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男の正体 ジャック

クルス寮のキッチンでアリーシャ、ルビー、ノアの三人がキッチンでネスが作り置きしてくれていた料理を温め直していた。


「それで〜?ノア今日のお昼に何があったのー」

キッチンで皿を用意しながらルビーがノアに尋ねる。

あのあともアリーシャに色々聞いてみたが、全く情報は増えなかった。

そういう話は私よりもルビーの方が詳しい、ということで一旦話を持ち帰ってきた。


ノアは今日の昼にあったことをルビーに説明した。

たまごサンドを買い占められたこと、買い占めたたまごサンドを渡され【模擬戦(プラゲーム)】の勝負を持ちかけられたこと、そしてその勝負を持ちかけてきた人物の名前を聞き忘れていたこと。


「ノアも入学早々変なのに絡まれたね〜」

アハハっと笑いながらルビーはノアを揶揄う。

「俺だって巻き込まれたくて巻き込まれたわけじゃないっての」


「でもまあ、大体は分かったよ。うちの知ってる・・というかアリーも知ってておかしくない話のはずなんだけど」

え?と思ったノアは、後ろでシチューを温めているアリーシャの方を振り返る。

「ルビーはこう言ってるけど、マジで何もわからないのか?」

「私は何もわからなかったよ。それより温め終わったからお皿貸して」


はーい、とノアとルビーは用意していた皿をアリーシャに渡す。

カゴに入れておいたバゲットも持って、キッチンから食堂に移動する。


「「「いただきます」」」

三人で手を合わせて、食事の挨拶を済ませる。

話はルビーの心当たりのある人物の話に戻った。


「それで?ルビーの心当たりある載って誰?」

ノアがルビーに聞いてみると、そう言えそうだったみたいな顔をして答え始める。


「ノアが昼に絡まれたのはジャックっていう【肉体強化(ビルドアップ)】系の魔術を得意にしている人。うちらと同じ新一年生だよ」


肉体強化(ビルドあっぷ)】は自身の肉体に魔術を付与する術式。

筋肉増量によるパワーアップや五感を研ぎ澄ませることができる。


「あいつジャックっていうのか・・確かにあのガタイの良さなら近接系の戦闘スタイルにも納得だわ」

今日の昼に見かけた光景を思い出す。

胸板の厚さや体つきが学生離れしていたことを思い出す。


その話を聞いて、アリーシャも何かを思い出したように話だした。

「その人って【肉体強化(ビルドアップ)】の魔術使うって、それ【模擬戦(プラゲーム)】で負けなしだって噂の人と同じ人?」

「なんだ、アリーシャも知ってるんじゃん」


「ああ、アリーは魔術関連の話しか頭に残らないんだよ。術者本人のは興味が全くないんだもん」

「確かに俺が話した内容には【肉体強化(ビルドアップ)】の魔術使うやつだって話はしなかったな。そもそも知らなかったし」

仕方ないかぁ、とルビーもノアもやれやれと言った感じだ。


「ルビーは最悪いいけど、どうしてノア君まで私に対してそんな対応を取るのかな?」

いやだって、と言い訳をしようと思ったがアリーシャの眼光に負けて大人しく黙るしかなかった。


ノアは急いで話題をすり替えようとした。

「て、ていうかさ、今負けなしって言わなかった?そんなに強いのジャックって」


「うん、相当強いよ。うちがジャックの話を聞くようになったのが高等部の二年生頃だったんだよね。同級生でも三年生にも関係なく【模擬戦(プラゲーム)】の勝負を持ちかけてるって、しかも全勝だって話が出てからは知名度爆あがりしてたよ」


肉体強化(ビルドアップ)】系の魔術を得意にしてて、【模擬戦(プラゲーム)】全勝のジャック・・か。



「それで、ノアはジャックの【模擬戦(プラゲーム)】の誘い受けるの?」

ルビーがこちらを見つめる。


「正直まだ迷ってるよ。明日ジャックが【模擬戦(プラゲーム)】やるから見にこいって言われてるし、それから決めようかな」


気がつけば三人の皿は空になっていた。

ごちそうさまと挨拶をして、キッチンに皿を運んで行った。

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