表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/146

女神達の裏事情

「しかし困ったのぅ」

「望まぬのに恩返しの押し売りは迷惑なだけじゃし・・・・・」

「じゃが受けた恩が折り重なっておるから返すに返しきれぬ」

「何かを受け取って貰わねば妾達の気が済まぬのじゃが既に神と同等の力を持つ者にどう報いれば良いのか皆目検討も付かぬ」


どうやらバステトは本当に困っているようだ

先程から酒が進まず腕を組んで悩んでいる


「神落としの後方支援って結構リスキーだと思うんだけどな」


「じゃが今の妾達の暮らしがあるのも」

「民が平和に暮らし子を育んでこれたのも」

「そこな3人の功績じゃ」

「到底この程度の事で返せる恩ではないわ」


そのわりにはシンシアをからかっているように見えるのだが

それも突っ込むと恐いので止めておこう


「アリエルが要らないって言ってるんだからそれこそ野暮ってモノよ」

「有り難く享受しておくだけで良いんじゃないかしら?」


「お主達の心根は有難い」

「有難いのじゃが・・・・・」

「神ともなるとそうもいかんのじゃ」

「神には神の守らねばならぬ道理と言うものがあるのじゃわ」


バステトは困り果て両手を太股に回して抱え込むと水面に浮かぶ盃を見詰めながら水面をブクブクと泡立たせていた


「その道理って奴を聞かせて貰えないかな?」

「さっきの神落としとはそう言うモノって言うのも気になるし」


「その件に関しては多くの者に教えるわけにはいかんのじゃ」

「妾達神々にも規約と言うものがあるのじゃよ」


規約・・・・・


又もや不穏なワードが飛び出した

どう考えても悪い予感しかしない


恐らく一番悪い予測の裏付けでしかないだろう


「なんと無く予想は出来るんだけどね」

「それを口に出すとペナルティとかあるのかな?」


「少なくともここで口に出すのは止めておくれ」

「規約に縛られぬ者がソレを口にすると有無を言わさず殲滅されるのじゃ」

「その力はこの隠れ里すらお構い無しに攻めてくる」

「そうなれば他の神々にもここがバレてしまい我先にとここへ攻め込んで来るじゃろう」

「いかに大恩人じゃとしてもそれは流石に勘弁して欲しいのじゃ」


バステトは本当に民の事が大切と見える


ミリアに対して助力は惜しまず犠牲も厭わぬと言いながらもこの態度

余程その規約とやらが恐いのだろう


そしてその制裁には容赦が無く国民全てが殲滅されそれに抗う術は神と言えど無いのだろう


「そんな規約ってのが有るなんて知らなかったわ」

「危うく知らずに皆を巻き込むところだった」


「規約としてこの理を知る者は1人にだけ教えても良い事になっておる」

「そして教えられた者が死ねば再び1人に教える事が可能となる」

「・・・・・・・・・・・・・」

「この理を教える事」

「それは我等神々の存続に関わること故な」


益々嫌な予感が強くなる

だが同時に答え合わせをしたくなってきた


「そう言う事情ならここで聞くわけにはいかないわね」


「アリエルはさっきの話を信じるの?」


「まぁ」

「薄々は感じてた嫌な予感と一致する気がしてね・・・・・・」

「確認しておきたいのは事実なのよね」


「でもさっきからの言動を見ていると2人っきりになりたいだけの口実に思えるのよね」


シンシアの言う通りだがバステトの言う規約と制裁が本当ならば取り返しが付かない


そしてその可能性は決して低いモノではない


「まぁ2人っきりになったとしても私が害されることは無いわ」

「さっきの不意打ちの時だって返り討ちに出来てたじゃない?」


「アレは妾も手を抜いておったからの」

「じゃが本気を出したところで結果は変わるモノでは無かろう」


バステトはアッサリと敗けを認めた


それは神々の一角を落とせる力が有ると認められたようなものだった


「たぶん」

「この規約とやらを聞かずにミリアを落とすのは問題が有りそうなのよね」

「だからこそ確かめておきたい」

「だから」

「ちょっと聞いてくるわ」


不服そうなシンシアを宥めると私はバステトと共に風呂場を後にしたのだった


ー・ー


「だぁああああああっっっ!!」

「もうっっ!!」

「何で嫌な予想ばっかり当たるのよっっ!!」


「こう言う事態を予想しておったとな?」

「中々の洞察力じゃな」

「ならば妾の言う通りこの事を口外する危険性は理解しておるの?」


「確かにこれは口外出来ないわね」

「ところでその規約と制裁って本当に有るの?」


「それも真実じゃ」

「そして審判の天兵は神々の使役する天使兵とは強さの桁が違う」

「奴等の強さは別格じゃ」

「アレに狙われて皆を守り通すのは妾どころか他のどの神にも出来ぬ芸当なのじゃ」


バステトの表情を見るに嘘ではないのだろう


そして以前その審判の天兵を見たことが有るようにも思えた


「そうなると・・・・・」

「この事は仲間の誰かに話す必要が有るわね」


「アリエルにその気がないとなると・・・」

「ミリアを落とした後の事を任せられる人物を決めておく必要が有るの」

「それとも妾がトドメを刺す役を務めようか?」


「それはそれでなんだか悪いわ」

「だってそんな事すればバステトは再び外界で戦禍に巻き込まれることになるよね?」


「それは・・・・・」

「仕方がないのじゃ」

「今ここに隠れていられるのは奇跡のようなものじゃしな」

「じゃが規約には違反しておらぬ故制裁の対象にはなっておらぬ」

「自由度が高いのは良いことなのじゃが・・・・」

「創造主は何がしたいのか良く分からぬ」


「私にはなんと無く想像できるけどね」

「よっぽど暇なんでしょうよ」


私の出した結論はこの世界は創造主の遊び場のようなもの

我々は見世物小屋のピエロか動物園の動物のようなものなのだろう


だがら・・・・・・


「その縛り(・・)は少々厄介ね」


「そうなのじゃ」

「自分の意思だけでは途中退場すら許されぬ」

「そして一度ここに迷い込んだ者は2度と現世で陽の光を見る事は叶わぬのじゃ」


「・・・・・・・・」

「こんな事はシンシアには言えないわ」


「誠に信頼のおける人間にしか話せぬと同時に真に大切な人間には話せぬ」

「業の深い話じゃ」


「私に話したと言うことは・・・・」

「バステトはリグルには話していないのね?」


「話せるものか」

「妾があの者をどう思うておるか・・・・」

「アリエルはそれを察せぬ者ではあるまい?」


共に戦った戦友

不死の呪いの呪縛を受ける者


そんなリグルに話すのは重すぎる内容ではある

だが同時に不死のエルフであるシンシアにも迂闊に話せない内容でもある


私には2人にこんな重荷を背負わせるのは躊躇われる


何故ならば2人とも快く受け入れるのだろうと言うことは想像にかたくないのだから


ー・ー


「あら」

「案外早かったのね」

「もっとお楽しみ(・・・・)かと思ったわ」


やはりこう言う時のシンシアの言葉には刺がある


「別に何もないわよ」

「ちょっとこの世界の理についての確認と神々の制約と制裁について聞いてきただけよ」

「その内容については口外出来ない程ヤバいモノだったけど」


「それって・・・・・」


「軽々しく口に出せば桁違いの天使兵に死ぬまでつけ狙われるって事」

「だからこの話は何か思う事があっても慎重にね?」

「私も知ってしまった以上1人にだけ話す権利が与えられているわ」

「そう・・・・・・」

「これで私はある意味正式に女神ミリアを討つ資格を得たことになる」


「それってもしかして・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

「人の身で神々の黄昏(ラグナロク)に参加できるようになったって事?」


「まぁそうとも言えるかな」

「でもこれ以上深い話はダメよ?」

「この異空間で獣神と獣人が隠れ住めているのも彷徨える都市(ヴァンデラーブルク)が異空間を彷徨えるのも神々の制約や規約に反していないからであってある意味奇跡なんだから」


シンシアは事の重大さを察したのかそれ以上この話題に触れることは無かった


ー・ー


「お酒振る舞ったから思わず長湯になっちゃったんじゃない?」

「身体の方は大丈夫?」


今は全員が露天風呂から上がり館の客間で寛いでいた


「うにゃあー」

「世界がまわるのにゃあー」

「うぐぅ」

「ゴフッ」

「ムフゥー」


「あらまぁ」

「フェリシアと伯爵は潰れちゃってるわね」


「フェリシアは飲み過ぎじゃの」

「ワシのペースで日本酒をパカパカ空けとったからのぅw」


ソファーにつっぷすフェリシアは気持ちが悪そうだ


そして伯爵はと言うと・・・・・


「こっちは完全にのぼせてるだけじゃ」

「何故か湯船から上がろうとせんかったからのぅ」

「まぁ・・・・・」

「理由はなんと無く分かったがの」


伯爵をジンが介抱している為いつまでたっても伯爵はのぼせたままだった


先に酔いが回ってしまったフェリシアをシンシアとジンの2人がかりで外へと連れ出し3人が着替え終わって脱衣所を出る頃には伯爵はのぼせてダウンしてしまっていた


「カッカッカッ」

「伯爵はお若いのぅw」


「なっ」

「何故またそのような」

「これでも100歳は超えているのですよ?」

「リグル殿に比べれば若造かも知れませんが獣人としては立派な中年です」


「リグルが言ってるのは中身の事よw」


伯爵が目を覚ましたのはジンの膝枕の上だった

その後のテンパりようと言ったら中々の見物だったのだがどう見てもまだ具合が悪そうなのでジンはそのまま押さえ付けて膝枕を続けている


「もっ」

「もう大丈夫です」

「これ以上膝枕を続けられると違うところが大変なことになりそうだ」

「いっいや」

「忝ない」

「ありがとう」


起き上がろうとする伯爵を尚も押さえ込むジン

合気の心得でもあるのか起き上がろうとする機先を制して押さえられるため伯爵は踠くばかりで起き上がれない


「まぁまぁ伯爵」

「女の膝枕で暴れるのは感心しませんよ?」

「それはセクハラみたいなものですから」


「そっそっそっ」

「そうなのか???」

「すっすまない」


伯爵は耳を垂れて踠くのを止めた


「構いませんよ」


おや?


ジンの口調がいつもと違う

伯爵を見る目もどこか優しげだ


これは・・・・・・


「シンシア、ラルク」

「お腹空いたわね」


「え?」

「私はそんなに・・・・」


「なに言ってるのよラルク」

「長風呂の後だからお腹空いたわよね?」


シンシアは強引にラルクを引っ張っていく


「あっアリエル殿!」

「お腹が空いたのであれば直ぐに作らせますからお待ちを!」


慌ててジンが立ち上がろうとするが肩を押さえて止めた


「良いの良いの」

「折角獣神様が来られているんだから私が手料理振る舞うわよ」

「勝手に庭でやるから伯爵は気分が良くなるまで大人しくしてなさいな」


「おおっ」

「アリエルの手料理とな」

「それは楽しみじゃのう」

「バステト」

「ワシ等も行こうではないか」


「ふむ」

「もう少しおった方が面白そうなのじゃがのぅ」

「妾も行くとするかの」

「そなた等はゆるりと休んでおれ」


バステトはニヤケながら意味深な言葉を残してリグルについて部屋を出た


ー・ー


「バステト様ー?」


「なんじゃ?」


「あんな風に意味深な言葉を置き土産にしたら意識しちゃうんじゃない?」


「妾は目の前で観察したかったのぅ」


「それは流石に野暮と言うものよ」


名残惜しそうなバステトを連れて中庭へと出てきた

整備されているが通路は踏み固められた土であり華美な装飾も無い


ゆったりと過ごすための東屋やベンチが点在している質素な作りだが花は手入れが行き届き綺麗に咲き誇っていた


「伯爵の人となりが分かりそうな庭ね」


「そうじゃな」

「あ奴は実直で真面目で体裁を気にせぬ」

「それは良い事ではあるが同時に部下や民に倹約の模範となってしまいがちなのじゃ」

「もう少し遊び心を示してくれぬと良民も堅苦しくは無いかと心配なのじゃ」


つまりバステト的にも早く結婚して少しは貴族らしい無駄遣いをして欲しいと言うことか?


「奴隷解放戦争の英雄じゃと言うのに浮いた噂もなくどの娘にも興味を示さぬ事から同性愛者の噂もたった程じゃ」

「妾はジンへの想いを知っておったから気に止めておらなんだがあ奴の親族達がの・・・」


「貴族ともなると大変ね」

「でも元々はグリムワース家の出自ではないんでしょう?」


「そうじゃ」

「バルトルード家の三男なのじゃが外界での活躍が目覚ましくての」

「その功績の褒美にグリムワース伯爵の称号を与えたのじゃ」

「じゃからこそ一代限りではなく早く結婚して跡継ぎをと望まれておるのじゃ」


「ふーん」

「でも世襲でなく伯爵となっても子供に世襲出来るの?」


「まぁの」

「グリムワースの領地と伯爵の家名は長らく担い手がおらなんだのじゃ」


「およそ400年前この地に移住した時」

「首都を中心に四方の守りの要として作られた街の1つがこのグリムワースじゃ」

「本来この地は鳥人達の治める地であり初代グリムワースは鷹の目を持つ有翼人(フェザーフォルク)じゃった」


「それが300年前の大遠征の時にな」

「妾の判断ミスでグリムワースを失ってしもうたのじゃ・・・・」


「アレは誰のせいでもない」

「グークスニルに続く第2の古龍の襲来なぞ誰に予測出来ようか」


「ちょっと待ってリグル」

「古龍って神でも察知できないの?」


「そうじゃ」

「古龍とは神々の時代に生まれた龍の事を言うんじゃ」

「神に並ぶ絶大な力を持ち神々と争いラグナロクでさえ生き残った古強者」

「神の目を欺く等雑作もないことじゃ」


つまり


現在の神でもおいそれと手が出せない創造主の作り出したボス級モンスターと言うわけか


「神と同等か・・・・・」

「厄介ね」

「・・・・・・・・・・」

「まさかとは思うんだけど」

「その古龍を倒したリグルって・・・・」


「まだ人間じゃよ」

「アリエル程の力は無い」


「神に比肩する程の龍をどうやって倒したのよ?」


「それはまぁ」

「色々とあるんじゃわ」


何か裏技的な支援効果があったと言うことか


「ミリアの信徒であったリグルに妾の祝福を重ね掛けしたのじゃよ」

「言わばチート能力のオーバーブーストじゃな」


神の支援効果を過剰摂取させてドーピングしたようなものか

そこまでやらなければ倒せないのが古龍


道理でジンの呪いも一筋縄ではいかなかったわけだ


「それはそうとアリエル」

「あの呪いはミリアの祝福に加え妾の祝福をも飲み込んだ邪毒龍の呪いじゃぞ?」

「2つの祝福と呪いが複雑に絡み合ってどうやっても解けなんだ」

「そなたはどうやってジンの呪いを解いたのじゃ?」


「そうね」

「呪いを解く方法はいくつか有るわけだけど」

「その中で一番良いのは呪いを昇華させる事かしら?」

「怨念を満足させて成仏させる方法ね」

「でも今回はこれを選ぼうにも人類種に対しての憎しみが呪いの源だから怨念を説得して解除することはできなかった」


「そうじゃな」

「怨念を調伏しようにも既に原型をとどめておらなんだしな」


「そこで2つ目の方法なんだけどね」

「呪いの力の供給源を断つ方法を探したんだけど・・・」


「厄介な事に妾とミリアの祝福を糧にしておったと」


「そう」

「2人の祝福とジンの魂が複雑に絡んでいたからそれをほどくのは諦めたわ」


「なら別の方法が必要だったわけね」


「じゃがシンシア」

「基本的な解呪方法はこの2種類からなるのじゃぞ?」

「これ以外の方法となると呪いより大きな力で散らすぐらいしか無いのじゃが・・・・」

「そうなると呪いと癒着したジンの魂もただでは済まぬ」


「そこで第4の方法が必要になるの」

「そこで詳しい解析が必要になったわけだけどね」

「バステトとミリアの祝福の内容がちょっと問題だったわけ」


「どう言うことじゃ?」

「妾の祝福の問題等有る筈なかろう」


問題と言われて不機嫌になるバステト

だが本当の事なのだから仕方がない


「正確にはミリアの祝福に(トラップ)が仕掛けられていたのよね」

「バステトの祝福は回復能力の上昇と肉体強化よね?」


「そうじゃ」

「それに問題が?」


「毒や病気をも無効化する程の回復能力」

「そこに戦闘能力を引き上げるミリアの祝福が重なるわけなんだけど・・・・」


「妾は民を守る術に長けておったでな」

「龍を討つ力はミリアが与えた」


「その攻撃力を上げる祝福が曲者だったのよ」

「おそらくミリアは邪毒龍が呪うのを計算に入れていた」

「だから2種類の祝福を与えたのよ」

「1つは能力を向上させると同時に対象の防御減衰させ撃ち破るもの」

「そしてもう1つは邪毒龍から受けた力を2人の祝福の力に変換するもの」

「対邪毒龍専用のチートスキルとしてね」


「なんと?」

「そんな事をすれば・・・・」


「そうよ」

「邪毒龍の力が有る限り永久的に祝福が発動するわ」

「そして邪毒龍の呪いは対象の力の流れを阻害して衰弱死させる類いのものよ」


「・・・・・・・・・・」

「つまり不死の呪いではないと?」


「バステトとミリアの祝福のせいで不死化してたと言っても過言ではないわ」


「なんと?」


「恐らく邪毒龍の呪いだけならば簡単では無いにしろ神の力で解呪出来たでしょうね」


「問題じゃったのはミリアの祝福が妾の祝福と結び付くと同時に邪毒龍の呪いとも結び付けておったと言うことじゃな?」


「しかもご丁寧に術式が癒着するようにしてあったわ」

「・・・・・・・・」

「そこで私はこの呪いと祝福の循環を止めるため先ず呪いの力の供給源を断つ事にしたの」

「祝福が発動すればそれを糧に呪いは強まる」

「だから先ず祝福を停止させて呪いを弱体化する事にしたのよ」


「じゃがそんな事をすれば呪いの力だけが発動きて衰弱死してしまうのでは無いのか?」


「普通ならね」

「そこでジンを一度隔離して時間を加速させて衰弱死させる事で呪いを成就させて・・・」


「おい」

「今なんと言ったのじゃ?」


「だからジンを隔離して時間を加速させて衰弱死させたの」


「じっジンを一度殺したのか???」


「そうよ?」

「何か問題でも?」


「なら今のジンは本当にジンのままなのか?」

「ジンに似せた魔物ではあるまいな?」

「と言うか時間を加速させたじゃと?」

「そんな事が出来るのか?」

「加速魔法はあくまでも身体能力強化の延長線上じゃ」

「時間を操るなぞ神々でも・・・・・」

「それこそ大神の中でもごく僅かしか扱えぬ高等奇跡じゃぞ???」


「まぁ」

「扱えるのよ」

「そうして衰弱死させた事で呪いは目的を達成し解除されたの」

「それからジンを復活させて・・・・」


「まぁそうなるわの」

「衰弱死で殺したのじゃから生き返らせる必要は有るわの」

「じゃが復活の呪文なぞこの世界の何処を探しても無いのじゃぞ?」

「それこそ神の奇跡以外で死者が甦るなんぞ有り得ぬ」

「じゃから邪毒龍も奇跡による復活と呪いを紐付けしておった筈じゃ」


「そうそう」

「それそれ」

「神の奇跡だと呪いも復活しちゃうんだろうなと思ったわけ」

「でも私の魔法は奇跡とは別物だからね」

「それでも一種の賭けだったわけだけど・・・・」

「上手くいって良かったわ」

「ジンには一度死んだことは内緒にしておいてね」


「さらりとえげつない事を連発しおったの」

「これでは亜神どころか大神並みではないか」


呆れ果てたバステトは最早笑うくらいしか出来なかった




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ