幕間 -2-
今回のお話「幕間 -2-」は、今後の物語を"読者目線"でハラハラしながら読まれたい方用に書いております。
アリア目線で読み進めたい方は回れ右をお願い致します。
私の表現力でどこまでできるかはわかりませんが、読者目線とアリア目線で、全く見え方が変わる展開となる予定でいます。
上手く書いていくことができるかどうかはわかりませんが、そんな試みです。
悩まれる方、「続きが気になって堪らない病」の方は、取りあえず読まれないことを推奨致します。読むことはいつでもできますので!(笑)
また、再開のご挨拶で活動報告を更新しております。(↑な感じで今回は前書きでのお知らせです)
よろしければ覗いてみてやって下さいませm(_ _)m
読者目線orアリア目線。
どちらでお読みになりますか??(笑)
一度読んだら戻れません。よろしいでしょうか?
――「千○ ✕平容疑者の身柄は、本日午後……」
夜のニュースが流れる中で、彼女は明日の朝食とお弁当の下ごしらえをしながら夕食の洗い物をしていた。
どこかそわそわしてしまうのは、この時間が日曜日の夜だからだ。
まるで翌日の遠足を楽しみにしている子供のようだなと思いながらも、ずっとこの時を待っていたのだから仕方がない。
彼女が誰にも秘密の趣味を楽しめるのは、夫や子供のいない平日の昼間だけなのだから。それだって、部屋の片付けや洗濯物などといった家事をこなしながらでは、そこまで時間が取れるものでもない。
子供たちが部屋へと籠り、夫が入浴している間にこっそり開封するだけしてしまった、ゲームが隠されている引き出しへとチラリと視線を投げる。
――「禁断のプリンス2 ~behind the mask(仮面の裏側)~」
やっとプレイできるかと思うと、ドキドキと胸が高鳴って、今夜は眠れるだろうかとも思ってしまう。けれど、だからこそしっかり眠っておかなければ、昼間眠くなってしまったら堪らない。
しかも、同封されていた二枚のチラシの中身を思い出せば、つい口元が緩みそうになってしまい、彼女は必死で平常心を保っていた。
――「大人気御礼! DL限定! 禁断のプリンス2 ~rimited edition~ ゲームの続きがここに!」
――「禁断のプリンス3 現在制作中! 今度は現代編で超鬼畜!? 制作中の中身を少しだけお見せします!」
まだ「2」はプレイすらしていないが、すでにその続編が待っているなど楽しみで仕方がない。
しかも、「3」まで決定しているとは。
「……犯人、捕まったようで良かったな」
「……え?」
ソファに座った夫から不意に声をかけられて顔を上げる。
「連続婦女暴行事件の犯人だ。かなりの知能犯だという話だったから、検挙までには時間がかかると思っていたが……」
「あ……、そ、そうね……」
子育てと家事に追われながら、その合間で秘密の趣味を楽しんでいるともなれば、正直TVを見ている時間などほとんどないと言っていい。
――「過去数年に渡っての余罪を調べ……」
「まだ表に出ていないだけの被害者が他にもいるらしいという話だ。今回遺体が出てこなければ事件そのものが発覚せずに終わっていたかもしれないな」
被害者は、主に身寄りのない者や、生活に悩みを抱えて失踪してもおかしくはない家出人扱いの女性たちだったという話は、さすがの彼女の耳にも届いていた。
そういった意味では、自分には関係ない事件だと、どこか他人事のように思ってしまっていた部分があることも否定できない事実だ。
「……犯人、捕まって良かったわね」
複雑な気持ちを抱きながら微笑んで、彼女は止めていた手を動かしていた。
本来は、前回の幕間で書く予定だったお話です。
続編を始めるに当たり、加筆修正しようか悩んだのですが、別にしました。