国王と対面
木造建築の店、店、店
馬車から見える街の風景を俺はぼーっと見ていた。
今通っている道は商店街のような店が集中している。
兵士に連れられて小一時間、馬車に揺られている間、今から会う国王について何をしに行くのか尋ねても、「会ってからお話させていただきます。」の一点張りだった。
リーナに話しかけようにも、俺が助手と言って連れて来させられたことに腹を立てていて、ムスッとしたまま目も合わせてくれなかった。
馬車から見える景色が木ばかりになった。俺が景色を見るのにも飽きウトウトしてきた時に馬車は止まった。
「ようこそおいでくださいました」
馬車のドアが開き、優しそうな老人が俺らを出迎えた。
「使用人のロゲールと申します。
旦那様がすでにお待ちです。こちらへ」
そう言ってロゲールは俺たちを国王のいる部屋へと連れて行った。
「こちらになります。どうぞお入りください。」
ロゲールがドアを開けると国王が椅子に座っていた。
「よく来てくれた!」
国王は俺らを椅子に座るように促し、各々自己紹介を始めた。
「私はグランバル国、国王のバーナードだ。よろしく」
「えっと、その今日はお呼びいただき、あ、ありがとうございます。あっとニュースと申します。えっとはい」
うわぁー無いわ、これは酷い。もろコミュ症みたいじゃん。
俺は自分の自己紹介を後悔した。
「リーナよ、こいつの付き添い」
いまだにムスッたとしているリーナは素っ気なく自己紹介を済ませた。
自己紹介が終わり早速国王は本題へと入った。
「今回は急な呼び出しをしてしまい申し訳ない。貴殿の話はよく聞いている。街で噂されている悩み解決のプロだそうだな。今回呼び出したのはニュース殿にどうしても助けていただきたいことがあるのだ。」
この段階でおかしい、なんだ悩み解決のプロって聞いたこと無いわ。噂にしても尾ひれつきすぎだろ。
いや、本物のニュースだったらありえたかもしれないが。
国王は構わず話を続ける。
「その内容は私の息子アレンが部屋に籠っている。どうにかして部屋から出てきてほしいのだ。
私も、様々な方法で説得してみたが全て失敗に終わったよ」
国王は力無く笑った。
すると、リーナが
「兵士を使って強引にでも引きずり出せばいいじゃない。」
「残念だが、それは出来ない。出来ることなら手荒なマネをしたくないというのもあるが、そもそも部屋に入ることができない。」
「はい?」
言ってる意味がわからない
「魔法がかかっているのだ、それも我が国最高の魔導師が協力している。強力で強固な魔法だ、息子の許可が出た人間しか入れない仕組みになっている。」
なるほど、大魔導師というやつが王子の引きこもりに協力しているということか。
「物理的な方法じゃ出てきてくれない、ニュース殿どうか息子を説得してくれないか。」
状況は理解出来た、でも俺は悩み解決のプロでは無い、国王には悪いが断らせてもら…
「もちろん、報酬は出させてもらう!」
「国王様、このニュースにお任せください」
報酬と聞いてしまってはやらないわけにはいかない、リーナが呆れた顔で見てくるが気にしないことにしよう。
「本当か!是非頼むぞ!」
「お任せあれ」
俺と国王は熱い握手を交わした。
その後俺はロゲールに王子の部屋へと連れて行ってもらった。
敬語がおかしい部分あると思いますが、気にしないでください。
私が未熟なだけです。すいません。