マイナス一話 遠い君へ
テンプレなやつを書いてみたくて書きました。
「あ……うう……」
視界がかすむ。
みんながもう倒れている。
「み、皆……」
僕たちじゃダメだったのか。
幾度となく、正確な数が分からないほどに繰り返された事実。
なら、せめて。
「う、ああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
残された全ての力を込めて、跳躍し奴に突進する。
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ………………」
いよいよ視界が闇に閉ざされていく。
またこの結果。
ぐるぐるぐるぐると、廻る輪廻の様に衛星の様に繰り返し繰り返し。
「ああ……」
想う。
遠い遠い向こうにいる君を。
「次こそは……きっと……」
それまで、僕がこれとともに。
そして、これがここからなくなった後は……。
「託すよ……」
自分が魂だけになるほどに、ありったけの力を込める。
君が使えるだけの器にもしなったら。
「いや、もしは要らないか」
僕がいや僕たちができたのだから君にもきっと。
ちらと、視界にあおむけで倒れた少女が映る。
金色の髪の妖精みたいに、職人が魂を込めて作った西洋人形のように幻想的な愛らしい少女。
「大丈夫だよ……一人でも」
だから、安心して。
待っていて。僕も君を待つ。
「リリアナ……」