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太陽〜EXIST〜

作者: 抹茶
掲載日:2008/02/24

稚拙な文章ですが、よければ感想などいただければ幸いです!

第一章〜自殺〜


生きる事がつらくなった。


死んでやる。



「晴輝、最近どんどん成績が落ちてるみたいじゃない。先生からも連絡あったわよ。今のままじゃ大学は難しいって…」



「聞いてるの!?」



高校一年の夏、今からちょうど一年前、大好きなお父さんが亡くなった。


それからのお母さんは何かにしがみつくように、


勉強、勉強、勉強



「いい大学に入りなさい」


いわゆる教育ママになってった。

お父さんが亡くなった辛さからだろう。


わかってるけど…


もともとお母さんと合わない私にとっては…



お父さんの存在は大きかった。



優しかったお父さん。



勉強、勉強、勉強、のお母さんの存在が疎ましくて、

平気で自分の娘に言うのかと言うようなことばで罵ってくる。



私にはやりたい事が何もない。


あの人の言うことを聞いてたら、きっと普通の…

ううん、もしかしたらエリートな人生を歩むのかもしれない。



そんな人生いらない。



私には何もない。



生きる意味がわからない。


私の存在価値って何…?



気付いたら家を飛び出していた。

あの人の呼ぶ声が聞こえたけど無視して、

踏み切りへ向かった。



「もう…疲れちゃった。」



ゆっくりと線路まで歩いて行く。



カンカンカンと音が鳴ると同時に電車が近づいてくる。



キキキキーーーー!!!



最後に周りの人たちの悲鳴が遠くで聞こえた。



そこで、途絶えた。


第二章〜出会い〜


気付くと私は、知らない場所にいた。



場所…?



世界…何もない、

ううん、白いベンチがあるだけの、

まっっしろな世界。



「あぁ、私死んじゃったんだっけ。」



じゃあここは天国?

地獄には見えないけど…、



お父さんに…会えるかな。



これでよかった。

後悔は全くしてなかった。



あの人から逃れられる。



意味のない人生はおしまい。



そう安堵した時だった。



「いくぞぉ!!モンタナぁ!!!」




…はぇ?



「パカラッパカラッパカラッ!!!」



何…何なの…?



「よぉし、いい子だぁ、何だ?腹減ったのか?後で人参食わせてやるよ。」



変な人が私の近くで立ち止まった。

二十歳…くらい?

それにしては白いシャツに白いズボンに普通のふちメガネ、

なんか老けたような服装…


顔はまぁまぁイケてるかな♪



…てそんな事言ってる場合じゃなあああぁい!!



どぉみても変人じゃない!


何もないのにまるで動物がいるかのように撫で撫でしてるし…



「可愛いなぁ〜モンタナ♪」



関わらない方がいいかも…。

でもとりあえず人間そうな人に出会えた!



話し掛けてみる…?



どうする!?どうする!?わたしいぃ!!



「…あ…あの」



「モンタナ、そんなに腹減ってるのかぁ〜?」



「あのっっ!!!!」



目があった!



「君誰?」



「私…晴輝…新城晴輝です」



「はるき…かぁ〜!いい名前だね!じゃあはるちゃんだ!」



「は…はるちゃん!?」



「俺、太陽!」



その人…太陽さんは明るさに満ちてて笑顔を絶やさなかった。

羨ましい…。

きっと悩みなんて少しもないんだろうなぁ。



「こいつはモンタナ!俺の相棒!」



…そこがわからない…。



「私には見えないんですけど…」



「なぬ!?ちゃんとここにいるじゃん!可愛いぃ〜お馬さんが♪」



……………。



「やっぱり関わらない方がよかったかも」



「見える人には見えるんだよ。」



「…え?」



「ところで君、何しに来たの?」



「何しにって…私、死んだんです。電車にはねられて」



「そりゃ大変だ!?」



「あなた…死後の住人さんじゃないんですか?」



「はるちゃん、死んでないよ。」



「え!?だって!確かに踏み切りが鳴って、電車が…」



「ここは天国でも地獄でも、いわゆる死後の世界じゃない。」



「…どうゆうこと…?私死んでないって!」



「そのうちわかるよ。」



何…何なのよ…。


太陽はモンタナにご飯をやるからと、

その馬らしき空間に撫で撫でしながら、

仲睦ましげに去っていった。



「死んでないって…」



じゃあここは何処?


第三章〜存在価値〜


気付けば今度は暗闇の中にいた。


暗闇なのに、まるで目が慣れた時のようにはっきりと見える。



人が現れた。



「太陽…?」



でも…さっきの笑顔はなく、様子がおかしい。



「勉強しなさい。いい大学に入りなさい。」



お母さんの声!?

太陽から発してるのに…



生きてた時代の嫌な思いばかりが浮かんでくる。



「どうしてこんな出来の悪い子になったのかしら。」



「あんたなんかの娘じゃない!」



「新城さん、こんな成績じゃ、あなたどこもいく大学なんかないわよ。」



今度は先生!?



「あんたなんかに何がわかるのよ!!」



「晴輝…おまえはお父さんの自慢の娘だ!」



「お父さん!?お父さん!お父さん!」



「オマエハイキルシカクヲムダニシタ」



「お…とう…さん?」



「イノチヲソマツニシタ」


「やめて…」



「モットイキタカッタノニ。モットイキタカッタノニ。」



「やめてえぇ!!!」



「ごめんなさい…お父さんごめんなさい…」



「泣かないで」



「…太陽?」



「生きることに意味なんてないんだよ。」



「存在価値なんていらないよ。はるちゃん。」



その時の太陽は悲しそうに笑った。



暗闇が消えると同時に、太陽の姿もなくなってた。


第四章〜太陽〜


いつものベンチに行こうとした。



そこには太陽の姿があった。



足、顔、腕、ところどころを触る。

昨日のせいだろうか、

私には



「自分の存在」を確かめてるように見えた。



あなたは…何者?

私に関係してるの?



「モンタナ、心配するな。大丈夫だよ。」



後ろから、モンタナに顔を向ける横顔は、

昨日と同じ悲しそうな笑顔だった。



太陽が私に気付いた。



「っよ!はるちゃん!」



最初の明るい笑顔だ。

何故かホッとする自分に疑問を感じた。



「…おはよ」



「昨日はよく眠れた?」



変ににこにこしながら聞く態度にムッとしながらも、



「全然」



と答えた。



「あはは!そっかぁ。あんなの見せられちゃあね。」



「え?」



「あれは俺のまやかし。」



「…太陽」



「ん?」



「あなたは何者なの?」



「晴輝姫をお守りするナイトかな♪なんちて」



「……………。」



「あ…あややゃ。ごみんちょ。」



私がムッとすると、困った顔で謝った。



「でも、あれは全部ほんと」



「お父さんはあんな事言わない!」



「…だろうね。でもほんとにそう思う?」



「え…」



「お父さんがどんな気持ちで死んでいったか、はるちゃんにはわかるのかな」



…わからない。

でも…



死なんか望んでいたわけがない。



「ちょっと乱暴でごめんね。はるちゃんがお父さんにあんな事言われると傷つくのはわかってた。」



「でも、あれはみんな、生きたいのに死んでいった人の気持ちなんじゃないかな。」



そうだ。

突然交通事故で死んだお父さん。



もっともっと生きたかったに違いない。



「お母さんだって絶対悲しんでる。」



「あの人が悲しむはずない!私のことなんかどうでもいいのよ!」



「はるちゃんがお父さんを失って悲しんだように、お母さんだって悲しいんだよ」



「わかってるけど…」



「はるちゃんははるちゃんの好きなように生きたらいい!」



「そんなの…ただの綺麗事よ。」



「綺麗事言うよー!いっぱい言うよ俺は♪」



「あんたはこんな自由な世界に住んでるからそんなこと言えるのよ…」



「俺は存在しない」



「…え…何言ってるのよ」



「言ったでしょ!はるちゃんを守るナイトだって!」



「その役目が終われば、俺も消える。」



「そんな…!」



「心配してくれるんだ♪」


「ち…ちが…」



わないかもしれない。

太陽は私にないものをたくさんもってる。



少しずつ…魅かれていってる。



「前を向こうよ!綺麗事があってもいいんじゃないかなぁ!?」



太陽はいつも真っすぐなんだね。

きっと、現実世界にいても、



この真っすぐで真っ白な性格は変わらないだろう。



「そううまくはいかないかもしれない。いっぱい挫折するかもしれない。でも悪いことばかりじゃないよ!」



「だって、俺に出会えたでしょ♪」



「…バカ」



「俺ははるちゃんがここに来ることをずーっと前から知ってた。」



「ずっと会えるのを待ってた。ずっと、見守ってたんだよ。」



「君は戻るべきだ。俺は知ってる。この先はるちゃんに起きること。幸せな事たくっさん待ってる!」



「…太陽は…」



「ん?」



「太陽は消えちゃうんでしょ!?」



「ん〜、俺はもともと存在しないからね〜」



「そんなのやだ…やだよ」


出会った時間はほんの少しだった。



でも私は…



あなたに恋してしまったの。



「大丈夫だよ。俺はずっとはるちゃんのここにいる」



そう言って太陽は自分の胸をグーでポンと押さえた。



涙がこぼれ落ちて、



止まらなくて、



止まらなくて、



「泣かないで。泣かないでよ。消えたってはるちゃんが俺を忘れない限り、ずっといる。」



そう言って太陽は私の涙をそっと拭って、頬を撫でた。



「忘れない。忘れないから!」



だって太陽が私の初恋なんだよ。

忘れられるわけないよ。



「そっか!」



太陽は少し寂しくて、そして優しい顔をして、すぐいつもの笑顔に戻った。



「お別れ…だね」



「お別れじゃないけどね♪」



自分は消えてしまうと言うのにどうしてそんなに笑顔でいれるんだろう。



私も…



最後は笑いたい。



「あ…笑った…ここに来てはるちゃん、初めて笑った!」



「う…うるさいなぁ…」



照れくさくて、



こそばゆい。



「またね!はるちゃん」



「…またね」



大好きだよ。



太陽…








「晴輝起きなさい!遅刻するわよ!」



「はぁい」



あれから一命をとりとめた私は、

お母さんとちゃんと向き合って、

勉強をして、ごく普通の大学にいっている。



あれから毎晩見る夢。



太陽と一緒にいる夢。



起きたら涙が止まらない。



でも…



毎晩会えるから



幸せです。





おひさまの様に明るいあなたの笑顔に会えるから。


読んで頂いた皆様本当にありがとうございました!

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