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女神を好きになった平凡の勇者は、最強となる。  作者: 常陸氏治
二年も想って
5/5

絶望の戦い

長い過去の話。

最初の頃はこんなに長い話になるとは

思えかたんだ

当時の私は俺は僕は!?

まっ、普通に書けて楽しかったけど。

遡ること二年前。

当時の私は人間、悪魔を

滅ぼす対象として見ていました。

ここ神界では、

黄金か白の建物が整然として

美しい世界でした。

その中で最も

豪華絢爛な

ゼウス大神殿に成長した神達を

集わせて、熱く演説します。

「おぉー、我が子達よ!

立派に成長してくれて、嬉しい。

そしてこんな愚王にして

愚父(ぐふう)を許してほしい!

戦況は悪化の一方だ。

そのために我が子を

駆り出さねばいけない

この判断に我は・・・・・苦しい。」

バルコニーに立つ立派な髭を

地面につくほど伸びた

背筋が真っ直ぐな高身長の

好好爺(こうこうや)は、

涙を流しました。

あらゆる神を自分の子のように

可愛がっているのを

誰も疑わず信じていました。

当時の私も。

「僕は、ゼウス様のために

この身を粉にして

戦います!」

「わたしも、ゼウス様のため

この美しき世界のため

護りぬくため命を

捨てる覚悟です!」

もちろん当時も叫びます。

「ゼウス様を哀しませる

悪逆非道なる存在に討ち果たして

みせます!」

アハハ、なんだか恥ずかしい

話ですね。

私には妹が二人いって

隣に叫んでいたのですが

高揚しているのか

叫んでいた内容を知らないのです。

そして、翌日でした。

私達三姉妹は、戦場に赴きました。

妹二人は別の戦場で

不安でしたが

光栄なことだと自分に言い聞かせて

いました。

私は自然、豊かな北西部

サイドランナーロードで

鉄の塊で

煙が所々が流れる軍事基地。

そこでは、

神を解体して武器と開発して

いるのを阻止するため戦うことに

義憤を燃えていました。

基地の破壊と仲間救出のため

五十の兵力で襲撃に敢行しました。

貴方も知っている通り

神の一人の実力は

悪魔、人類でいうなら

一万に匹敵するほどでした。

唯一の弱点は、少いぐらい

でしょうか。

まっ、そんなこと置いといて

最も威力を持つ光輝魔法(こうきまほう)で基地や軍人や研究員を

蹂躙していきました。

「まさか、気づかれたのか

ここを!?」

「くたばれ神どもがぁ!!」

おののく者、呪詛だけ吐き者

皆は魔法の光により

消滅していき、

私は歓喜と高揚と恐怖で

おかしくなりそうでした。

(まるで私達・・・悪魔のような

戦術を・・・・・)

私達はお互い色が異なる翅で

飛翔し魔法を放ちます。

相手は上空の敵に鉄砲などで

抵抗するですが届きません。

「辛いだろうが堪えろ、

ここは戦場だぞ!」

鼓舞するのは

この戦いに指揮する暫定隊長の

眉目秀麗で朱色の翅と

緋色の短い髪の青年

ヘールメス様が凛々しい

お方でした。

「っ、はい!」

私は力強く返事します。

そうだ、彼奴等(きゃつら)は、

比にならないほど悪行を重ね

過ぎている。

慈悲を与える価値はない。

・・・そう私は過激な考えをするようになりました。

驚きですよね。

敵が現れなくなると穴を開けた

壁から基地に突入します。

「うおりゃあぁー!」

「なっ!?」

突入するいなや潜んでいた敵が

襲ってきたのです。

「ぐっ、この!」

私も槍で何人かを倒しました。

その感触は今でも忘れません。

形容しがたい恐怖を味わった

ぐらいしか表現できません。

そして味方も何人かは

傷を負いましたが

誰も大きな傷がなく

奥に足を入れると異臭が

漂っていました。

「な、なんだこの不快な

臭いは?」

仲間の一人がそう言って奥に

進み駆けました。

「ひいぃぃぃ!?」

甲高い悲鳴が響き渡りました。

皆で駆け寄ると

彼は得物の槍を落とし

尻餅をつき指をさしています。

さす方角を視線を向けると

・・・神の翅や腕など

謎の液体と一緒に入れた

カプセルが複数ありました。

「・・・なんて惨いことを。」

ヘールメス様は、あまり

驚きませんでした。

おそらく似た光景を何度も

見てきたのでしょう。

ですが私達は・・・

「うわああぁぁぁ!!」

「殲滅してやる。

根絶やしにしてやる。」

私もこう言ったのです。

「絶対に許さない・・・

絶対に許さない!」

おののく者、

復讐という呪詛を唱える者など

負の感情でいっぱいでした。

「・・・まだ、生存者はいる

可能性があるんだ。

そこで泣き叫ぶ暇があるなら

探し出せ!」

ヘールメスの一喝。

その言葉で闇に支配され

破壊の渦に飲み込まれたのを

引きずり救ったような

力強い台詞でした。

「「はい!」」

みんな返事をして、

直ぐに捜索します。

私は、棚にある怪しい液体の

ビン、実験で使う道具が収まる

棚から次々と物を床に

落として探します。

「いたぞーー!!」

同じ部隊に所属する仲間の

叫び声です。

私は、走りました。

そこは、血や科学薬品の臭いが

漂う他よりも倫理を忘れたような

実験場でした。

駆け寄った他の仲間も

青ざめていました。

もちろん私も・・・

ですが、籠に実験用として

捕縛した生き残った神がいました。

「ア、アレ!

おい、生きてるぞ!」

「やったぞ、生きている!」

仲間の歓喜。

私も嬉しくなりました。

みんな実験され

パーツだけになってしまったのでは

そう思っていたからです。

すぐ駆け寄り施錠している

複雑な機器ごと破壊して

私は声を掛けます。

「もう大丈夫ですよ。

人間達は、全て屠りました。

ですから安心です。」

私は力強く言いましたが

その少女は、虚空を見つめていて

視線を私達に向けません。

まるで現実にも私達にも

決して視ないと必死に抗うよう

でした。

「・・・・・・。」

「・・・一体どうしたら。」

見つけたはいいが

どうすればいいか分からず

ただ佇むだけでした。

「何をボーっとしている!

すぐ治癒魔法をしろ!」

背後からヘールメスの怒声の

指示が飛びました。

「は、はい!」

私は言われたままに実行します。

「光輝魔法「光輪ノ円(ライトサークル)!」」

錆び付いた籠に入れられた

少女の下から魔方陣が出現して

緑の粒子がゆっくりと

少女の身体に入っていき

傷が徐々に癒えていきます。

治癒初級光輝魔法ですが

使用者の魔力により威力が

変異して上級クラスにも化けるのが

治癒魔法の長所ですが

魔力が強ければ強いほど

消費も多いのが少し難点です。

それは、さておき話を戻しますね。

「なにをぼさっと見ている。

まだ他にも捕らえている同胞を

治癒せよ!」

「「は、はっ!」」

傍観していた仲間達も籠に

いる神に治癒魔法で癒して

いきます。

「それを終わったら

ここに集まれ!

俺は大規模転移魔法の準備に

入る。」

隊長ヘールメス様は、矢継ぎ早に

指示をされ、転移魔法詠唱。

私は治癒を終えた少女をおぶって

ヘールメス様近くにゆっくり

降ろします。

「・・・・・・・」

今も心ここにあらず。

なんの反応もみせなち生存者に

やるせなくなります。

「その憐憫な感情を堪えろ!

感情のままに行動すれば

大きな過ちをする。」

「はい!」

当時の私はヘールメス様の

お言葉がよく分かりませんでした。

感情を捨てることなんて

できないのにそう思って

いたのです。

後に痛いほどその意味をしるのは

暫くしてからですけど

閑話休題。

指示通り最後の一人を

ヘールメス様の近くに移動を

終わらせヘールメス様の

転移魔法により

神界の軍事神殿内に戻りました。

そのあとの私達は

感謝され救われた気持ちでしたが

救出した神達のそのあとは

少しずつ意識が取り戻して

いき安堵しました。

「次の任務だがこのエリアの

制圧だ。」

作戦会議で淡々と作戦を伝える

ヘールメス様。

次の敵対勢力は、悪魔でした。

今回は本格的な戦闘で

何人か味方も犠牲が出て

圧勝でした。

「・・・こんなの・・・・・」

砦を制圧した味方は

勝ちどきを上げますが

私は静かに見ていました。

得物の槍を落とし

倒した敵の血を付着した

私の軽装が怨嗟の叫びが今でも

幻聴が聞こえて恐い。

そんなことよりも・・・

「まさか・・・簡単に勝利したの

犠牲が出るなんて・・・」

前の任務で一緒だった仲間何人かは

戦死した。

私は、圧倒的な力なら

犠牲が出ないとどこか思って

いたのかもしれません。

実際にそうだし

ですが伏兵の毒矢や

攻城兵器で合計14の味方の犠牲。

神界に戻ると凱旋する私達に

歓声と感謝の言葉で歓迎する

神達。

(・・・どう喜べばいいん

だろう・・・)

素直に喜べなかった。

次の戦場も絶望して

その次の戦場にも悲痛の叫びが

誰かがする。

・・・もう気にしない。

軍事神殿内の廻廊で

ヘールメス様が心配そうに

声を掛けてきます。

「少し休んではどうだウルズよ!」

「大丈夫ですよ。

私が休めば見方の犠牲や

民達の期待を答えないと

いけないのですから。

もちろんゼウス様にも

憂いを一刻も早く排除を

しなければいけないのですから。」

そう、はやく今すぐに

地上で魑魅魍魎(ちみもうりょう)なる汚物を殲滅しなければ。

「感情のままに行動すれば

大きな過ちをする。」

またも綺麗事をするなんて

武器を取れば考える余裕などないのをヘールメス様がよく理解して

いるのにどういう意味なのか

分からない。

「勉強になりました。

それでは失礼します!」

敬礼して私は去りました。


私が所属する部隊は西部にある

軍事神殿内の地下で

1つの部屋を目指します。

装飾類いなどなど一つもない

通路。

たどり着いた部屋の中は、

簡易椅子複数と

巨大なモニターが取り付けた

だけの部屋でした。

私は空いている席に座り

読書で時間を潰します。

「みんな集まったようだな。」

暫定的ではなく、私達の功績で

正式な部隊の隊長ヘールメス様が

やって来ました。

「では、作戦の詳細を説明する!」

モニターを地図が映り

説明が始まります。

みんなはすかっり戦士の顔に

なりました。

「今回の任務は、

ここ南西部に示している

サイドランナーロードにある

人類の基地に

またもや怪しい実験が

行っているのを斥候の情報で

入手した。」

サイドランナーロード。

森の中に草木もない空間で

厳かに建つのが工場のような

基地。

最も迷いやすい

場所。

そこで建ってた

倫理なき兵器開発、研究の基地が

私の初陣だった。

まさか11回目の任務がまたもや

ここに来るとは思いもしなかった

私は沈鬱で表示される地図を

見る。

(あれ?

確か占拠してから

研究員や各専門家が派遣されて

危険があれば報告されるはず

じゃ・・・。)

「あの、派遣された方は

どうなたのですか?

それに何人かは護衛も・・・」

私は挙手して質問します。

「停電を起こし

その間に暗殺者に潜入され

護衛を暗殺、

少数精鋭の突入され

研究員などは捕られ

迅速的に奪還されてしまった。

そして一人の研究員の脱走で

無事に神界にたどり着き

事の顛末を知ることが

できたことだ!」

ヘールメス様は、冷静に

質問を答えていました。

ですが、手に強く握っていて

悔しかったのが分かりました。

ヘールメス様の話は続きます。

「あの基地に奪還して

何をするか分からないままだが

我らに阿鼻叫喚な研究に

違わないだろう。

そして、残りの人質救出を

優先して突入し、占拠する。

今回は未知が多いので

他の部隊と協力して

任務にあたる。」

「「はっ!」」

私達は、立ち上がり敬礼。

そして、翅をはばたかせ

下天に降り目的に到着しました。

1部隊およそ20人なので

3部隊がいま上空で集結し、

眼下の基地を警戒します。

ヘールメス様は、他の部隊長と

話され戻ると、とうとう

突入の号令が来るのを

分かりました。

「ウルズとモロスの二人は

俺に続け!

他は援護射撃後、突入だ。」

そうでした!

モロスは、初陣で共に死線を

くぐり抜けた私より若い男性です。

そう年齢は88・・・え?

若くないと人間で云うと

18ぐらいでしょうか?

それはさておき。

「「了解!」」

私達は、勇ましく返事して

実行に移ります。

ですが、その意気込みは

一瞬で粉々にされるのです。

「・・・・・え?」

一つの禍々しく美しい黒い光が

ヘールメスの胸を貫いたのです。

「がはっ!」

「「ヘールメス様!?」」

私とモロスは、

駆け寄ろうとします。

「っ!

来るな狙われるぞ。」

胸を押さながら怒声で制止の

ヘールメス様に

私達は、首を縦に振る。

放った方向に射撃者を探そうと

視線を落とすと

見つけました。

「・・・ア、アイツ、

(わら)ってやがる!!」

モロスの言うとおり

黒髪は整えず腰まで伸びた

若い男でした。

人間でいうと17から20前半ぐらい

で・・・狂気で狂喜な人でした。

その人間が持つ武器は

青と黄金の装飾された元々は

漆黒の大剣。

元々は装飾されていて漆黒の部分が

ほとんど見ないほど

その独特な形には見覚えが

あります。

「あれは、神魔兵器(しんまへいき)!?」

私は、本や映像などで

目撃したことがある。

人類が神や悪魔を対等に立つために

禁忌を犯した最も赦しがたい

成れの果ての同胞の姿でも

ある。

私は改めて目にして吐瀉物が

出そうになり収める。

「うっ!」

「なんだと!

あれがそうなのか・・・」

モロスは驚愕します。

「ええ、実物は初めてですが

すぐに分かりました。」

「神魔兵器ようやく見つけた。

テメエなのかヘメラを

殺ったのは!!」

青の翅を強くはばたかせ

突進するモロス。

ロングソードを後ろに

柄を肩に乗せるようにして

袈裟斬りで一撃を与えようと

するモロスのよく使う

技でした。

「モロス戻れ・・・モロス!!」

ヘールメス様は強く叫び

止めようしますが

モロスは止まらず、まっすぐ

どんどん速度を上げていきます。

「へっ、復讐で魂を狂った神か

・・・おもしれぇーなあ!!」

入り口の前に嗤う男は

慌てるどころか愉しんでいました。

「わああぁぁぁぁ!!」

モロスの袈裟斬り。

だが避けられた。

体を少し右に移動して

危うい方法で避ける男。

こんな避けかったは、よほど

自信がなければ出来ない。

「次は俺の番だな!」

禍々しい大剣でモロスを

貫く。

「がはっ!」

「っと。」

そして左に引き裂け

その大剣を肩に乗せ次の行動を

伺う。

モロスは、大剣で斬られ

出血がひどい。

そして、倒れました。

「ふーん、手応えなかったなぁ。」

興味を失いつまらそうな顔をして

私達の方を狂喜の眼差しで

見てきます。

「っ!」

「愉しませてほしいなあ。

次の戦いを!」

刀身の装飾している青の爪が

黒き光を放つ。

「さ、散開だ!

・・・・・ガアッ!」

「た、隊長!?

あっ・・・・・」

他の部隊長や仲間が次々と

落ちていきます。

「くく、止められていたが

少し力を発揮させるか!」

大剣に取り付けた青の爪が

連射を始める。

「は、速い・・・!?」

私は驚愕して、

ただただ動き回りました。

見て避けるような速度ではない

ほどの速度で穿とうとして

弾がつくことない

緩むことない連射。

「た、たすけ・・・・」

「うわあぁぁぁーーーーー・・・」

さらに落ちていく。

絶望が募り

私は確実に来る近づく死に

支配されていました。

「あぁぁぁぁ!!?」

私はただ必死に動き回る。

「油断したな人間が!」

上空に狙い落とそうとする男の

背後に落ちた他の部隊長が

大剣で大上段斬り。

「くく、分かってたよ。

攻撃してくるのがなあ!」

大上段斬りは、失敗した。

男は素早く動き避け、

地面に強く落とすと砂煙が溢れ

見えなくなりました、

そして晴れると

男は愉悦な表情で

奇襲した神に背後で大剣で

刺しました。

「がはっ!」

「少しは、面白い攻撃だった

・・・ぜ!」

引き抜き出血が止まらず

倒れるのを私は見ました。

「・・・・・・」

「退け!

作戦は失敗した。

いますぐに退けー!」

ヘールメス様の命じる叫びに

私は我に返りました。

「はい!」

そうだ。

私には妹がいて、

ここで果てるわけには

いかない。

「他の部隊もだ!

早く退け。」

「「は、はっ!」」

みんな上昇していきます。

「ちっ!

射撃外だな。

諦めるしかないか・・・

だが俺は違う!」

「・・・え?」

男は、荒んだ黒き翅を生やし

翔ぶました。

私の反応に周りも振り返り

上昇を忘れ見ていました。

「まさか、人工的な神だと

いうのか!?」

ヘールメス様は槍で

進んでくる悪魔のような男に

向かっていきます。

「少しはマトモな奴が来たな!」

男は横薙ぎでヘールメス様の

槍に衝突。

ヘールメス様は衝撃に

飛ばされ翅で体勢を立て直す。

「早く、逃げろ!」

「は、はい。」

私達は、再び羽ばたきます。

「おっと、逃がすかよ!」

背後から男の声と射撃音。

私はじくざくに動きますが

翅が闇の光に貫かれ・・・

「・・・・・え?」

落ちていきます。

「ウルズ!」

「おっと、お前の相手は俺だ!」

「くっ!」

ヘールメス様は駆け寄ろうと

しますが男が遮るのを

見えました。

そして、退いていく仲間達の

顔だけ振り返り憐憫な眼差しが

見えました。

「・・・だれかたすけて・・・」

私は手を伸ばしますが

虚空だけが掴むばかり。

そして、私は落下しました。

―――――――。

「・・・・・ん。」

「目が覚めたか。」

「・・・ここは?

あ、貴方はモロス!?」

「しっ!

声を落としてくれ。

見つかる。」

「は、はい・・・。」

モロスは、私の肩を組み

引きずりながら歩いていました。

周りを見渡す限りの

森林でした。

「・・・他の仲間は?」

モロスは、前を向きながら

返事する。

「俺が茂みに隠れていて

他の仲間は怪しい鉄の塊に

身に付けた人間に

あの籠に入れるのを観た。」

「どうして・・・

どうして

助けなかったのですか!?」

「俺が来ても捕まるだけだった

んだ。」

低い声で怒りをぶつけるモロス。

「・・・わるい。

俺も八つ当たりするなんてな。

・・・それと、ヘールメス様が

討たれた!」

モロスの言葉に私は

足が止まりした。

「こくなこと言うが歩け!

いつ見つかるか分からない。」

見つかる・・・それでは

捜索されているのだろうか。

「・・・本当なのですか?」

私は信じられず確認します。

「・・・ああ!

この目で見た。

とどめをさされるのを。」

「そう・・ですか。」

それから沈黙が続き

ただ歩いていました。

すると誰かの怒鳴りが聞こえます。

「ウルズしゃがむぞ!」

「はい。」

茂みの中に移動していた私達は、

しゃがみ

声のした方に隙間から見ます。

「ヴォルフガング!

本当に他の神も落ちていたのか?」

「ああ、間違いない。

顔は覚えている。」

「フン、相変わらずの野性的な

奴だな。」

白衣姿の中年男性は、

馬車のような形の鉄製を乗って

神を一人で倒した男に

侮蔑な態度。

(あの男の名前は

ヴォルフガング。

偉そうにしている研究員らしき

男は弱そうに見えるけど

ただならぬ強さがあるとは

みえない?)

「んっ?

ヴォルフガングあの赤い翅じゃ

ないのか?」

「へっ!

そんな所に隠れていたのか。」

赤い翅・・・!?

私の翅だ。

翅だけが隠れきれずに

発見されるなんて・・・。

「・・・ウルズ絶対に声を

出さないでくれ!」

決意の眼差しに首を縦に振る私。

ロングソードを掴みそして

私の翅を根元を斬りました。

「っ――――!!?」

あまりの痛みに叫びそうに

なりましたが

なんとか堪えきれました。

反対の方の翅も斬ります。

「はぁ・・・はぁ・・・・・。」

痛い。

切断された翅を失い

出血する。

「俺が囮になる。」

「え?」

私はなぜそんなことを言うのか

理解できずにいました。

今思えば傷が深かったのでしょう。

長くもたないので

犠牲になろうと決意したのかも

しれないと思っています。

「くそー!

見つかったか。

この赤い翅を捕られて

たまるかよ!」

モロスは、赤い翅を大事そうに

持ち大声で逃げていきます。

「ちっ!

逃がすなヴォルフガング!」

「なあ、あれはだれかを

逃がそうと演技じゃないか。

あんな大声でそれと

自分が落ちた場所に向かおうと

している。」

鋭い観察眼のヴォルフガング。

私は恐怖のあまりに

震えが止まりせん。

「バカかお前は!

そんなのパニックで冷静な

判断が出来なくなって

いるんだよ。」

「でもよ、あの決意の目には

そんな弱い奴が宿る訳が、」

「いい加減にしろ!

私の判断が間違っていると

いうのか!?」

「ちっ!

わったーよ。

追いかけてやるよ。」

そして、二人が追撃を始め

音が遠のき聞こえなくなると

私は安堵した。

そんな身代わりになって犠牲になろうとして

私だけ助かることに安堵してしまうことに私が私に嫌悪感で

狂いそうな感情でした。









気付くのだった。

己の欲望のままに使い続け失ってから

その尊さに。

人間はいつもそうだ。

無くなりそれが大事だってことを

そう、ほしいものを買いすぎて

財布の中身が減っているのを!?

つまり、使いすぎて金欠です。


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