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乙女ゲームに転生してるような?

拙い文章ですが、最後まで頑張ります。

 私こと男爵令嬢のミッシャー・ジョンナーダは卒業パーティーの会場に足を踏み入れた瞬間に気がついてしまった。


 あ、このパーティーは乙女ゲーに転生した悪役令嬢が、ゲームの主人公に嵌められて婚約破棄だの断罪だのされて国外追放になったりするけど、前世の記憶やチート能力で元婚約者と主人公をざまぁする系のやつだと。

 前世でプレイした覚えはないし、学園の名前も見たり聞いたりした記憶は無いので、詳しいゲーム内容とかがわかるわけではないが、はっきりとこれは転生した系だというのは解った。


 それが私に何か影響するだろうか?

 私は悪役令嬢ではないし、婚約者もいない、主人公でもないし、単なるモブだ。そんな私が気がついたところで何も出来る気がしない。悪役令嬢が転生した人かもわからないのに、まさか転生者同士、仲良くなった悪役令嬢のざまぁの手助けをするとか?

 混乱してきたので状況を確認して少し落ち着こう。


 今日はこの国の貴族の子息令嬢が通う、ランカリーナ国立エディケンダ学園の卒業パーティーだ。私は卒業生として参加している。同級生は多種多彩な貴族の面々がいる。

 乙女ゲーの攻略対象も数人いるはずだ。通りでイケメン高スペックな方が多い学年だった。私はおそれ多くて、その方々には近寄らなかった。


 下らない事をうだうだ考えていたら少し落ち着いてきた。そうだ、乙女ゲーとして見たときの主人公や悪役令嬢、その婚約者について考えてみよう。


 主人公は去年、急に転入してきた男爵令嬢のルーナ・シャンル。17歳で急に転入なんて少し変だと思っていたのだ。

 彼女が主人公なら、攻略対象は第2王子のエンドリュース・ランカリーナ殿下、宰相子息のラフィー・カナルーシャ様、騎士団長の次男のサイオーラ・バスティアーノ様、エンダリク魔術研究所の所長子息のミリタナ・エンダリク様辺りかな。並べてみると将来的に国の中枢を担う、すごい面々だ。


 この中で婚約者がいるのは、エンドリュース殿下とラフィー宰相子息。確か、ルーナ嬢は攻略対象全員に愛想振り撒きながら、エンドリュース殿下に付きまとっていた。


 だとすると、悪役令嬢はエンドリュース殿下の婚約者の公爵令嬢のフィーリア・ルードベルヌ様ということになるけれど、あの才色兼備で物静かなフィーリア嬢がルーナ嬢をいじめるとか婚約破棄されるというのが想像できない。


 確かに、主人公のルーナ嬢に対して、婚約者のいらっしゃる殿方に馴れ馴れしくしてはいけないとか、身分が上の方の話を遮ってはならないとか注意はしていたけれど…。貴族としては当たり前の事を言っていただけのような。

 私が見てないところで酷いことをしてた、とかがあれば別だけど。そんなことしてフィーリア嬢に何の得があるというのか…。家同士が決めた婚約に恋愛感情はないはず……。でも、王子は腐っても王子だし、乙女ゲーの攻略対象なんてハイスペック確定だから密かに恋愛感情があっても不思議ではないのかも…。


 うーん。考えてみたけれど、平民に毛が生えた程度の男爵令嬢の私には政略結婚の裏側なんて解らない話だった。こんな不毛な考えを巡らせても何が変わるわけでもないし、これから何が起ころうがどうでも良くなってきた。関わったら面倒くさい事になりそうだし。


 私は私で今日の卒業パーティーでは美味しい料理をお腹いっぱい食べて、ジョンナーダ家のために一人でも多くの貴族の子息、令嬢達とお近づきにならなければならないのだからそれに集中しなくては。


 考えがそこに落ち着いた時点で顔を上げるとパーティー会場の中程まで進んでいた。会場の一番奥では国王のマスタナーラ陛下、つまりエンドリュース殿下のお父上がこの学園の卒業生をお祝いするために出席者一人一人にお声をかけてくださっている。


 前世は普通に日本人だった私からしたら国王に会えるなんて滅多に無いことなので少しわくわくしていた。前世の記憶が蘇ってきてもミッシャー男爵令嬢としての17年が無くなるわけでもない。貴族としての礼儀作法は一応一通り習っている。緊張はしつつも国王の前で無難にカーテシーを行えた。


「ミッシャー・ジョンナーダ。卒業おめでとう。挨拶の後に話があるので30分後に隣の控えの間に来なさい。」

「……はへ?」


 いきなり陛下にお祝いの言葉以外をかけられて、はいと言うところに不敬な言葉が出てしまった。私は陛下の顔を見つめてしたが、陛下はすぐに後ろに並んでいた人にお祝いの言葉をかけ始めた。これ以上は何も言わないという意思表示であろう。私は何がなんだかわからないまま挨拶の列から離れた。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きも頑張ります。

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