦いと違って死ぬわけでもないなら、頑張る気も薄くなるというものだろう。


「ほら、そろそろ開会式が始まるわよ。」


 お嬢様がそう言った直後に、鐘が鳴る。この闘技場に備え付けられている鐘だ。

 この鐘は闘技場が開く合図でもある。


『学生諸君!』


 拡声の魔法を使っているのだろう。その声は闘技場全域に響いている。


『わしこそが第二学園の学園長にして賢神十冠の一人、冠位魔導属性科ロード・オブ・エレメントのオーディン・ウァクラートじゃ!』


 俺の曾祖母にして最強の魔法使いの一角であるエルフ。数百年を生きる、歴史そのものを体現した魔女は言う。


『歳の差は関係あるまい! 武器の違いも関係あるまい! ただただその道を磨き、争い、頂へと届いて見せよ! 未だこの世の誰も辿り着いた事のない頂へ!』


 闘技場内は湧き上がる。その闘志が、揺るがぬ勝利への思いが溢れ出すように。


『オーディン・ウァクラートの名において! 第二学園学内大会の開会を宣言する!』


 大会が、始まった。

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