鏡の向こう側で
※後半のほとんどがあまり気持ちのよいものではありません。
自殺の表現があります。
バットエンドです。
あなたは知っていますか?
いつも見ている鏡が異世界に繋がっていることを。
でも、いつも繋がっているわけではありません。
鏡が異世界に繋がる瞬間?それは誰にもはかりません。
いつも何らかの原因があるのですが、その原因統一性がないためこれといった例がありません。
ですがこれは言えますね。
鏡が異世界に繋がった瞬間に老若男女問わず、誰か一人だけ鏡の向こう側の世界に行ってしまうのです。そして、向こう側の自分がこちら側に来るのです。
これは向こう側の世界に行ってしまった女の子のお話。
その日、女の子はいつもと同じように過ごしていました。
でも、学校でふざけて遊んでいるとき、鏡にぶつかってしまいました。
その瞬間鏡の中に取り込まれてしまったのですが、女の子はまだそのことに気が付きません。
女の子は気が付くと病院にいました。
どうやら鏡にぶつかった拍子に、気を失っていたようです。
そのとき何か違和感を感じましたが、今はそれがなんなのか気が付きませんでした。
次の日、退院した女の子はその違和感に気が付きました。
風景、物、人。全てが鏡で見るのと同じになっていることに。
それからの女の子の人生は、大変なものでした。
女の子は、天才ピアニストとして有名でしたが、ピアノも鏡になっているので、上手くいかなくなりました。
字も鏡にして書かなくてはならず、成績もどんどん下がっていきます。
そのうち女の子は周りから見捨てられていきました。
鏡の向こう側に行った女の子はたくさんの絶望を味わい、慟哭し、苦しみ、嘆きました。
そしてそれは、こちら側にきた女の子も一緒でした。
女の子は思います。
どうしたらこの苦しみから解放されるの?
そして考えて、考えて、そうして答えを出しました。
そっか。そうよね。
女の子は笑いました。
翌日、とある家の一室で、女の子の首つり死体が発見されました。