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テーマ詩集:酒場

語り部が結ぶ花束

作者: 歌川 詩季

 語り()でありたい。

 英語だと、ストーリーテラー。

 物語りのはじめからおわりを(つな)ぐ道のような

 花園(はなぞの)からエピソードを摘みとって

 花束(はなたば)を結ぶのが 私たち語り()の役目


 語らねばならない一輪を選びそこねることなく

 (いろど)りとなる一輪を飾ったり

 遊び心に満ちた一輪を忍ばせることも忘れずに

 さかのぼって語らねばならない花があれば

 その回想の一輪を摘むためにひきかえして

 物語の花園(はなぞの)がおわりへと道を閉じるまえに

 語り()花束(はなたば)を結ぶのだ


 すべての花を花束(はなたば)に結んで

 語り尽くしてやることはできないけれど

 語り足りないことが残っていれば またの機に

 べつのちいさな花束(はなたば)

 結んでみるのもいいだろうし

 ひとつの物語のおわりが

 つぎのはじまりになっていて

 新たな花束(はなたば)を結ぶ道が(ひら)けることもあるだろう


 そして 私たち語り()は その生涯に

 いくつもの花園(はなぞの)の道を渡り

 いくつもの花束(はなたば)を結んでいく

 ひとつでも多くの花束(はなたば)

 ひとりでも多くのひとの

 手に 心に 届けるために

 (つづ)り手でもいい。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  物語の花園。エピソードのお花。  童話が描けそうな世界観ですね。 >いくつもの花園の道を渡り  いくつもの花束を結んでいく  広すぎていくつも花束を作りたくなったり。  自分の周りの花…
[良い点] 美しい言の葉で結ばれた花束のような、 美しく綴られる詩、美しい花園の世界が目に浮かぶような、素敵な言葉の連なりでした(*^^*) お星さま50くらい付けたい気持ちです(●´ω`●) …
[良い点]  心の中にあるストーリーを語る『語り部』。いいですね。そうありたいと思います。  花を束ねてゆくというたとえも素敵です。
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