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獣神様

「しかし」

「ジリエラも可愛い悲鳴をあげるんじゃなw」


「リグル殿」

「ジリエラは元から可愛い」

「失礼だっ」


すかさずリグルに反論する伯爵


「さっきのは連続で風呂場に飛び込んできたから動揺して思わず声が漏れただけだ」

「それにアルベルト」

「こんなババアを可愛い等とか言うな」


「私はジリエラを1度も年寄りだ等と思ったことは無い!」

「ジリエラは今も昔も美しく可愛い!」


照れているのかのぼせているのか ジンは顔を赤くしながらそっぽを向いた


頭を抱え壁を向いて踞る伯爵を余所に2人にも水着を渡して着て貰った

そして風呂場から出ようとする伯爵を無理やり洗い湯船へと押し込んだ


ブクブクブク

ガボッ

ブフッ

ブクブクブク


「伯爵?」

「ジンが浸かっているお湯の味は美味しいかしら?」


ザバッ!


「そっそんなつもりはっっ!!」


緊張して湯船に顔を沈めていた伯爵はシンシアのからかう言葉に慌てて立ち上がった


「あらお元気ね」

「伯爵さまw」


のぼせているのも有るだろうか

水着の中でそそり勃つ伯爵


「あわっあわあわ!」

「こっこれはそのっ!」


私の言葉に慌てて股間を手で隠し再び湯船に沈む


「分かってるわよ」

「長湯でのぼせて勃っちゃっただけでしょ?」

「ねぇ?」

「リグルもなるわよね?」


「ワシはもう長いことそんな元気は無いのぅ」

「それに浸かり始めてまだ数分しかたっとらんわぃ」

「いやぁ伯爵は若い若いw」


「2人ともからかわんで下さい!!」


どうやらのぼせているのは伯爵だけでは無かったらしい

ジンも顔が真っ赤になっていた


「まぁまぁ」

「折角の露天風呂なんだから楽しみましょう」

「なんなら朝から酒でもどうかしら?」

「ちょうどここに冷えたエールが有るんだけどw」


「アリエルは何処からそんな冷えたエール樽を持って来たのにゃ?」

「でも朝っぱらから露天風呂で飲むエールは最高なのにゃ♪」

「日程もだいぶ短縮してるし今日はこのまま休息日にするのにゃ」


早速樽のコックを捻りジョッキにエールを注ぐフェリシア


「それは中々趣があるのぅ」

「ささ」

「妾にも何か1つお願いしようかのぅ」


「畏まりましたにゃ♪」

「っって獣神さまぁ???」

「いっいつの間にお出でに?」

「って言うか何故ここに???」


混乱してつい声が大きくなるフェリシア


無理もない


この獣神はつい先程空間を割って入ってきたのだ


「はじめまして」

「獣神様ですね?」

「とりあえず男共が困りますのでこちらをお召し頂けますか?」


「ほぅ」

「水着か」

「用意が良いのぅ」

「まぁ用意と言うより気配りと言うべきかの」


さりげなく空間を割って転移してきた事と言い水着を創造した事を即座に見抜く事と言い


隠れているとは言え神は神と言うことか


「獣神・・・様?」

「本物???」

「何故こんなところに???」


「ふふっ」

「妾の国でアレだけの事をやってのけたのじゃ」

「見に来ぬわけにはいくまい?」


シンシアの問い掛けにドヤ顔で答える女神


ジンの呪いを解いたのは早速バレたようだ

だがそれだけで直接会いに来るだろうか?


「おぉ」

「バステト様にはご機嫌麗しゅう」


「うむ」

「リグレットか」

「久しいな」


「まさかバステト様と同じ湯船に浸かる栄誉に預かるとは恐悦至極に存じます」


「そう畏まるで無いわ」

「そちと妾の仲ではないか」


「ならお言葉に甘えて以前のように振る舞わせて頂きますかのぅ」

「じゃが以前に比べワシは老いさらばえてしまいましたわ」

「バステトは・・・・・・・」

「大きゅうなられましたな」

「部分的に」


バステトと呼ばれたこの小さな女神は猫科の獣人の姿をしていた


黒く長い髪が美しい女神は猫耳と尻尾が有るだけの少女に見えた

だが身長とあどけない顔立ちのわりに胸が大きく膨らんでいる


そしてその隠された魔力は膨大であり長距離転移もそつなくこなしてなお余力があるようだ


想定はしていたがやはり神は転移が出きる


転移対策を考えておかなければミリアと対峙した時取り逃がしてしまうことになりかねない


「リグルはバステト様とは面識があるのね」

「やっぱり前に来た時に謁見したの?」


「妾とリグレット」

「今はリグルかや?」

「コヤツとは共に邪毒龍やミリアと戦った戦友なのじゃ」


水着を身に付け湯船の縁にもたれ掛かり寛ぐバステト


「どうぞ」

「良く冷えてますよ」


冷えたエールの入ったジョッキを差し出すと手で遮るバステト


「エール以外にもあるのじゃろう?」

「ソチからは亜神の匂いがする」

「既に神と同等の力を手にしておると見えるのは気のせいではなかろう?」

「何か異界の物があるじゃろ」

「もっと温泉らしいものが」


そう言われると対応に困る


だが明確に反ミリアの最高戦力の1人で有ることは間違いないだろう


「特別ですよ?」


空間に手を突っ込み白い徳利と盃の乗ったお盆を取り出した


「ほぅ」

「日本酒かや?」

「こう見えて日本酒にはうるさいぞ?」


「再現品ですが辛口の銘酒剣菱に御座います」


「それにしては良い色をしておるの」

「この琥珀色は熟成酒じゃな?」


「流石お目が高い」

「再現品ではありますがだいたい5年物相当です」


「芳醇な良い薫りじゃ」

「味の方は・・・」


チビッ


「ほほぅ」

「これは辛口でありながら深みと甘味が出ておるな」

「中々良い酒じゃ」


2杯目を注ごうとすると徳利を手に取りそのまま口を付けて飲み干すバステト


「まだあるのじゃろ?」


いやはや


神は酒と言うか状態異常に強いだろうから一気に飲めても不思議ではないが


遠慮の無い神だ


「徳利では物足りませんね」

「なら次は遠慮無く」


続いて取り出したのは一升瓶

中身は剣菱ではないが・・・・


「ほぅ」

「これまた紅色が美しい瓶じゃな」

「神界では思うままに創造出来るのじゃが妾が知らぬ物は作れぬのじゃ」

「じゃからこの熟成した日本酒等は生前飲んだ事が無い故作れぬ」


目を細め瓶に見入るバステト


「私は生前色んな日本酒を寝かせて飲むのが好きでしてね」

「ワインのようにセラーで寝かせて味を予想しながら楽しみに待つ」

「この世界では寝かせる日本酒が無いから自分で作るしか無いんですよね」


「そうじゃな」

「特にミリアは文科系の人間を召喚したがらぬからの」

「奴は文化や文明により反乱を起こされるのが怖いのじゃろう」


バステトは盃の酒を飲み干すと自分の力で箸と烏賊の塩辛を出した


「やはり肴は欲しいからの」

「これをこう・・・」


ゴクッ


「はふぅー」

「旨いのぅ」


「ならこちらも如何?」


私が海鼠腸(このわた)と明太子を出す


「ほぅ」

「もしやこれが噂に聞く海鼠腸と言う奴か?」

「妾は食したことが無かったのでな」

「初めてじゃ」


嬉々として箸を進めるバステト


こう言う酒の肴をつつく女神と言うのは何だかイメージに合わない

それは他の皆も同じだったらしくリグルを除く全員が目を丸くしていた


「ん・・・・・はて?」


自動防衛技能(オートカウンター)加速(アクセラレート)が発動した

この身体になってからこう言った警戒と対抗機能を追加していたがこの加速が発動したのは始めてだ


これが発動していると言うことは飛び道具ではない物体が高速で接近していると言うこと


「ふふっ」

「腕試しか」


ザバッ


湯船から立ち上がり私に飛びかかろうとしているバステト

その手に握られた箸には烏賊の塩辛が摘ままれている


「これじゃあ皆がたまらないわね」


バステトが遅く見えるのはこちらの加速の方が速いと言うことだ


更に加速を重ねて烏賊の塩辛を迎えに行く


「良い塩梅の塩辛ね」

「烏賊の歯応えも美味しいわ」

「・・・・・・・」

「お礼をしなきゃねw」


2人が飛び出したせいで水面は弾けておりこのままだと全員に波がぶち当たるだろう


「どうしようかな?」


私はそのままバステトをお姫様抱っこで抱えると再び湯船に浸かった


そして湯船と空間に効果時間一秒で〈停滞〉の魔法をかける

そして自分とバステトの加速を魔法解除(ディスペルマジック)で解いた


「なっなっ何が起こったのじゃ???」


「貴様獣神様に何をするっっ!!」


慌てふためくバステトに色めき立つ獣人達


「皆騒ぐでないわ」

「バステトの奴がアリエルを試しただけじゃ」

「結果はこの通り」

「・・・・・・・」

「アリエルは合格かの?」


何食わぬ顔で酒を飲むリグル


「妾より速いとはの」

「魔法のようじゃが全く分からんかった」

「合格も何も・・・・・・」

「単騎でアリエルに敵う神などおらぬじゃろう」

「妾はこれでも神界有数の速度を誇っておる」

「ミリア相手に撤退を余儀無くされたのは民を守るためじゃからの」

「1対1ならば今でも負けるとは思わぬ」


バステトの視線が妖しく私を見つめ首に両腕を絡ませてきた


攻撃・・・・・・

と言うわけではないようだ


「それで腕試しが終わったのにいつまで獣神様はアリエルに掴まっていらっしゃるのかしら?」


シンシアの言葉には目に見えて刺がある

喧嘩すれば負けるのは分かっている筈なのだが・・・


「妾は神じゃからの」

「何をしようと誰にも文句言われる筋合いは無いのじゃ」

「それにの・・・・・」


バステトは少し腕の力を抜いて身体を離して見せた


「2人ともさっきの加速で水着が吹き飛んでしもうた」

「お主は妾とアリエルの裸を皆に晒せと言うのかや?」


ブフォッッ!!


それを聞いた伯爵は酒を吹き出し慌て目線を反らす


「カッカッカッ」

「なら今2人は裸で抱きおうとるわけじゃな」


「そうなるのぅ」


バステトは妖しく微笑みシンシアの柳眉が上がる

これは反応を見て楽しんでいるな


「私は別に見られても構わないわよ?」

「だって元々男だし」

「シンシアやリグル達には前に見られてるしね」


魔法で気泡の入った水の幕を作り視界を遮ると立ち上がりバステトを念動で浮かせて水着を着せた


「なんじゃ」

「もう終わりか」

「つまらぬのぅ」


「これ以上からかうと後が大変なので自重して下さい」

「でないとこれ以上お酒と肴を出しませんよ?」


「それは困るな」

「ならこの辺にしてやろうかの」


そう言うとバステトは私に軽く唇を重ねて湯船に身を委ねた


「食えない女神様ね・・・」


自分も水着を着ると魔法を解除した


「出会って間もないのに仲の宜しいことで」


「まぁそう言わないでよ」


シンシアの刺の有る言葉を流しながらストレージから冷えたワインとグラスを取り出しシンシアの元へと歩み寄る


「ご一緒に如何ですかな?」


前屈みになりながらグラスを差し出した


シンシアは少し頬を膨らませながらそっぽを向いていたが気を取り直したのかグラスを1つ手に取った


「私がいつもお酒とご飯で機嫌を直す安い女だと思わないでよね」


「シンシアに高いも安いも無いでしょ?」

「だってシンシアはシンシアだもの」

「代わりなんかいないしラルクやリグルとも違う特別な人だもの」


「口が上手いわね」

「それで今までどれだけ口説いてきたの?」


「実は口下手で口説き落としたことなんかほぼ無いわw」

「大概は片想い止まりよ」


シンシアのグラスにワインを注ぐ

高級でも何でもないドイツの白ワインの再現品だ


「意外ね」

「ご機嫌取りに高価なワインを用意すると思ったんだけど」


「それこそ貴女に失礼でしょ?」

「このワインは私の思い入れの有るお気に入りのワインを再現してあるの」

「シュワルツカッツ」

「黒猫ラベルの一般的な安いお酒よ」


「ふーん」

「安いって言うわりには美味しいわね」

「お酒は高い物は美味しい物が多いけど必ずしも高価な方が美味しいわけじゃないしね」

「安いお酒でも美味しい物は美味しい」

「それはこの世界でもアッチの世界でも同じって事かしら?」


「そうね」

「量販酒だからって不味いわけじゃないわ」

「美味しいのが少ないのは事実だけどねw」


「それもこの世界と同じねw」


どうやら機嫌を直してくれたようだ


シンシアの肩にもたれ掛かるように身体を寄せると彼女も私に身体を預けてきた


「あー」

「すまんな」

「良い雰囲気を出しているところ悪いがちょいと良いか?」


「何よリグル」

「分かってんなら野暮な事は止めてくれないかな?」


シンシアが噛みついたため戸惑うリグル


「まぁリグルの気持ちも分かるわ」

「わざわざ獣神様が何百キロも離れたこの地に出向いてきた理由を知りたいのよね?」


「悪いな」

「じゃがバステトをこのまま放っておく事も出来まい?」


リグルの言葉に全員の視線がバステトに注がれた


しかし当の本人は私達のやり取りを肴に日本酒を楽しんでいた


「なんじゃ?」

「もう終わりかや?」

「何なら押し倒したり抱き抱えて先に部屋へ行ってくれても良かったのじゃがなぁw」


バステトはコロコロと笑いながら手酌で飲み進めていた


「じゃがなぁ」

「この国を治める神様が何の理由もなく転移して来るわけ無かろう?」

「別にアリエルの力量を試すのも急ぎではなかったのじゃろう?」


「まぁの」

「手合わせは妾の暇潰しに近いかの」


バステトは盃の酒を飲み干すと再び注ごうとして中身が無くなったのを残念そうにしていた


「1つは妾にも解けなんだ不死の呪いを解いた者の顔が見たかったのじゃ」

「そして出来ればその方法も知りたかった」


私は新たな酒をストレージから取り出し無言のまま念動を使いバステトに差し出す


「ぉお」

「アリエルは気が利くの」


バステトは短く礼を言うと手酌で1杯注いで飲み干した


「フェリシアとジンに迎えに行かせたが目的の御仁の他に懐かしい気配が随伴しておったからの」

「リグルが来てくれたのに妾が出迎えぬのは友として淋しかろう?」


「そこまで気にかけて頂けるとは嬉しい限りじゃのぅ」


バステトの言葉にリグルは相好を崩し喜んだ


「ならたまには妾に答えてくれても良かろうものに」

「・・・・・・・・・」

「まぁ良いわ」

「じゃが途中の話を盗み聞きしてしもうてのぅ・・・・・・」

「この4人は妾にとっての恩人ばかりじゃと言うではないか?」


その恩人の1人をからかって遊ぶとは中々良い根性をしているなと思うが口に出すのは止めておこう


「でもわざわざ確かめるためだけでは無いのでしょう?」

「何か他にも気になっていた事が有るんじゃないの?」


からかわれたのが癪に障ったのかバステトに対するシンシアの言葉は敬語から口語に近くなっていた


それを聞いた獣人達は良い顔はしなかったが逆にバステトは気にしないどころか快く思っているように見える


「つい先日の事じゃ」

「久々に彷徨える都市がこの地に接岸した」

「この地に来るには周期が早いので気になって見に行ったのじゃ」

「そしたら・・・・・・」


「あの変化を目の当たりにしたと」


「やはり知っておったか」

「もしやお主の仕業か?」


「私が改造しました」

「恐らく他の神々では手出し出来なかったでしょうね」


「そうなのじゃ」

「元々神に頼らぬシステムじゃったからの」

「妾にはどうしてやる事も出来なんだ」

「この地に魔力を溜め込んで補給させてやることぐらいしか出来なんだのに・・・・」

「アリエルは妾達の恩人達の恩人じゃ」

「それに加え改めてかの王と同盟を結び外界の同胞を救う助け船として働いてくれる事にも相成った」

「それもこれも全てアリエルのお陰じゃ」

「それを確かめた今ナハトの恩人としてだけ迎えるのは失礼じゃろ?」


「ぜんぜん」

「失礼だなんて思いませんよ」

「ナハトとはギブアンドテイクの取引として治療しただけだし」

彷徨える都市(ヴァンデラーブルク)の件に関しては助けはしたものの私の都合で改造したわけだし」

「それに、もしかしたらこれから迷惑をかけるかもしれないんだもの」

「・・・・・・・・・」

「私の復讐の道具としての保険でもあるの」

「だから寧ろ私が彼等にもっと施さなくてはならないくらいよ」


「アリエルにはアリエルの事情はあったにしてもそれは妾達には関係の無いことじゃ」

「施した側が気にするなと言うたところで恩が消えるわけではない」


言わんとする事はわかる


分かるのだが・・・・・


「まさか別々の件がこんなに絡み合うなんて思っても見なかったわ」


「そうね」

「ついでに私達の目的を明かせば更に援助するって言いかねないわよ?」


「シンシア」

「それを今言うかな?」


軽く眩暈を感じ額に手を当てながらシンシアを見た

だが当の本人は私の肩に背を預け手酌でワインを注いでいる


シンシアの意図は分からなくもない

それにどうせバステトも察しはついているだろう


「その口振りじゃとやはり神落としか」

「先程復讐と言っておったからミリアに仕返しをするつもりじゃな?」


クピッ


バステトは盃を空けるとチラリとこちらを見やる


「して妾に何を望む?」

「これ迄お主等がしてくれた事を鑑みれば妾達には全てをなげうってでも助力するだけの大恩がある」


バステトを私に向き直るとグッと距離を詰めて迫ってきた


「全軍をあげての支援が所望か?」

「その上で後方支援に補給物資の調達か?」

「何なら妾との伽もくれてやるぞ?」


そのまま私の膝に乗り唇が触れんばかりの勢いで詰め寄ってくるバステト

シンシアの機嫌が逆撫でられていくのを肩越しに感じ取った


「ご好意は有り難いのだが」

「残念ながら私は獣人達を巻き込むつもりはない」

「本当はシンシア達3人も安全な場所に隠れていて欲しいくらいよ」


私は左腕を背後から回しシンシアをそっと抱き締めた


「けれどこの3人は私が置いて行こうとも必ず付いてくるでしょう?」

「ならば共に戦列を組む方が安全だし付いてきてくれると言う心が嬉しいのよね」


腕の中でシンシアの力が抜けるのを感じた

バステトへの怒りは一先ず収まったようだ


「だからバステト様には支援して貰えるなら本当の意味での後方支援」

「味方が撤退する時の避難所として手伝って欲しい」


「お主玉砕覚悟で負ける気なのかや?」


「いいえ」

「他の神に横槍を入れられて撤退するなんて事も想定しておかないとね」

「何せ相手は神だもの」

「ミリアが獣人達にしたように他の神がミリアの衰退を好機と見なさないわけがない」


「その心配は多分要らぬじゃろう」

「神落としとはそう言うモノ(・・・・・・)なのじゃから」


バステトは意味深な言葉を言い残すと私の膝を降りてシンシアと反対側の肩に背を預けたのだった

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