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1・保険

さて、初めましてな人は初めまして。

作者ことQUODです

今回の小説は世にも奇妙な物語に雰囲気を似せて書いております。

とことん怖くすることも可能でしたが、あくまで奇妙を目指したかったので、怖さは控えめかな・・・。読み返したら結構怖くてびっくりしたけど(笑)

 僕の名前は髙橋直人、26歳。ごく普通のサラリーマン。スーツを着こなし、真面目に働いているが、上からの小言が絶えない。ほとんど、自分たちの責任だろうに。そのしわ寄せがこちらに来るんだから、たまったものでは無い。僕はひそかに、自分が上にきたら、下の奴らをいじめてやろうかとも思っていた。

 そして、今日も書類の整理。凝った肩をもみほぐしながら、小言を言われないように慎重に、かつ早く進めていく。すると、少ししわがれた声が僕を呼んだ。

 

「おい、髙橋。」


 やれやれ、また小言かよ・・・。僕は気が重いながらも、行かない訳にはいかず、ゆっくりと腰かけ椅子から立ち上がる。

 

「何でしょう?課長。」

 

課長のいるデスクに、近づきながら尋ねる。僕は恐る恐る、パソコンを見つめている課長の顔を覗いた。しかし、課長の顔はいつもの“怒っている顔”では無かった。


 (あれ、失敗じゃないのかな?)


 「髙橋。」

 「は、はい。」


 疑問の中から急に引きずり出され、思わず声がうわずる。すると、課長は、一旦パソコンから目を離し、僕の方を向く。少し眉間にしわを寄せた顔で、苦笑いしながら


 「何だよ、別に怒るってわけじゃないんだぞ。それとも何か?俺は、いつもお小言を部下に言って、自分の憂さを晴らす、最低上司のように見えるってか?」

 「いえ、そんな事はありません!」


 (その通りだよ!てめぇな、毎日のように憂さを晴らしているくせに!)

 

と、思っている事を、素直に言葉にできる訳もなく、仕方なく否定してあげた。

 

 「ふん、まあ良いか。」

 

しわがれた声の男は、僕から目を離し、パソコンに向き直り、手を動かしていく。

 

 「あ、あの、」

 

先輩の顔色を窺いながら、僕は尋ねた。

 

 「あの、僕に何の用でしょうか?」

 「あ、そうそう。お前、まだ生命保険に加入していないだろ?」

 「え、ええ。自分にはまだ、必要無いと思いまして・・・。」

 「あのなー、今のご時世、お前みたいな若い男性でも急にバタッ、てのも有り得るんだぞ。」


 そう、この会社は有給休暇が多い代わりに、労災保険に加入しないのだ・・・。だから、保険は自分で入らないといけない・・・。


 (ていうか、若者達がバタッ、となるのも人使いの荒い上司のせいじゃないのか?)


 「確かに君は独身で、一人暮らしだ。だから、死亡保険に入っても意味はないかもしれないが・・・。手術とか・・・、入院とかになったら大変だろ?働けないのに、お金を払わなきゃいけないって・・・。」


 少し薄めの髪を掻きながら、課長は言った。というより、正直驚いた。最低のダメ上司だと思っていたのに・・・。ちゃんと、部下の体の事も心配してくれているのか・・・。


 「は、はい。分かりました。何かに入ろうと思います。」

 「ああ、そうか・・・。」


 見た目よりも少し年老いた男は、パソコンに向かったまま、そう言った。少し・・・、この人に対する認識を改めよう・・・。そう思って踵を返す。

しかし、後ろから追うように聞こえた課長の声が、この決意をグラグラと音を立てて揺らした。

 

「良い保険を見つけたら、俺にも紹介しろよ!」 決めた・・・。





僕が上司になった暁には、部下を徹底的にしごいてやる!

この小説ももう既に書き終えています。

なので暇があり次第投稿したいと思います

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