アイリスガチ勢ヒスイくん
ボーイの彼氏と仲介人の彼女2
俺とアイリスさんの出会いは『ナイトクイーン』の定例会だ。俺が中学2年生でまだペーペーだった時ナイトクイーンの諸説明をしてくれたのがアイリスさんだった、はじめは明るい中にも影があり俺と同族か。程度しか思っていなかった、実際このあとすぐに俺の担当仲介人が来てアイリスさんと別れたし。ファンになったきっかけは初めて№15に入ったときだ、特に順位を気にしておらずいつも金さえ儲けられば気にしなかったから担当仲介人に褒められてもどうも思わなかった。
「君あの時の新人くんだよね!覚えてる?諸説明をしたピンク髪の人。」
不意に顔を覗き込んできた女の子にびっくりして一歩後ろに引いた。
「ごめんごめん!驚かせてしまったよねワタシはアイリス!ここの仲介人をしているんだ〜上位に入るようになったら担当外の仲介人さんと話すこと増えるから覚えといて損はないよ♪」と可愛らしい声でニコニコしていた。
「名前は今覚えましたが覚えてはいましたよ髪の色が変わってもメイクや話し方は変わってなかったので…」と押され気味に返事をした。
「そういってもらえて嬉しいな〜ヨロシクねヒスイくん。」そういって机に向かう彼女の手首を無意識に掴んでいた。
「……どうしたの?なにかギモンでもあった?暇なときならいつでも相談に乗るよ?」と大きな瞳をぱちくりさせながらアイリスさんはこっちを向いた。
「いや……名前を知ってもらえてるなんてと思いまして…かわいいですね。」とまるでうぶな男みたいな返事をしてしまった、男だろうが女だろうがデートして必要とあらば寝て手だまのようにしてきたやつがだ。自分でもこんなことをした意味がわからなかった。けどなぜかこの仲介人を引き留めなないと、と本能で感じた。
「アハ!これでも幹部の仲介人だからある程度把握しているよシャドーキュートのヒスイくん♡あっそれはそうとワタシ行かなきゃだからバイバイ♪」とニコニコしながら幹部がいる机へ向かった。
定例会はリーダー1人 仲介人5人 売り子63人の全69人が必ず集まり収益や注意事項近況報告などをする。いつも奥で立っていたがトップ20に入ると中央の席に座ることになっている。仲介人はモニター前の最前列におり、アイリスさんは幹部なので真ん中の最前列リーダーの隣にいた。定例会は終わり家へ帰る途中『ナイトクイーン』のビル近くの裏路地で変な音が聞こえたので入っていった、裏路地は危ないし何が起こっているのかだいたい予想はつくので普段なら野次馬ではないし見に行かない、普段なら。裏路地に隠れながら進んでいくと血痕が見えた、それをたどっていくと中年の小太りなおっさんがいた。
「なぁ始めに行ったよなキャストに営業外でてぇ出すなって、聞いてませんでしたはなしだって。」と柄が悪そうな口調が聞こえた。興味本位で覗くとフードを深くかぶり仮面をつけている人がそのおっさんに詰め寄っていた。
「ナイトクイーンのキャストであるリリムのことかぎまわってる証拠はもうあんだよおとなしくこの慰謝料を払って金輪際リリムと接触せず『ナイトクイーン』のことを口外しないことを誓う誓約書にサインしろよなあ!!」ともう1人奥から子供がつけてそうなまつりのお面をつけた人小型機械を持って出てきた。
「はっはい 書きっ書きます書かせていただきますなので会社には会社には報告しないでください!!」と震えながらそのおっさんはサインした。なんとなくだが『ナイトクイーン』のやり方が分かった、売り子に個人的被害がないように仲介人が依頼人に連絡を取り当日やるプランや集合場所時間を決め、当日接待が終わったら売り子を一旦適当な場所に呼び仲介人が売り子から金を徴収しそのついでに配布した小型機械も回収する、裏口から売り子を帰し、小型機械から依頼人の知られたらまずい情報を抜き取りこのようなことがあったら依頼人を脅すという事か。小型機械については接待中持っていろとしか言われてなかったが、小型機械で監視し、客の情報を集めつつバレたらまずいこの接待の情報も抜き取る(売り子の情報は隠しつつ)それを使って厄介な客を作らなかったという訳か。 わかったところで帰ろうとすると不意に首に鋭利なものを当てられた
「ここになんのよう」と寒気のする声で聞かれた
「……なんのことか分からないなぁ……」
と強引にとぼけてみた
「うちのキャストだから一度だけ見逃すけど次はないからねヒスイくん。」
と首のナイフがとられたと途端すぐに後ろを向いた。するとフード付きのマントを羽織り、かわいい猫の仮面(顔の上半分)をつけたアイリスさんがいた
(…!!)その途端すぐ逃げようとするアイリスさんの手首をにぎった なんかデジャブだ
「待ってくださいその……相談してもいいですか?」と小声で言った。
「相談事なんてないでしょ、半殺しにさせれたくなかったらすぐさま放しなさい。」とても冷たく恐ろしい声と目つきで言い放たれた。実際相談事なんて無かった。するとむりやり手をほどいて他の人たちの方へ行った、横をすぎるとき小声で
「早く消えなさい。」と冷たい声で言った。その後どうやって帰ったのか覚えていないただあの可愛くあざとさがありながら人殺しなんて平気そうな冷徹な面を持った仲介人に心を奪われたことだけは確かだ、心を奪われたのに不思議と恋愛感情はなかったただあの人が息を吸っている、あの人が言葉を発してる、あの人が存在していることがありがたいという感情ばかりが出てきた。その瞬間から俺はアイリスガチ勢ファンになったのだ。