表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

丘の大きな桜の下で

最終章 丘の大きな桜の下で

 卒業から5日が経った。今日は3月13日。約束の時間の2時になった。

「先生……来るかな?」

最後の学級活動で大輔が言った言葉。この丘に来てください……37人はこの計画をずっと進めてきたのだった。卒業式前日のサプライズパーティーも感動できた。感謝の気持ちを伝えられた。ただ、37人の願いは、先生の好きな桜の木の下で、鷲見先生に卒業証書を渡したいというものだったのだ。美山の中で大きな桜が咲いている場所はどこだろう…と卒業前に放課後探し回り、ようやくこの美山の丘の大きな桜の木を見つけたのだった。

万結「あれ先生のプリウスだよね?」

道路から一台の車が走ってくる。間違いない、鷲見先生だ。

鷲見先生「遅れてごめんな。でもこんな所に呼び出して……一体……」

和弥「先生にこの大きな桜の木の下で会いたかったんですよ。渡したいものもあります。一回卒業して、サプライズプレゼントも渡した僕たちがもう一回贈り物するのもくどい気がしますけど、まぁ許してください」

章弘「それでは、これから3A担任、鷲見精一先生の卒業証書授与式を行います。一同起立。礼」

「お願いします」

章弘「卒業証書授与」

大輔「卒業証書 鷲見精一先生 先生は3年間という長い間、時には厳しく、時には優しく、指導をくださいました。自分よりもクラスのことをいつも第一に考えてくださった先生。そんな先生は、僕たちに多くのことを教えてくれました。これからもお元気で、私たちを温かく見守っていてください。

       平成23年 3月13日  3年A組鷲見組代表 谷崎大輔」

章弘「一同起立……   礼」

「ありがとうございました!」

生徒にも先生にも、涙はなかった。あるのは、晴れやかな笑顔だけだ。

莉央「先生、最後に、この桜をバックに写真撮りましょうよ」

美紅「いいね!みんなで一緒に撮ろ」

この卒業式に間に合わせてくれたのか満開の桜は3Aを祝福しているかのようだった。

「それでは、撮りますねー…」

「すみ せんせい!!」(ハイ、チーズ!!)

 そこには桜に感謝の思いをのせ、届けた37人の生徒と、生徒たちの晴れやかな表情に安心する先生の姿があった。

鷲見先生「会えてよかった。この37人を担任できたこと、本当によかったと思う」

駿太「先生…泣かせないでくださいよ……別れが悲しくなるから」

鷲見先生「何言ってるんだ。駿太にはもう一人前の翼が生えてる。大丈夫だよ。みんなもそう、これからいろんなことがあると思う。つらいこと、イヤになること……でもそんな時、絶対にこの仲間のような素晴らしい支えがあるはずだから。これからもずっと、ずっと…強く生きるんだぞ」

和弥「先生、俺、絶対ビックになってテレビに出ますから」

鷲見先生「あぁ。楽しみにしておくよ」


桜の花びらのピンク色が鮮やかに映っている。明るい春の陽気は生徒に、先生に、いつまでも、いつまでも、温かく、優しく微笑んでいた。


「先生? …… またこの場所で会いましょう」



「そうだな……  この丘の、大きな桜の木の下で」       

                                完


丘の大きな桜の下で


いかがだったでしょうか?

僕自身、2011年3月8日をもちまして…

中学校を卒業しました。


素晴らしい3年間だったと思います


良い先生に恵まれ、

先生のことを大好きにもなりました

大嫌いにもたまになりましたが。


色んな思い出を経て、新たな階段を上っていくわけです


そんな中で大切なのは、

自分のペースで前へと進んでいくこと。


後退してはいけません

ゆっくりでもいい、未来へ進んでいきましょう



大きな希望を抱きながら。


夢を…叶えるために。


最後に、


この先どんな未来が待っていたとしても、


僕があなたを忘れることはないでしょう  夢叶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ