ファーストコンタクト
「黒夢」
その姿形は人型であるし黒の名の通り全身漆黒の衣服に身を包み衣服を着ているがその風貌は人とは似つかぬまさに化け物といった造形をしていた。
その異形の化け物の多くは各地にある地下迷宮に潜んでいるが、時折人の言葉をしゃべる変異種が各地に現れ人々を襲い害をなす。
天変地異のごとく現れた場所には生き残りを許さない。
その凄惨な現場を運悪く生き残った人が口を揃えて言ったあれは「黒い悪夢」だと。
悪夢と語るのは「ただの悪夢であってほしい」という願いに他ならなかった。
今相対してるのは変異種の黒夢。
その額には角らしきものが生えている。
エリザべスの置かれた状況はその絶望的な状況であった。
味方はいない。
居るのは敵である角のある黒夢と私と私の召喚獣だけ。
「ではこれならどうだろうか」
角のある黒夢は抜刀する。
聖牛のガードを振り切り私めがけて
まるで獲物を見つけた隼のようなスピードで私に切りかかってくる。
単純ながら鋭い一閃、横薙ぎをしようとその刃が陽炎のように煌めく。
…金属音が響きわたる。
交わる刀と三叉の鉾。
「ご主人、油断は禁物だ」
稲妻のような刀さばきを抑えたのはシヴァ。
そしてシヴァはその類まれなる筋力によって交わった刀を力で押し返す。
押し返す流れでスライドさせ強烈な突きを放つ。
角のある黒夢は力に逆らわず、相手の力を利用し刀を返し真横に飛びうまく交わす。
そしてまた連続する発砲音。
ナンディンが再び盾になりやり過ごす。
…ナンディンは光の粒子となって消えていく。
ダメージ超過し戦闘不能になったようだ。
そして間髪入れずシヴァが額から極光…レーザーを放つ。
光の速度でやってくるその攻撃。
躱せるわけがなかった。
…角のある黒夢は文字通り蒸発した。
その手に持っていた刀とサブマシンガンを残して。
こうしてエリザベスと黒夢とのファーストコンタクトは終わった。
後に残ったのは怪物の刀とサブマシンガンだけだった。
…たったそれだけ。
怪物は、残してはくれなかったのである。
そうエリザベスの家族の命を。
エリザベス、この時13歳。
これから始まるのは復讐の旅。
早めに次は書きたいです…