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厄介なストーカー1

「なーー知ってる?メメさん退職の危機って話。」呑気にいちごオレを飲んでいるこいつはメメさんの担当キャスト レンだ

「お前…自分の担当仲介人のことだしお前のグループの人が被害にあうってことだろ?のんきにしてて大丈夫か?」かくいうこいつもメメさんの担当キャスト アルファだ、こいつはナイトクイーンの中では珍しいデート(健全)のみしかやったことがない売り子だ。

「二人とも呑気だなけど仲介人代わるのはいい機会じゃね?どんな人が来るか知らんけど。」俺は興味なく答えた、自分の担当仲介人が代わることは大事(おおごと)だがアイリスさんの担当キャストになるならいつでもウェルカムだ。

「はあ〜〜今から学校だ……」

「「は?」」おっと心の声が漏れていた最近多いなこういうこと気をつけよ。

「えっ何?今から学校なの?着替えどうすんの?制服着て裏口から出るつもり?危ないよ!!!」

「あー球技大会の委員になっちまって休日の午後から学校に行かなきゃいけねーんだよ休日だから警備員いねーし学校の人が全然こねえトイレで着替えるつもりだよ。」

アルファは意外と心配してくれたいつものほほんとした性格で相槌くらいしかしないのに。

「まあそういうことだからじゃあなー。」

「「バイバイ〜」」

俺は事務所近くのコンビニに寄った、さっきからうろちょろしてるバーコード頭でピシッとしたスーツのおっさんがいたからつい声をかけてしまった。

「どうかしましたか?」外面満載の笑顔で聞いた

「ええ…いやその……使い捨てカメラを探していて…」とおどおどしながらおっさんは言った。ここのコンビニは地下と地上1階の2階あるコンビニでそこそこデカイ俺も始めてきたときはそんな感じだった。

「ああそんなんですね雑誌売り場の端にフィルムと一緒に売ってますよ案内しましょうか?」

「いいのか、是非お願いしたい。」

そういって案内することになった、まだ時間に余裕があったしたまには人助けでもしないとほんとうに汚くなってしまう。

「本当だここにあったのか有り難うお礼に君の手に持っているジュースを奢ろう。」

「いいんですか!!ありがとうございます!!」

遠慮なんてするもんじゃないもらえるもんはもらえ。この世の摂理だ。レジに並んでいるときに世間話をした。

「君はよくここに来るのかね?」

「う〜んそうでもないですよおじさんと合う前使い捨てカメラを見たんで案内できただけで。」誰であっても情報は漏らさない『ナイトクイーン』の鉄則だ。

「…そうだったのか」

「どうかしましたかガッカリしたみたいですけど。」

「ああすまない最近娘が夜な夜なここらへんをうろついててなかなか家に帰って来ないんだ21歳だから詰め寄らないでいいんだろうがいかせん一人娘だからどうしても心配になってしまうんだよ……」

「親の心子知らずというやつですね、娘さんと仲が悪いんですか?」少し踏み切ったことを聞いてしまった。

「悪い部類だなぁ…のあは…娘は親の贔屓目もあるんだが私に似ず美人な子なんだよだから変な輩につるまれていないか心配で…」

 といいスマホから一枚の写真を見せた、確かにバーコード頭のおっさんから想像できないくらい美人な娘さんだった、というか……いや突っ込まないほうがいいだろう。俺はそののあさんという娘さんに嫉妬した、親に愛されているのに贅沢者だ。俺は偽って偽って自分自体にも嘘をつかないと愛されることがないのに。しんみりとした気持ちでいるとおじさんがジュースを渡した。

「すまないねこんな話を聞かせてしまって。」

「いいえ別に 娘さんは幸せものですね。」

「君はいい子だね。」

俺は全然いい子なんかじゃないこんなに心も体も汚く穢れてしまったやつなんてゴミも同然だ。

「ジュースゴチです!ありがとうございます!!」俺は元気よく挨拶をして駅へ向かった。


~『ナイトクイーン』本社の会議室~

「おそらくノノのストーカーは太客の野田さんで間違いないだろう、ただちゃんとしたストーカー行為はしていないからどう脅すのかが肝だな。」この一週間で犯人特定・どういった立ち回りをするかを出せたクラームさんはホントにすごい人なんだと改めて思う、資料に目をとうしながら次の段階を考えた。

「規約違反ではないけど規約違反の予備軍であることには変わりないしそこをついて脅し違約金を払わせる、普段ならそのままキるということをするけど№15の太客はそうかんたんに切れない。どうするのメメさん?」蛇みたいに鋭く絡んだ声で色気が漏れ出ているこの人は幹部のメリダ(ガール)さん、余談だけどむかしワタシの担当キャストだった。

「それは…ノノに聞いて判断します…。」メメさんはこの前の会議より萎縮していた。まあ当然か。

「切る前提で話をすすめる、いいな?何かあってからじゃ遅い、ナイトクイーンの売りである安全性を揺るがすからな。」クラームさんは相変わらずこわい顔だった、イケメンの怒った顔は迫力があるというが、イケメンの真顔も迫力がある。

「それはそうとまず野田さんが捕まらない…すぐこちらに気づいて逃げられる、さてどうしたものか。」クラームさんは真剣な顔をした、確かに捕まえて話をしないと犯人を知っても意味がないノノさんの仕事中に呼び出すのが手っ取り早いけど『ナイトクイーン』は依頼人に《安全により良いサービスと質の良い最高のひとときを》を売りにしている。そのため接客中に呼び出すのはご法度だ。しばらくして会議が終わった。各々が帰る準備をしていたら後ろから声がかかった、

「アイリス、新しい仲介人なんだけどこの人でいい?」と創立メンバーでありワタシの友達・『ナイトクイーン』の仲介幹部のチェリーが駆け足で近付く。

「この前の面接の人だよね、いいと思うよ。」チェリーは指導係をやっていてメメさんの件では自分の指導不足だったと軽く落ち込んでいた。

「チェリーせっかく出しワタシの執務室でお茶しない?アップルティーを仕入れたの!!」

「あっ!!それ最近できたりんご飴専門店に売ってるやつでしょ!!あたしも行きたかったーー 違う子といったんでしょ?誰といったの?」興味津々に聞いてきた。

「新しい友達可愛いのなのにところどころ暗くって心地良いの。」ヒスイとまたどこか出かけようとラインにメッセージを送った。


[newpage]

コンビニの件から数日後、俺はアイリスさんとキムチの工場見学に来ていた。今回は男ヒスイとして来た。

「あの〜い突っ込もうかと思ってたんですが……どうしてこうなった?」

「もぅヒスイったらまた型苦しい言葉遣いになってるよ!!それにそれほど遠くない場所でかんたんにいけて辛党のヒスイも楽しめるからキムチ工場見学に来たんじゃん!! あっ試食コーナーあるよグミのキムチだってスゴイのあるね!」りんご飴の態度で俺が辛党だとわかったのはシンプルにすごいと思った。これでも俺は売り子だ、偽るくらい上手くできると思っていた。

(あれだけで分かるとか俺の推しは可愛いだけじゃなくマジで天才*凄腕の仲介人ではあるけどここまでとは……はぁぁぁ)

「生きてくれてありがとう存在全てが完璧すぎる。」

あっまたやってしまった…。

「また変なこと言ってる そんなに好きじゃなかった?」ウルウルと効果音がつきそうな目で見ないでくれ、心の声が現実の発言として出てしまいそうだ。

「全然そんなことないしふつうに楽しい!!けどアイリスs…は楽しめてないんじゃないかと……」

「そんなことないよ!!ワタシは友達といることメインで来たし楽しいよ。」

(俺はなんて幸せなんだろう推しが尊過ぎてマジでムリ……)俺はこの幸せを噛みしめていた。

帰り際、バスの中で他愛のない話をしていたそこで鳶が鷹を生むという話題になった

「そういえばこの前第2事務所の近くのコンビニでバーコード頭でピシッとしたスーツのおじさんがいてその人の娘さんを成り行きで見たんですど鳶が鷹を生んだみたいな娘さんだったんですよ。」

「第2事務所近くのコンビニ……」

「アイリスどうかした?」

「いや……ねえヒスイいやヒスイくん少しいい。」

アイリスさんの呼び方が変わったそれがどういうことがわからないほど鈍感じゃない、仕事の話だ。


[newpage]

アイリスside

ヒスイくんの口から第2事務所とバーコード頭という単語が出てきて先日の会議を思い出した。

「いや……ねえヒスイいやヒスイくん少しいい。」

 この口調でいうとすぐにヒスイくんは察してくれた。

「必要ないと思うけど念とのために言っとくね口外するなよ。」

 ついついブラックアイリスと呼ばれる部分が出てきてしまった。ヒスイくんの方を見るとなぜかうつむき心臓を抑えていた。

「はいわかっています。」すぐにキリッと顔を合わせてきた。

「よしっ、最近メメさんの噂知ってる?」

「はい 担当キャストが仕事終わりの事務所に行く時つけられているって噂ですよね。」

「そう、それ本当のことでつけられているのはガール№7のノノさん。そしてノノさんをつけているのが太客の野田さん。」そう言ってワタシは野田さんの写真を見せた

「!? この人です俺があったコンビニにいた人は。」

「その人について詳しく教えて。」

「野田さんは娘であるノノさんが心配でつけているみたいでした、なので野田さんにノノさんの写真を見せてもらったときこの職業してるって知ったら厄介だろうな。程度にしか思っていませんでした。」ヒスイくんは顎に手を当てて考えた。

「ノノさんの本名は小野乃愛、現在21歳で13歳の頃父親の浮気が原因での離婚で母子家庭。この情報は当事者であるノノさんと幹部以上とメメさんしか知らない、ついでに言うなら10ヶ月前くらいからストーカー行為じみたことをあった。」

 ワタシは大体のことが分かったから試しにヒスイくんの推理力を試すために情報提供した。

「野田という名前は本名ですか?」

「君は小型機械の使いみちを知っているから教えるけど小型機械から見つけた情報だから信憑性は高いよ。」ヒスイくんは1年前裏路地の交渉のことを知っている、今更隠す必要がないと判断した。


「あくまで俺の考えのなんですが野田さんはノノさんの父親では百無いです。」


「その心は?」

「理由は3つあり1つは親が離婚したのは乃愛さんが中学1年生の時、多感な時期に苗字が変わったら周りから好機な目で見られるため離婚して母方にいっても父方の苗字を使い続けると思うんです。もとから母親の苗字を使ってたり苗字を変えてたりする可能性もありますがおそらくそれはないと思います。なぜならさっきアイリスさんが離婚理由は教えてくださったのに苗字が変わったことは言ってなかった、それに親世代は妻の苗字を使うことが今以上に無かった。それらから考えると乃愛さんは苗字を変えていない。」

素直に感心したヒスイくんは想像以上頭がキレる。仲介人として欲しいくらいだがボーイでカードゲームを芸として売るのもいいだろうとついつい仲介人としての癖が出てきてしまった。

「そして2つ目の理由が何故太客としてとっているのか、そして仕事終わりの事務所帰りをつけているのか、がひっかかります。俺の記憶が正しければノノさんは床上手で有名なガールで太客となればほぼ確定で寝ていますよね、この仕事をしているのであまりいえたことではないですが実の娘相手に体の関係を買っているのはどうなのか です。父娘でそういう関係を持っている人たちは日本でも少なくないですが…… 仕事後から事務所帰りをつけている。というのも妙です。浮気が原因で離婚なら親権はなくとも面談くらいはできるはずですなので家を特定することはできるはずなのにそれをしていない。」

 ヒスイくんは知識も豊富そうだ家庭環境さい良ければ真っ当な人生を歩めただろうに…まあどれが真っ当な人生かは人それぞれだしそういうことに他人であるワタシは関わってはいけない。

「3つ目は被害を訴えたのはノノさん自身ということです。父親がストーカーしていたら小野乃愛として訴えるほうがちゃんと戦えるのに『ナイトクイーン』に訴えたというのがひっかかるんです。親子で体の関係があるのは知られたくないにしてもノノさんは少し自己中心的な性格です訴えるなら小野乃愛として訴えると思うんです。  あくまで俺の考えですけど……」そう言ってヒスイくんはワタシに意見を求めた。

「ワタシも大方ヒスイくんと同じ意見ダヨただなにが引っかかるのよ。赤の他人ではないそう思ってしまう……これはあくまでワタシの意見だけどね☆」

 ワタシがそう思うのはメメさんは仲介人の中では無能な方だけどナイトクイーンの仲介人なので情報集めに半年もかからないはずだ。

「母子家庭で育った乃愛さんはスゴく母親思いの可能性が高い……」ワタシはポツリと誰に言うわけでもなく呟いた。するとヒスイくんが一瞬目を大きく開いて

「アイリスさん、ノノさんの母親に恋人などはいらっしゃいますか?」と勢いよく聞いてきた。

「いたと思う…ノノさんが父親がどうやらこうやら笑顔で言ってるのを見たことがあるし…」

(ああそういうことか。)

まさか友達と遊んだ帰りに解決してしまうなんて驚いてしまった。

「ヒスイくん明後日の21:40 ペイント通りの林家の裏路地に来て遅れたらダメだよ!」ちょうど最寄りに着いたのでそう言って手を振った。

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