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投資家奇譚   作者: d.f
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第四話

ターニャさんはデリヘル嬢だった。僕は白人デリヘルについて田原から聞き及んでいた。田原はある老舗の白人デリヘルを利用し、テレビCMにも出たことがあるというフランス美人を引き当てた。なけなしの二万円を払って早速むしゃぶりつこうとしたものの、そこから先は追加料金と制止され、余分な金を持って来なかった田原はあえなくお手てで果てたというのである。

僕は、せっかくいまさらになって初体験を迎えるからには、海を渡った国の女性にした方が僕の伸び代も大きくなるだろうと考えたのだ。初めてがデリヘル嬢というのも安直だが、もう素人はしばらく遠慮したいという気持ちだった。それに、僕はきっと早漏だろうと予想した。なにせ二十六年間寝ている間にしか射精したことがないのだ。

果たして、僕は早漏だった。なにをするにもゴム越しということもあってか、大した快感も覚えず、僕の上で激しく上下したターニャさんがどいたときには、僕のおしりは打ち込まれた楔のようにベッドに沈み込んでいた。四半世紀以上も純潔を守ってきたのだからもしかしたら何かが起きるんじゃないかと思ったりしたが、何も起こらなかった。

それ以来僕は、毎週一、二回ほど、キャバクラで飲んでは、ホテルに泊まってデリヘル嬢を呼ぶというのを繰り返し、ある高級デリヘルの常連になった。田原によると、

「デリヘルというのはみんな裏でつながっていて、高い店も安い店も女の子を融通し合っているのだから、高級店ばかり使うのはナンセンスだ」

とのことだった。でも、僕はその店に関してはそのようなことはないと思ったし、確かに当たり外れはあったものの、ひとりの素晴らしい女の子に出会っていた。

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