とある親子
ある場所で一組の親子の会話
子供を寝かせる父親とその子供
父ちゃん
父ちゃん
僕、天使になりたいよ。
坊や
坊や
それはやめときなさい
坊や
どうして
父ちゃん
格好はいいかも知れないけれど
規則にうるさくてつまらないよ
坊や
そんなことないよ
父ちゃん
それに
坊や
私たちと天使は相容れぬ存在
正反対の光と影
敵同士
どうして敵同士なの
父ちゃん
その話はうんと昔にあるのさ
坊や
うんと昔、何があったの
父ちゃん
それは父ちゃんが母ちゃんに恋し事や
人間がエデンの園を追われる話に通ずる話
とても長い長い話
坊や
今は聞くんじゃないよ
父ちゃん
父ちゃん
いつかは話してくるの
坊や
いつか、少しずつ話そう
だから今はおやすみ
坊や
おやすみ
父ちゃん
絶対、やくそくだよ
父ちゃん
ああ、わかっているよ
坊や
仮にも蝿の王ヘルゼブル
悪魔の四侯の一人
その何にかけて約束するよ