2体目の召喚獣
私は絶望した!
lv50まで鍛えても召喚獣は対して強くならなかったのである。
かの発明王は言ったではないか。
『1%のひらめきがなければ99%の努力は無駄である』と。
…つまり私にはひらめきなどなかったのである。
…絶望した!
…
エリザべスは自分の部屋から地下にある蔵書室に向かっていた。
エリザべスが落ち込んでるのを見てそれを見かねた父ジョージ・ヴァリアントが
「召喚獣は1体だけしか使役できないというわけじゃない」
「ある高名な召喚士は12体まで使役してたそうだよ」
「12体を使役する方法はわからないけど、2体以上使役する手引書は地下にある」
とアドバイスをくれたからである。
どこかのダンジョンにあるようなやたら古臭いらせん階段を下りるとその先にこれまた古臭い
≪蔵書室≫と書かれた木のプレートが垂れ下がった鉄の扉の前についた。
「…ここね」
事前に父から貸してもらった鍵を使い中に入ると、そこには手入れが行き届いた書物の棚が幾列も並んでいた。
「たしかこの、左から3列目の棚が手引き書コーナーって言ってたわね」
「これかしら…?」
ーー召喚学②二体以上使役する方法ーー
それによると
二体以上使役するには
・1体目の召喚獣のレベルが50以上
・成人していないこと
・自ら召喚陣を描き契約すること
の3つだった。
「うまく当てはまったわね」
「召喚陣の描き方もHOW-TO本らしく見本がのってるわね」
エリザベスはこの本の最終頁の例を見ながら、その場の床にチョークモドキで召喚陣を書き始めた。
その作業は確認しながらだったので約1時間くらいで完了した。
「少しばかりいびつかもしれないけど大丈夫よね」
しっかりと本人は書いたつもりだが、書いた召喚陣が適切なのか不安になりつつも不安を少しでも和らげようとそう自分自身に言い聞かせた。
そして自ら描いた召喚陣の前で両手をかざし、召喚の呪文を唱えた。
「星よ、私と契約し生きる糧をわけよ。我らが子は恵を求む」
そして言い終わると、膨大な量の召喚光が溢れ、目の前が真っ白になる。
ー某所ー
ここは闇が支配する世界。
夢もなく時間もない。
あるのはまっくろな望みだけ。
その望みも潰えようとしている。
望むはこの今の世界の破壊。
その為には召喚士を絶滅させないと。
力がまだ足りない。
でも感知してしまった。
強力が召喚士が誕生する瞬間を。
彼はついに命じた。
召喚士を皆殺しにしろと