ゴブリン達の洞窟
「今日で3日目か・・・」
「時間がたったからだいぶ痕跡も消えてるわね」
「それでも軍隊規模の行進だったので夜営跡や木々や枝の折れ具合で追跡可能です」
「クロエの言う通り追跡は可能だけれど・・・」
「この辺りはだいぶ街道を逸れてるわね」
「本来は獣道だったのかな?」
「今となっては分かりませんが・・・」
「不可解なのがダンジョンから真っ直ぐザグル村を目指しているんです」
「クロエの言う通り真っ直ぐ進んでるわ」
「街道も無視してね」
「そこなのよね」
「普通進軍するなら街道を通る筈なのよ」
「でないと荒れ地や森は進軍速度落ちるもの」
「なのに街道ガン無視して森を強行突破してる」
「私は悪い予感しかないけどシンシアはどう思う?」
「私も嫌な予感しかないわ」
「でも女神からみてザグルってそんなに重要なのかしら?」
「考えすぎかもしれませんが・・・」
「ノッキングヒルから央都へ向かう全ての街道を封鎖している可能性はありませんか?」
「何のため・・・・・・」
「アリエルか」
「恐らく」
「私が生きていればこの包囲網を何処からか突破すると言うわけかな?」
「なら初めからノッキングヒル周辺を壊滅させれば早いと思うけど」
「壊滅って物騒ね」
「でもソコまで警戒してるのかしら?」
「分からないなぁ・・・」
「でも死んだと言う確信が無いのかも?」
「タイミング的に私達がいなければ第一商隊がゴブリン軍と鉢合わせになってたのよね?」
「流石の山岳猛牛もあのゴブリン軍に囲まれたら危険だったと思う」
「恐らくかなりの被害が出たでしょうね」
「ゴブリンロードがザグル村を飲み込んだ後何処に向かうつもりだったのかは分かりませんが・・・」
「もし真っ直ぐ北上したのならば最終目的地は恐らく央都です」
「女神の仕込んだ天災?」
「放っておけばかなりの死者が出たんじゃないかな・・・」
「でもソコまでする?」
「あの女神なら平気でやると思う」
「アリエルはよっぽど女神が嫌いみたいねw」
「シンシアも殺されてみたら嫌いになると思うわ」
「殺されなくったって今は私もだいっ嫌いよ」
「となると・・・・」
「今私がザグルにいるのはバレてる可能性もある?」
「その可能性は否定できないですけど・・・」
「案外いろんな所に英雄やその卵がいますので」
「不定期に発生させた天災を新たな英雄が防ぐってシナリオもあるんじゃないかと思います」
「もし見つかっていたら皆に迷惑がかかっちゃうわね」
「やっぱりこのダンジョンの件が終わったら出発しましょう」
木々の損傷の具合を見ながら森の奥へと歩を進める
ここに至るまで野生動物が全く見かけていない
荒れた死の森と化したのはやはりゴブリンの行軍のせいだろうか・・・
「多分あれね」
「見張りのゴブリンがいるもの」
傷付いた木々の隙間から微かに見える先にゴブリンがいた
100mは無いだろうがまだ遠い
時折眩しく忌々しそうに空を見る姿は見張り役として立たされている印象を受ける
「やっぱりまだ中にロードクラスの統率者がいるわね」
「アリエルの言う通り統率がとれてる気がする」
「でもあの規模が尖兵ってわけ?」
「うんざりするわ」
「そうも言ってられないわ」
「シンシア見て」
「ゴブリンの数が増えてる」
「新たに4匹出てきましたね」
「まだ増えるにゃ」
クロエとシュネーの2人は獣人で遠目が効く
猫系なので暗がりも良く見えるためこう言った森の中では私やシンシアより索敵に適していた
「気付かれないように急ぎましょう」
木々に身を隠しながら確実に距離を積めていく
洞窟の入り口まで半分を過ぎた頃異変が起きた
「シンシアお姉様!」
「ゴブリンの増援ですこれはもしかして・・・」
「迷宮氾濫の前兆かもね」
「もう猶予は無いな!!」
「シンシア!!」
「電撃を叩き込んで!!」
「クロエとシュネーは私の両翼に!!」
「ラルクはシンシアの護衛!!」
「突撃かけるわよっ!!」
「了解!!」
「わかったにゃ!!」
「じゃあ行くよ!!」
「稲妻!!」
シンシアの放った魔法を皮切りに突撃をかける3人
稲妻は出てきたばかりのゴブリン10体を即座に焼き殺しブスブスと煙を上げていた
「2人は両サイドの見張りを始末して!!」
それだけ叫ぶと単身洞窟へと突入した
ー・ー
暗い・・・
ゴブリンは暗視スキルを持っているため暗がりでも光を必要としない
だから洞窟内部にも松明等は不要なため真っ暗なままだ
冒険者達は視界を確保するため明かりを灯す
それが結果的に奴等を引き寄せることに繋がるのだか見えない闇で襲われるより何倍もましだ
「結構枝分かれしてるわね・・・」
「ダンジョンの入り口は何処だ?」
実を言うと私も明かりは必要ではない
暗視スキルに加え魔力視や生命感知を併用するからだ
「痕跡的にはこっちかな・・・」
三叉路の右側を選び壁に傷を付け走り抜ける
途中で遭遇するゴブリン等は物の数にはならないのですり抜け様に切り捨て奥を目指す
「あった」
何度か分岐点があったがその都度壁や天井に目印を刻み30分程で洞窟の一角にたどり着いた
最新部では無いようだが石の祭壇の中央に怪しく光る魔方陣が見える
そう
これがダンジョンの入り口である
この洞窟にもゴブリンが多数住み着いているようだが本命はこの魔方陣
ダンジョンとは魔方陣から転送される異空間に広がる迷宮の事を指す
古代文明の迷宮の奥底に魔方陣があるケースも有るらしいが・・・
ここのダンジョンは洞窟の一部に存在してその入り口は最奥部と別にあると言うへそ曲がりな作りだ
「どうしよう・・・」
「4人を待つべきかな?」
生命感知で見ると多くのゴブリンが洞窟全体に潜んでいるようだ
「やっぱり一人でアタックしよう」
魔法で天井に明かりを灯すと紙を取り出しシンシア達にメモを残す
ゴブリン達もここを守るために動く筈
ならばアタックして帰ってきた時にここがゴブリンに占拠されているのは好ましくない
「それじゃあ初ダンジョン」
「行きますか」
静かに魔方陣へと歩を進めた
ー・ー
青い光が一瞬辺りを包み込み消えた瞬間殺気が生まれる
キィン!!
初見殺し・・・
待ち伏せにあったようだ
見ればホブゴブリン4体が武器を構えその影にゴブリンが一体怯えた眼差しを此方に向けていた
そうか
途中でゴブリンを取り逃がしていたのか
不意打ちを受けたからと言ってホブゴブリン等相手になるわけもなく繰り出される攻撃は全て受け流し確実に首を跳ねていく
4体目を倒す頃にはゴブリンは奇声を上げて奥へと逃げていった
初めから奇襲で終わらせるつもりもないので落ち着いて魔石を回収するとドロップを探してみる
「低レベルの回復ポーション?」
「要らないけど一応回収しときますか・・・」
辺りを見回すと石造りの迷宮で向こうに見える廊下の天井は高く10mくらい有るだろうか?
このエントランスは更に高く15mくらい有りそうだ
部屋も広くまるでボス戦でもやれそうな雰囲気だ
とりあえず一本道か
フヒュンッ
カシッ
通路から飛来した弓矢を剣で切り落としズンズン進む
フヒュヒュンッ
カカッ!
今度は2本
勢いから察するに小型の弓かな?
クロスボウにしては速度が遅い
通路が騒がしいが別に急ぐ必要もないのでゆっくりと近付いていく
「シネー!!」
4体のゴブリンが通路から飛び出してきた
その内2匹が小型の弓を持っているが何れの装備も一目で分かるほどガタがきている
「魔物の装備って何処で手に入れてるんだろう?」
独り呟きながら2匹の錆びた剣をいなし一気に間合いを詰めて弓から片付けていく
「ナンダコイツ!」
「シニタクナイ!」
逃げようとしたゴブリンを背後から切り伏せるがもう一匹は通路まで逃げ去った
慌てず魔石を取っていると通路で悲鳴が上がりゴブリンの死体が宙を舞い近くに落ちる
ゴドッ
首を折られたらしい死体が消失し残った魔石を拾い上げると大柄な影が通路から歩みだしてきた
「何だアレ?」
「普通のゴブリンじゃないしホブゴブリンでもないな?」
一応鑑定してみる
「上位妖魔?」
「初めて見る種ね」
体格からみてホブゴブリンよりも強そうではあるが大した差はない
「流石にロードみたいな高級装備身に付けてる奴はいないか・・・」
瞬殺して魔石を回収してドロップを確認する
ダンジョン内部だと死体は残らず魔石とドロップアイテムだけが残るのは不思議なものだ
もしかすると人間も同じように消えるのだろうか?
戻ったらその辺りを聞いておこう
暫く進むとT字路に差し掛かる
待ち伏せに注意しながら進むがそんな気配は無かった
「右かなぁ?」
「左に行こうかなぁ?」
生命感知を使っているが両方に感有り
どちらにも多分ゴブリンがいる
「分からない時は右周りの法則かな」
ダンジョン系RPGのお約束
マッピングしやすいように右の壁にそって進み全体図を把握するのだ
時間はかかるが確実に制覇出来て迷いにくく取りこぼしも少ない古典的な探索方法である
シュタッ!
一瞬変わった空気に反応して前へと飛び出す
ボドッ!
何やら大量の水っぽいものが天井から降ってきた
「スライム・・・・・・」
その不定形で半透明なゲル状の物体はファンタジーのお約束モンスタースライムだった
「あー」
「やっぱり有名ゲームの雑魚キャラと違ってリアルに危険な方のスライムじゃん」
グジュグジュと波打つスライムの中にはゴブリンの骨らしきものが幾つか漂っている
「そう言やコイツ等の食糧ってどうなってるんだろ?」
スライムはゴブリンを食べているようだが・・・
ダンジョンでは死んで暫くすると死体が消える
生きたまま食べたら死骸が残るのか?
食肉がドロップするのだろうか・・・?
ダンジョンの生態系に疑問は残るが深く考えないことにした
「焼いたら死ぬかな?」
斬撃は効きそうにないので炎の魔法でスライムを焼き殺す
もしかしたら空腹でも死ぬことが無いのかもしれない
だからいつも飢餓状態で襲ってくる可能性はある
等と考えながら雑魚ゴブリンを軽くあしらいつつ先へ進むと行き止まりになっていた
「なんかショボい宝箱があるわね」
鑑定すると〈レベル1毒矢罠付き宝箱〉とある
何だか鑑定スキルの丁寧さに笑みが溢れる
「この世界の鑑定って何でもありだなw」
迷わず宝箱に手を掛け開けると同時に毒矢を避ける
別に避ける必要は無いのだが一応避けた
「中身は何かなぁ?」
「えーっと・・・・」
「何だこれ?」
「警戒のランタン?」
いぶし銀のようなボディに水晶の板が嵌め込まれた四角い手提げランタンで周りにはびっしりとルーン文字が刻み込まれている
魔力を注ぎ明かりを灯すとランタンとして使用できる魔道器具で敵意ある存在が近付くと色が変わるようだ
「そこそこ便利だから帰ったらアルスにあげよう」
追跡等の魔法がかかっていない事を確認すると保管魔法に放り込む
「でもこの世界にもルーンは有るんだ・・・」
「しかもちゃんと力を発揮してる」
正直思うところは有るが今はこのダンジョンの制圧が目的だ
足早に各通路を渡り歩き虱潰しに通路を消し込んでいく
途中大きな扉のある場所に行き着いたがソコはマークだけしてフロア全体を探索した
「ほとんどゴブリンね・・・・」
「もう何匹斬り倒したのか数える気にもならないわ」
ため息混じりに独り言が溢れてしまう
上位のゴブリンが出たのは最初だけでスライムも4体
ゴブリンは何十匹駆除したか分からないくらいたくさんいた
「いくら雑魚ばっかりでもこのエンカウント密度だと普通の冒険者なら撤退レベルね」
このダンジョンは無駄に広く正に迷路構造になっている
戦闘音に惹かれてなのか5分か10分に1度の割合で遭遇し数も数匹から10匹と統一性がない
だがこのフロアにはほぼリスポーンポイントが無いらしく追加で遭遇するゴブリンは大扉のあった通路の方から移動してきたようだった
「一階層目にはリスポーンポイントは無いのかな?」
「だとしたらドロップやトレジャーも見るもの無いし先に進みますか」
ダンジョンに突入して既に半日近くぶっ通しで探索して戦闘も軽く15回を超えている
普通ならば安全地帯を確保して夜営か休憩を取る筈だが私には必要ない
「上の4人は大丈夫かな?」
「ラルクとシンシアがいるから疲弊して致命傷を負ったりはしないだろうけど・・・」
早めに攻略するに越したことはない
だが初見ダンジョンを1日で制覇など土台無理な話なのだ
「ここね・・・」
扉の前に立つとタイムリーに大扉が開き中からゴブリンが10匹出てくると同時に目を見開き警戒の雄叫びをあげた
「遅いって・・・」
一拍おいて構えた頃には半分の首が飛び残る半分も2呼吸程で殲滅した
暗くても問題ないが何と無く気分で魔法の明かりを灯し天井方向へと飛ばす
「テキシュウダァーーー!!」
照らし出された部屋はエントランスより広い大広間で見渡す限りゴブリンとアークゴブリンが犇めいていた
「あ・・・・・・」
「多すぎてめんどくさい」
私が両手で別々の印を結びながら素早く呪文を唱えると5つの魔方陣が放射状に展開した
「ごめんね」
「マトモにお前らの相手する程暇じゃないのよ」
「滅ぼせ!!」
最後の言葉に呼応して5つの魔方陣が輝き始める
両端の魔方陣からは絶え間無く稲妻が吐き出され前の3つの魔方陣からは何条もの魔力弾が機関銃のように撃ち出される
部屋に犇めいていたゴブリン達は逃げ場を失いなす統べなく薙ぎ倒されていった
「掃討って言うより虐殺ね」
粗方のゴブリンが消え失せ虫の息で生き残った上位妖魔にトドメの魔力弾を放つ
「ギザマ・・・」
「ナニモノダ!!」
一番奥に陣取っていた〈剛妖魔〉が身体中から血を流し胸の傷を押さえながら呻く
「カスに名乗る名は無いわ」
左手をかざし放った稲妻がゴブリンの息の根を止める
感知魔法の精度をあげ部屋中に散らばった魔石やドロップアイテムを認識すると〈念動〉の魔法で1ヵ所に集め追跡魔法の有無だけ確認して保管魔法で収納した
「我ながら化け物ね・・・」
広い部屋を見回しなが軽く100匹はいたであろう多種多様なゴブリンを一掃した事を思う
哀しくなければ罪悪感も無い
だが達成感も全く湧いてこない
「ここまで来ると単なる駆除作業ね」
最奥の扉を見付けると静かに歩を進めた
ー・ー
「シンシア姉様これを!!」
ゴブリン達の気配を辿り洞窟の最奥まで潜って狩り尽くしたシンシア達には流石に疲れの色が見えていた
それでもアリエルと合流できていない以上は休むことが出来ないと主張するシンシア
彼女をラルクがサポートし休憩を挟みながらも探索を続けていたのである
「あのバカ・・・」
「・・・・・・・」
「お姉様どうしますか?」
ラルクの言葉に3人の顔を見回すシンシア
手練れのパーティーとは言え半日以上を洞窟の探索に費やした
疲労していないわけがない
それでも健気に疲れを隠そうとするクロエとシュネーに気付いたシンシアは決断を下す
「置き手紙の通りアリエルは単身ダンジョンアタックをかけてる」
「他の魔物がいないとも限らないから今日はここで夜営しましょう」
「入り口は洞窟側とダンジョンの2ヵ所」
「警戒は怠らないよう交替で行いましょう」
「わかったにゃ」
「わかりました夜営の準備に取りかかります」
シュネーは通路を少し戻り何やら仕掛けを施していた
恐らく糸を張った鳴子の一種だろう
クロエは焚き火の準備に取り掛かり下ろした背負い袋から携帯食糧と調理器具を取り出した
ラルクも手伝い2人で晩御飯を作り上げる
「この4人で冒険する事になるなんてねw」
「これでリグルのじっちゃまがいたらもっと楽しいのにゃ♪」
陽気に戻ってきたシュネーはドカッと胡座をかいて座ると背負い袋を下ろし中から砥石を取り出す
「シンシアお姉様」
「剣を下さい先に磨きます」
「あー」
「この剣はそう言うの要らないのよw」
良いながらも剣帯から鞘ごと外してシュネーに手渡す
「どう言う事にゃ?」
「ゴブリンみたいな雑魚でもアレだけ斬れば刃は痛むのにゃ」
無造作に鞘走りその目が見開かれる
「何なのにゃこの剣は・・・」
「美しいだけじゃないにゃ・・・・・」
「刃こぼれどころか引っ掻き傷一つ付いてないのにゃ」
シュネーは魔力の光に刃をかざしながらシゲシゲと見つめている
「まさかラルクのもそうなのかにゃ?」
レイピアをシンシアに返しながら問い掛けるシュネーにラルクは自ら鞘走り刃を下椀に乗せて柄をシュネーへと差し出す
これは騎士団で行われる自らの剣を相手に渡す時の正式な作法である
シュネーは立ち上がり左の掌で刃を支え柄を掴んで剣を受け取る
「ほぇ・・・・・」
ラルクから受け取った幅広の長剣を同じように見てとると3度剣を振り回しピタッと正眼に構えた
「惚れ惚れするぐらい良い剣にゃ」
溜め息をつきながら両手の上に刃を乗せてラルクに返すシュネー
これも相手に敬意を示す作法である
受け取ったラルクは静かに鞘へと戻し焚き火の傍に座った
シュネーもペタンと座り込むと静かに自分の武器を取り出し手入れを始める
「御二人とも流石にゃ♪」
「見たこともないような良い武器を持ってるにゃ」
「・・・・・・・・」
「これってアリエルの作なのよね」
「にゃんですとぉー???」
思わず手入れしていた武器を取り落とし腰を抜かすシュネーと振り向いて目を見開くクロエ
「作れるのは防具だけじゃないのにゃ?」
「何でも作れるわよ」
「凄すぎて信じられないのにゃ・・・」
「でもこのブーツを履いていると納得できますよね」
「確かにこの強行軍で脚が痛くなってないにゃ」
「ホントそのブーツは羨ましいわ」
「ラルクなんかアリエルが全身フルコーデしたのよ?」
「あの・・・」
「お履きになられますか?」
いつの間にかブーツを脱いだクロエがシンシアに自らのブーツを差し出していた
「気を遣わなくて良いのよw」
「私のもそうなんだから」
「でもお洒落的にはブーツって欲しいわよね・・・」
「また今度アリエルに作らせよう」
ニヤニヤと嗤いながら言うシンシアの言葉にはやけに説得力があるのだった




