レギンスタ王国
鬱蒼と生い茂る森。
険峻な山が連なるアッセト山脈の麓に広がる森林地帯は、一部開拓され人里となっている。
森の恵みとそこに眠る手付かずの資源、そして豊かな自然の営みが長い間育んだ土壌は人間にとって魅力的な宝の山だ。ただそこが手付かずだったのには色々と理由があり、その人里は必ずしも平和で豊かな暮らしを享受しているという訳ではない。
レギンスタ王国の僻地にあるその領土は長く放置され続けてきたが、少し前からその攻略に乗り出そうとしていた。そして今ようやく形になりつつある。僅かな領民と下級貴族である領主を人柱として。
「ルセリア。いつまでもここに居ても仕方あるまい。もう行きなさい」
「父上……」
カーテンは閉ざされ、その隙間からわずかに漏れる日光だけが薄く部屋を染めている。
暗い部屋のベッドには一人の痩せ細った男が寝ており、その横にはひざまずき男の手をそっと握る女性が居た。
男の顔は無精髭が伸び、顔色も悪い。
部屋には病人特有の饐えた匂いがしている。
男の手を額の前でそっと両手で握り、俯き祈りを捧げていた女性の長く美しい金髪が揺れる。顔を上げた女性の前髪が額から逃れるようにサラサラと両脇にこぼれた。
男はそれきり目を閉じたまま何も言おうとしない。ルセリアはそういう父の強さを尊敬し、それと同時に悲しくも思う。
音を立てないようゆっくりと、静かに部屋の扉を閉じたルセリアはまたそっと足音を立てないよう階下へ向かう。壁に手を付き少しでも体重が掛からないよう注意を払いながら、ギシギシと軋む階段をゆっくり下りる。
「お嬢様」
「平気、このまま向かいましょう」
階下で待っていた騎士が慇懃に頭を下げる。レギンスタ王国の紋章が刻まれた鎧は本来あるはずの甲冑では無く、胸当てのみの予備武装だ。
外へ出るとそのまま騎士が馬の手綱を握り、ルセリアを馬上へと導く。だがルセリアは首を振るとそのエスコートを断り歩き始めた。
騎士は黙って馬を引き着いて行く。
「ルセリア様、こんにちは」
「こんにちは。ご苦労様です」
畑で鍬を振るっていた老人がにこやかに挨拶してくると、ルセリアもニコリと微笑み返す。
土に塗れ所々綻びが目立つ粗末な作業着姿の老人。その手に持つ鍬も粗末なものだ。
他にも農作業に励む者、家畜の世話をする者、木を運ぶ木こりの姿などが見られる。
その村の人間に時折挨拶や労いを掛けながらルセリアと騎士は歩いていく。
村の人間は皆みすぼらしい身なりをしている。
そんな中でルセリアは領主の娘らしく清潔で華やかな青いロングスカートとシャツを着ており、この村では一際美しく輝いて見える。
しかしながらその輝きは着飾った美しさというよりは、ルセリア自身の美貌と高貴な雰囲気が放つものだと言えるだろう。
着ている服は貴族の娘が着る絹製品には遠く及ばない、綿で出来た安物でしかない。
ちょっと遠くの町に行けば、そこら辺の町娘だってこれぐらいのものは着ている。
ロクに舗装もされていない土の道を歩き、村はずれの防御柵まで二人は来る。
村をぐるっと囲うように設置された柵は木製だが、充分な高さと分厚さを兼ね備え、知性の無い獣やモンスターが躊躇するような杭や槍が外に向けて突き出されている。
騎士が先行し、見張り兼門番を務めている村の男二人と一緒に重い丸太の閂を外した。
「私達が戻っても必ず姿を確かめてから開けるように。頼んだぞ」
「はい、分かってます」
村の男達の肩を叩き笑顔を見せた騎士は、馬に跨るとルセリアの体を一気に馬上に引き上げる。横座りに抱くようにし、門番に頷く。
「お嬢様、お掴まりください」
門が開くと騎士は馬に合図を送り歩を進める。すぐに門が閉じられ閂が掛けられる音が聞こえた。
「はっ」
手綱を操り森の中へ続く小さな小道を駆け始めた。ルセリアは騎士に体を預けるようにじっと身を寄せ、その胸当ての縁をぎゅっと握り締めている。
騎士が甲冑を身に付けていない理由の一つはルセリアのためだ。ルセリアは分厚い甲冑に手を回して長く抱きついていられる程腕の力が無いため、こうして胸当てを掴ませている。
座る部分は綿を大量に詰め込んだ布が鞍代わりに置かれてあり、ルセリアはその上で騎士より緩やかに弾むに留まっている。
それでも相当な負担だろう。
黙って必死に歯を食いしばるルセリアのためにも、騎士は緩める事無く馬を全力で駆けさせた。
やがて獣道のようにわずかに踏み固められた跡が見える横道が見えた。そこへ入って行く。
そこからしばらくは速度を落とし、馬が傷付かないよう慎重に進む。
一軒の小屋。
緑に覆われつつある。
木で出来た小屋はそこそこ大きな作りをしており、裏手へ回ると隠れるようにもう二つ小屋があるのが分かる。大木と手前の小屋で、二つの小屋は道から見えないようになっていた。
「来たかい。わざわざ来て貰ってすまねえな」
「こちらが本来屋敷へお招きすべき所なのです。こちらこそ申し訳ありません」
ボサボサの髪と髭を生やした男が出迎えた。
獣のなめし皮を纏ったその姿はまるで山賊や野盗といった風情をしているが、この森の中にそんな存在がいようはずもない。襲うべき相手がいない。
男が先導し小屋へと入っていく。
大きな小屋の中にはまちまちの格好をした別の男達が数人待ち構えていた。
「ソレド。他の連中を呼んでこい」
ルセリアと騎士に椅子が勧められる。
上品に腰掛けたルセリアの横に、丁重に断りを入れた騎士が立つ。
すぐに他の小屋に居たのであろう連中が入ってきたが、やはりその姿はまちまちだ。
「さて、結局領主様はダメって事でいいのかい」
「おい、言葉に気をつけろ」
「いいのですロレン。やめてください」
ルセリアが思わず気色ばんだ騎士を止める。
ギュッと膝の上で両手を握り締める。
「父に代わり私が皆さんを雇います」
「……今の言い方は悪かった。つい、よ」
最初に二人を出迎えた男がポリポリと顎を掻きながら謝罪した。性根が悪いという訳では無さそうだ。この場にいる全員がそうだ。決して下品で粗暴な雰囲気は感じさせない。
それもそのはずこの男達はほぼ全員が元冒険者。色々と経緯はあるがならず者ではない。
「で、報酬は話した通り?」
「はい。引き受けていただけますか?」
「こっちもそのつもりで来たんだ、無かった事にしてくれって言われても収まりがつかねえな」
レギンスタ王国にはこうした連中がいる。
王国に干渉された冒険者ギルドを離れ徒党を組んだ、傭兵集団とも呼ぶべき人間達が。
「じゃあ早速取り掛かるぜ」
そう言うと男達がゾロゾロと小屋から出て行く。
隣の小屋へと入っていく音が聞こえる。
「リッグス殿、勝算は?」
「そう言われてもな。やってみるだけとしか言いようが無い。情報くれるんなら答えられるぜ」
「……すまない」
ロレンと呼ばれた騎士が下を向く。
そんなロレンを痛ましそうにルセリアが見上げ、更に強く手を握り締めた。
「もしも無理だと思った時は村に構わずお逃げください。報酬は先にお渡ししても」
「お嬢様!」
「そいつはできねえ」
間髪入れずに二人が声を上げる。
みすみす野良犬に餌だけくれてやるようなものだと言いたげなロレンの危惧とは裏腹に、リッグスも険しい目でルセリアの言葉を否定する。
「引き受けたからにはきっちりやり遂げる。あんまり見くびって貰っちゃ困るぜ」
「申し訳ありません……」
そこにソレドが入ってきた。
見た目はかなり若い。
が、目つきはあまり良くない。
「リッグス、準備できてるってよ」
「おう、シーバルを呼んでくれ」
男が引っ込み、外でシーバル、と呼ぶ声がした。すぐに一人の男が入ってくる。
「こいつはシーバルってんだが、お姫さんの護衛はこいつとソレドがやる」
「護衛なら私で充分だ」
「……そうかい」
新たに紹介された男も肩まで伸びた黒髪はバサバサに乾き、前髪が薄汚れた眼鏡に品無く被さっている。ロレンは咄嗟に拒否していた。
「一応そういう事だって事だけ覚えててくれりゃいい。つう事でお前らも洞窟の方に回んな」
「へーいへい」
「あの」
そのやり取りを聞いていたルセリアが、先に出て行ってしまったソレドの後に続こうとしたシーバルに声を掛ける。
「よろしくお願いいたします」
「……こっちこそ、なんかあったら」
ヒョコッと首をすくめるように会釈まがいの挨拶をしシーバルが出て行く。
声はやはり随分と若い。リッグス率いるこの傭兵団は大半がかなり若い連中ばかりだ。
「ロレン」
責めるようなルセリアの口調にロレンは首を振る。どこの馬の骨とも知れない男をルセリアに近づけるなど、到底許容できない。
ツフレ村というこの開拓地が建設されてから六年になる。
まだ六年と取るかもう六年と取るかは人によって意見が別れるだろうが、ツフレ村の住人にとっては長い年月だった。
開拓と村の建設こそレギンスタ王国から派遣された兵団が行ったが、畑の開墾も何もかも、生きていく術を獲得したのはそこに移住させられた住人達の手による成果だ。
アッセト山脈はモンスターの領域である。
レギンスタ王国はその脅威に晒されてはいないが、それはただ単にアッセト山脈に近付かないからであり、その麓には山脈から押し出されるようにこぼれる力の無いモンスターも居る。
これまで領主の雇った兵がその脅威を押し返し、ツフレ村は人間の領域としてその立場を守り続けてきたが、去年からその兵は居ない。
レギンスタ王国の支配下と呼べるラインの内側へと戻って行ってしまった。
モンスターが襲ってくる事でそれを撃退しその素材を収入としていたのが、皮肉な事に平和を勝ち取った事で仕事も収入も無くなってしまった事も一つの理由である。
兵とは傭兵であり、彼らは畑を耕す訳ではない。肥沃な土地とはいえ少ない住人の生み出す富には限界があった。維持は難しく、どうにもならなかった。
そもそもツフレ村はテストケースだ。
王国内でもロクに税を納めない貧民を集め、実験台として送り込まれたにすぎない。
村が滅びようがレギンスタ王国にとってはどうでもいいのである。
欲しかったのはそこがどのように滅びるかの情報、むしろ終わり方を見定める事にすらある。
そうして危険度や安全圏を計り、今後の参考にしようという訳だ。気の長い実験。
だが同じく実験台として、領主として派遣された下級貴族はその運命に抗おうと戦った。
そうやって過ごした六年だった。
その六年が今、危機を迎えている。
領主バークの病。
傭兵が駐留していた間こそ時折来てくれていた医者も、王国から止められているのか見限ったのか、その姿を見せなくなって久しい。
近隣の村といってもツフレ村からは遥か遠く、既に領主は動けない程重い病状となっていた。
本人がそれを隠していたせいだが、村を思うなら何故早くそれを治療しなかったのだと責める事もできない。
領主はここで終わろうとしている。
去年ルセリアの母が逝ってしまった。領主の妻、スピオラは同じくレギンスタ王国の貴族家から嫁いできたのだが、彼女の生家は身分こそ高くはないが階級から逸脱した神官家の家系でもある。
ルセリアの父、下級貴族である領主バークが六年持ちこたえたのも妻スピオラの実家と無関係ではない。ツフレ村は表向き王国の一部として組み込まれているが、実際には物資や手紙のやり取りなど著しく制限され、孤立無援の状態となっている。
バークは罪人だ。
高潔であったがゆえに上級貴族の汚職を告発し、事実無根の罪を着せられて投獄された。
その贖罪がツフレ村の領主就任であった。罪人が領主になるなどおかしな話ではあったが、レギンスタ王国ではそれがまかり通る。
バークの家はバークが投獄された事で貴族としては終わったも同然であり、援助どころの話ではない。唯一の救いが、妻スピオラの実家であるフリート家の庇護だった。
王国から監視されているツフレ村は、神官家であるフリート家だからこそ多少の援助は見逃されてきたという側面がある。
フリート家の人間に手を差し伸べるのだという理由に異を唱えるのも色々と問題があったからだ。だがスピオラが亡くなってその道も途絶えた。
そして遂に、アッセト山脈から居場所を追い出されたモンスターの一団が再びやってきた。
山肌の洞窟に住み着いたゴブリン。詳しい数まで分からないが、その大群の姿が村の自警団、若い男達によって発見された。
ゴブリンは知能を持っている。
柵が跳ね返すと悠長に構えてはいられない。
必ず村を見つけ、襲ってくるだろう。
しかしバークは臥せっており、ツフレ村自体に外界との連絡が遮断された閉塞感が漂っている。
村を離れる事も出来ない。
戦力もない。
王国から捨てられた存在である事も理解している。足掻いた所でどうしようもないと。
唯一の希望がルセリアだ。
バークの娘であるルセリアはフリート家の家系ではなく、バークの一族である。
しかしフリート家は娘スピオラが亡くなってから、ルセリアを引き取ろうとしてきた。
もしも救いの道があるとするなら、ルセリアのフリート家への帰属である。
バークもそう信じて勧めている。そしてルセリアはバークにはそうしたと嘘をついている。
共謀者はロレン。
フリート家からルセリアを連れてくるよう命じられたフリート家付きの騎士。
勿論彼はそうするつもりだったが、ルセリアの強い意志を前に翻意し、協力する事を約束した。その本心がバークが亡くなるまでルセリアを守護する事でしか無かったとしても。
ロレンはスピオラとバークがいなくなればきっとルセリアは頷くだろうと思っていた。
そして今苦しんでいる。
主君筋であるスピオラを娶りながら罪人へと身をやつし、その命さえ無碍に散らせた憎むべき男だったはずのバークの高潔さに触れ。そして過酷な状況でも精一杯田畑を耕す住人達の姿、領主を引き継ぐと決意しているルセリアの強さに触れ。
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「父上。フリート家からの援助が届きました」
「そうか」
援助とはルセリアがロレンに頼んで手配して貰った傭兵団の事だ。母スピオラが残したなけなしの遺産を叩いてルセリアが雇った者達。
バークはルセリアがフリート家の人間になる事を了承したとロレンから聞きそれを疑っていない。
ルセリアはフリート家が引き続きこの村を支援するという事を条件に了承したと伝えたからだ。
バークは娘がそれでもこの村に居続けているのは自分のせいだと思っていた。
優しい娘は自分を看取るまでここに留まる事も条件としたのだろうと。
「病が移るといけない。もう出なさい」
ルセリアは父を慮り従う。
いつものように階下で待っていたロレンに先導され、村の合議所として使用されている建物へと向かった。自警団と傭兵団が待っている。
「じゃあ、偵察の報告だ」
リッグスが腕組みを解き立ち上がると話し出した。村の住人も彼らがフリート家から派遣された傭兵団だと信じて疑っていない。
「洞窟を見張ってた限りじゃ出入りはまだそこまで頻繁じゃねえ。つまり餌はどっかから調達出来てるんだろう。だが、オーガまで居やがった。て事は奴らが狩り場を探し始めるのも遠くないってこった。村に目をつけられてからじゃ手遅れになるな」
大鬼は小鬼の上位種だ。
といってもそう見られているだけで、知能や体の作りに共通点がある種族とかではない。
見た目の感じと、よくつるむのでそういう風に民間で言われている。
そしてオーガが居るゴブリンの群れは大概その数が多い。強い仲間の元には沢山のゴブリンが集まってくるのが常識。実際オーガの強さを頼りにゴブリンの群れは大きく繁殖する。
「オーガ……」
自警団の若者達の顔が暗くなる。
「一応ケイマンの魔法で中は見て貰った。奥までは見きれてねえが確認できたオーガの数は今の所三体だ。ゴブリンは洞窟の中で戦う限り大した事はねえ。乱戦にさえならなきゃな」
「ただオーガはむしろ広い場所に引き摺り出してえ。接近戦はやばいからな」
ケイマンと呼ばれた魔術師が立ち上がる。フードを被り、口元しか見えない。
「つまり作戦は二つに一つです。こちらから討って出るのは確定ですが、その後洞窟からおびき出して戦うのか中に押し込めてから戦うのか」
こちらも充分人数はいる。
安全を考えればオーガ対策としては外で戦うのが定石だが、その場合ゴブリンの群れを逃がさないように確実に包囲して仕留める必要がある。
今ツフレ村の周囲に脅威はないが、たかがゴブリンでも村人がいきなり襲われるような事になる危険性は出来る限り排除したい。ゴブリンは執念深い習性がある。数が多い場合、討ち漏らしたゴブリンが散らばる恐れはあるしそれ以前に乱戦になれば不覚も取りかねない。
リッグスは最善は自警団も参加して包囲する作戦がいいと言っているのだ。
「突入部隊を編成してオーガを引きずり出すまでゴブリンを減らしていく、という手もありますが」
「奥までは見切れなかったんだろ」
「中途半端だが、まあ」
自警団の反応は鈍い。
大群のゴブリンを相手にしては勝ち目は無いが、それでもまだゴブリンであれば戦える。
しかし巨躯のオーガはなまなかな攻撃では倒れないし、迂闊に近付いて一撃を貰えば人間など容易く命を失ってしまう。
一般人にとってオーガは到底太刀打ちできる相手ではない。一匹を堅牢な砦から飛び道具で攻撃するとか、精々がそれくらいだろう。
「ま、いいや。あんたらは村の防衛に励んでくれ。もし逃げてきたゴブリンが居たら逃がさず仕留めてほしいけどな」
リッグスは自警団の戦力をあきらめる。
「じゃそういう事で俺達は夜仕掛けるからよ。村の方で篝は焚いといてくれねえか。逃がさねえようにはするが、逃げたゴブリンが村を見つけちまったら厄介な事になる。一応数人残していく」
モンスターの方が夜目が利く。
条件としては不利だが夜行性モンスターと違いオーガやゴブリンは日中活動し夜眠る。
一網打尽を狙うとすれば危険を冒してでも夜に襲撃する他無い。
作戦としては洞窟と村の間に篝火で防衛ラインを敷き、そこに逃げてきたゴブリンがいれば発見次第自警団が仕留めるという手はずになった。
大量に逃がせば当然リッグス達はそちらに手を回すため、残った傭兵団の人間と自警団で充分仕留める事は可能だろう。こう説明されてようやく村の人間も安心したようだ。再び緊張感と覇気が戻っている。
「ロレンさんと姫さんは村に居てくれや」
「……分かった」
ロレンが逡巡し、答える。
戦力としてはロレンは大きいだろう。
村の防衛に参加すべきかもしれない。
だがルセリアの傍を離れる訳にはいかないし、ルセリアを村の外に出す訳にもいかない。
こうしてツフレ村の脅威を排除する作戦は開始された。




