4話 四天王?
次の日
放課後の教室。
荷物をまとめながら、俺たちは颯真の席のそばへ向かった。
「ねぇ、この前の駅裏のことなんだけど」
天音が声をかける。
颯真は窓の外をじっと見ていた。
何も言わず、何も反応しない。
「……返事、なし、か」
慧がぽつりとつぶやくと、天音が小さく肩をすくめた。
「駅裏で、何かしてたの?」
すぐ隣から声がした。
隣の席の男子が、プリントを整理しながらこちらを見ている。
「もしかして……ノイズの話?」
「……うん。最近ちょっと気になってて」
「それなら聞いたことあるよ。
最近、変なノイズの噂が広まってるんだ。駅裏で何か見たってやつも何人かいるらしい」
俺たちが顔を見合わせると、男子は続けた。
「そういえば、隣のクラスのやつで駅裏でよく遊ぶ子がいるみたいだよ。」
「隣のクラスのやつ?」
「でも、やめといたほうがいいかも。
あんまり関わらない方がいいって、噂になってる。ケンカっ早いし、口も悪いし……」
天音が少しニヤッとする。
「……そういうタイプ、嫌いじゃないわよ?」
「どこにいるか、わかる?」
「今日はちょっとわからないけど……誰かに聞けば、いる場所わかるんじゃない?」
⸻
俺たちは数人に聞き込みをしながら、校内を回った。
「さっき、旧校舎のほうで見た気がする」
「男子4人があっちの方で遊んでたよ」
そんな情報をつなぎ合わせて、ようやく行き先が決まった。
「……旧校舎、か」
慧が呟き、俺たちは向かうことにした。
⸻
旧校舎の裏手。
今は使われていない、塗装のはがれた木造の校舎とその陰にある中庭。
そこに――3人の男子が立ちはだかっていた。
「止まれ!」
前に出たひとりが手をかざす。
「お前ら、うちの“ボス”を探してるらしいな?」
「ボス…?誰かは知らないけど、、、えk」
「ふざけるな! お前らが嗅ぎ回っているのは知っている!うちのボスに会いたければ――まずは我らを倒していけ!」
3人がドヤ顔でポーズを決める。
「名乗るぞ! 我ら――ミライ小学校四天王!!」
天音がすかさずツッコむ。
「え、でも君たち3人しかいないじゃん」
「う、うるさい!! もうキレた!! お前ら、ぶっつぶすぞ!!」
叫ぶと同時に、ひとりがアーギアを構える。
こちらも自然とアーギアに手を添えた。
「ま、こうなると思ってたけどね」
天音が笑い、慧が静かにうなずく。
「――いくぞ!」
次の瞬間、三天王()とのアーガバトルが始まった。